【阿修羅の追い切り速報】重賞以外の追い切り特注馬
ここで取り上げる注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。
注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2024.5.8)
【美浦ウッド】は稍重。前日の雨の影響で、コース全体がたっぷりと水分を含んだ状態。締まって走りやすく、時計も速かった。騎乗した助手は「開門と同時に乗ったが、クッションが利いて走りやすかった。コーナーもしっかりと踏ん張れるし、直線もその勢いが持続する感じだね。どこを走っても速い時計が出る馬場だった」とのこと。日曜東京11R・ヴィクトリアMに出走するウンブライルが5F68秒3ー3F38秒2ー1F11秒3。フィアスプライドが5F66秒9ー3F36秒8ー1F11秒1。
【美浦ポリトラック】は良。雨の影響で柔らかく粘り気のある馬場。ただ走りづらいことはなく、変わらないコンディション。時計も速い。
【美浦ダート】は重。コーナーは少し水が浮くようなところがあり、追い切りで使う馬は少なかった。時計は通常。1F12秒台なら優秀だ。
【美浦芝】は重。青々とした芝の丈が揃って、コンディションは良好。ビシッと追う馬はいなかったが、1F11秒台なら優秀と言える。
【美浦坂路】は稍重。先週よりも時計は掛かっているが、極端に重くなった印象はない。4F53秒台ー1F12秒台前半で走れていれば評価できる。
<美浦>追い切り注目馬
■土曜東京10R 六社ステークス
コスモフリーゲン(牡4歳)
父:スクリーンヒーロー
母父:ダンスインザダーク
生産:ビッグレッドファーム
馬主:(有)ビッグレッドファーム
厩舎:美浦・畠山 吉宏
デビューから3連勝。昇級後も崩れずに駆けており、前走は先週の新潟大賞典(GIII)2着のキングズパレス相手にクビ差の2着。ハイレベルな一戦を好走したように、着実に力を付けている。中間の気配も素晴らしく、1週前は6F81秒3ー3F36秒7ー1F11秒1の好時計。今週は新たにコンビを組む横山武を背に5F65秒7ー3F36秒1ー1F11秒2を馬なりでマーク。前2頭をあっさりと捕らえると、最後は脚勢の違いを見せつけて中の馬に2馬身、外の馬に1馬身の先着でフィニッシュ。体も引き締まっており、前走以上の出来で臨む。
■日曜東京7R 3歳1勝クラス
イサチルカゼニタツ(牡3歳)
父:ディスクリートキャット
母父:フジキセキ
生産:坂戸 節子
馬主:小坂 功
厩舎:美浦・辻 哲英
前走はハナを奪って主導権を握ると、直線も後続を突き放す圧巻のV。ダート2戦目でパフォーマンスを上げたように、適性の高さを示す一戦だった。その後は無理使いせずに、当舞台までじっくりと待機。坂路とコースを併用して順調に本数を重ね、1週前は馬場の大外から1F11秒6を軽々とマーク。今週は内田博を背に3頭併せ。前2頭を追いかけて内に潜ったが、1Fではあえて後ろに構えてチップをかぶらせるケイコ。それでもリズムを崩すことなく鞍上の仕掛けにスッと反応すると、重心を沈めて力強い伸び脚。5F66秒3ー3F37秒7ー1F11秒9。数字以上に中身の濃い調教ができており、体も柔らかく、ふっくらと見せる仕上がり。心身ともに充電完了。
■日曜東京12R BSイレブン賞
ヴェールアンレーヴ(牝5歳)
父:リオンディーズ
母父:ディープインパクト
生産:ノーザンファーム
馬主:DMMドリームクラブ(株)
厩舎:美浦・宮田 敬介
クラスが上がってからもうひと押しが利かないレースが続くこともあって、今回はダートに参戦。ケイコ駆けするタイプだけに、砂が合わないことはないだろう。牧場でもダート調教をこなしてきただろうし、帰厩後の動きもスピード感にあふれている。1週前は攻め駆けする相手に互角に動いて5F66秒4ー3F36秒9ー1F11秒5で同入。今週は僚馬を誘導して直線で併せる形となったが、相手が来れば来るだけ伸びる脚勢を披露。手脚が良く伸びて、バネの利いた走りは休養効果十分。5F66秒1ー3F37秒0ー1F11秒7。馬体も中から膨らんだような張りがあり、出来に関しては言うことなし。
<栗東>馬場寸評(2024.5.8)
今週から調教開始時間が1時間早まり6時からに。この日は晴天だったが、前日の雨でポリトラック(常に良馬場)を除いてすべてやや重だった。
【Wコース】はラスト1ハロン10秒台はいなかったが、皐月賞馬のジャスティンミラノをはじめ、数頭が11秒フラットをマーク。標準的な数字がでた。
【芝コース】は、先週から芝丈がかなり伸びて見た目はフカフカで走りやすそうなコンディションだが、セーブした追い切りのみで数字は遅めだった。
【ポリトラック】も馬なりのセーブした追い切りが中心だったため、数字は地味だった。
<栗東>追い切り注目馬
■京都土曜7R 4歳上2勝クラス
トリップトゥムーン(牡5歳)
父:アドマイヤムーン
母父:ネオユニヴァース
生産:ヒサイファーム
馬主:岡田 牧雄
厩舎:栗東・新谷 功一
ポリトラックで5ハロン73.3-56.9-42.4-12.3秒。行き出しから弾むようなフットワーク、直線も活気十分の動き。コンスタントに使われているため手控えた追い切りだったが、走りたくてウズウズしている様子で遠征後も元気一杯。昇級後の2戦はいいところがでていないが、いずれもハナをきった馬がそのまま逃げ切る結果で流れが向かなかったこともあったか。終いの脚はもっている馬、少し上りのかかる展開になれば一気に台頭も。
■京都日曜10R 錦ステークス
ダノントルネード(牡4歳)
父:ハーツクライ
母父:Manhattan Rain
生産:ノーザンファーム
馬主:(株)ダノックス
厩舎:栗東・中内田 充正
藤岡佑が乗りWコースで6ハロン84.8-68.7-53.0-37.1-11.1秒。古馬オープンのダノンティンパニーを追走し、ゴールでは1馬身先着した。体つきも逞しく、仕掛けられてからも鋭い反応を見せた。セレクトセールで1億6千万円で取引されデビュー前から期待の高かった馬。新馬戦を勝ち、京都新聞杯で2着にきたまでは順調に階段を登ってきたが、その後はピリッとしない競馬続き。前向きさが出てきたのが逆にマイナスの方に出ている感も。間隔を詰めて使えるのも好材料、マイルに距離を詰めてきた今回は変わる可能性も。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び5頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班