【追い切り速報】2023中京記念週
今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。
なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。
それでは、注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2023.7.19)
【南ウッド】は良。前日からの入念な水まきの成果で、チップは適度に水分を含んでしっとりとした状態。朝一番は馬場が締まり、時計も速かった。ただ、後半になると表面が乾き、パサパサの状態に。極端に時計がかかることはなかったが、馬場が荒れた時間帯は暑さもあって直線で息切れする馬も見られた。追った時間によって、多少のコンディションの差がある日だった。騎乗した助手からは「涼しい朝一番に追い切りが集中するね。そのため、いいコースを取れないこともあるが、比較的走りやすい馬場。湿ったところと乾いたところがうまく馴染んでいる感じだった。後半は表面は完全に乾いたが、ハローで馬場を慣らせば特に気にすることもなく、通常通り走れている。馬場に変化はなく、いいコンディションを保てていると思う」とのこと。日曜福島メーン安達太良ステークスに出走するエリモグリッターが5F70秒5ー3F37秒9ー1F11秒6。土曜福島メーンTUF杯に出走するレイニーデイが5F66秒6ー3F38秒5ー1F11秒7。
【南ポリトラック】は良。表面が乾いて硬めのコンディション。時計自体は先週と大きな変化はなく、1F11秒台後半が基準値。
【南ダート】は良。適度な湿り気があって、走りやすい馬場。追い切り自体は少なかったが、1F12秒台前半ならOK。
【南芝】は良。ビッシリと生えそろって、走りやすい状況。ダート同様、追い切り頭数は少なかったが、速い時計の出るコンディションだった。
坂路は閉鎖中。
<美浦>追い切り注目馬
■7.22土曜福島5R 2歳新馬
アレグロブリランテ(牡2歳)
父:ディープブリランテ
母父:フレンチデピュティ
生産:ノーザンF
馬主:サンデーレーシング
厩舎:美浦・上原佑紀
追い切り当初から切れのあるフットワークが目立ち、追うごとに出来もグングンと上昇。1週前は戸崎が跨がって南ウッドで5F66秒7ー3F37秒7ー1F11秒4。3頭併せの真ん中で実戦を意識させたが、最後まで粘り強く伸びきった。今週は戸崎を背に芝コースに登場。古馬1勝クラスを2馬身追走してスタート。道中はいい意味でゆとりがあり、コーナーで内に潜ると自らハミを取ってグイグイと加速。最後まで手綱は持ったまま、きっちりと伸びきって5F65秒1ー3F35秒8ー1F11秒1をマーク。スピード感にあふれた走りと素直な気性はいかにも初戦が良さそうなタイプ。体も引き締まっており、新馬Vのレベルにある。
■7.22日曜福島12R 3歳上1勝クラス
シアージスト(牡4歳)
父:Ghostzapper
母父:Medaglia d’Oro堀宣之
生産:Ghostzapper Syndicate
馬主:ゴドルフィン
厩舎:美浦・堀宣之
中央再転入初戦となった前走は、好位からしぶとく脚を伸ばして3着。休み明けでまだ体を持て余していたことを考えれば、上々の内容だった。それだけに叩いた上積みは大きく、この中間は活気にあふれている。1週前は単走追い。力感あふれるフットワークに、追ってもうひと伸び。5F67秒5ー3F36秒6ー1F11秒6。馬場の真ん中を真っ直ぐ伸びきった。日曜には3頭併せを行って1番の手応えと脚勢で先着。迎えた今週は半マイルからとなったが、滑らかなフォームから、直線も引っ張りきれないほどの手応えで一気の伸び脚。重心がグンと沈み込み、追えばどこまでの伸びそうな脚勢だった。体も無駄な脂肪が取れて、メリハリのあるシルエットに。汗をたっぷりとかいているように、代謝の良さも体調がいい証拠。良化は歴然だ。
■7.23日曜福島5R 2歳新馬
フランクエフェクト(牡2歳)
父:Frankel
母父:War Front
生産:ノーザンF
馬主:シルクレーシング
厩舎:美浦・木村哲也
乗り出しからひと追いごとに時計を詰めて、着実にパワーアップ。歴戦の古馬に胸を借りて追い切りを重ねると、1週前は古馬OP・オーソリティとの併せ馬。7Fから時計を出す意欲十分の内容となったが、直線は内に潜ってキッチリと同入。7F97秒8ー3F37秒9ー1F11秒9を軽々とたたき出す、2歳馬離れしたスタミナを披露。今週は北村宏を背に3頭併せ。古馬2頭に挟まれるプレッシャーを受けながらも、最後まで持ったままズバッとはじけた。5F69秒5ー3F39秒3ー1F11秒8。質、量ともにこれ以上ないほどの乗り込みで、身も心も鍛え上げられて万全の出走態勢。パンパンに膨らんだ馬体からも、出来の良さが伝わってくる。
■7.23日曜福島12R 3歳上1勝クラス
サウザンサニー(牡3歳)
父:タリスマニック
母父:ワークフォース
生産:千明牧場
馬主:千明牧場
厩舎:美浦・岩戸孝樹
重賞3着の実績を持つ同馬。前走は1番人気に応えられなかったが、圧勝した逃げ馬を追いかけたことで苦しくなってしまったことが敗因。激戦後の疲れもあったか。ただ、立て直したことで、本来の躍動感に追い切りではハツラツとした動きを見せている。1週前は南ウッドで6F追い。長めから飛ばしながらも、直線は勢いたっぷりの伸び脚。併せた相手を4馬身突き放して1F11秒5をマーク。全体時計も6F82秒4と優秀で、いい頃の雰囲気を完全に取り戻した。今週も併せ馬。3馬身追いかけて内に潜ったが、直線は追われる相手を尻目に持ったままいつでも抜け出せる勢い。最後まで我慢させたが、フットワークは弾んでいた。5F68秒0ー3F37秒8ー1F11秒9。数字以上のスピード、切れがあり、肌もしっとり見せた状態。うまく立て直された。
<栗東>馬場寸評(2023.7.19)
降雨など馬場状態を左右する事象は少なく、引き続き全コースとも良好な状態。
【坂路&CW】は特に走りやすそうで、坂路は先週同様に時計が出たイメージだ。CWもそれなりに速く、ラスト1ハロン10秒台の馬も。入れ替えたチップもだいぶ馴染んできたようだ。
【芝コース】は稍重でも、きれいに生えそろっているぶん走りやすそう。追い切り頭数は多くないが、それなりの数字は見られた。
【ポリトラック】常に良設定のポリトラックは通常通り。
【ダート(Bコース)】はかなり乾燥しているようだったが、時計鈍化を招くほどではなかった。
<栗東>追い切り注目馬
■7.22土曜中京9R 香嵐渓特別
ベルシャンブル(牝3歳)
父:キズナ
母父:Lope de Vega
生産:ノーザンF
馬主:シルクレーシング
厩舎:栗東・中内田充正
18キロ増えていた前走でも太くは見せなかったし、そこから2カ月間をあけたことで、さらにボリュームアップしたイメージ。それでもまったく重苦しさはなく、むしろスピーディでラストの伸びなんかもさらに鋭くなった。ウッドでラスト1ハロン11.3秒と数字的にも優秀であり、しかも鞍上の手綱は抑えられたままだ。クラス2戦目のペース慣れも見込める。
■7.23日曜中京10R 桶狭間ステークス
ナムラフランク(牡4歳)
父:ミッキーアイル
母父:クロフネ
生産:ナカノファーム
馬主:奈村睦弘
厩舎:栗東・鈴木孝志
除外の影響などもあり、5月下旬からじっくりと、丁寧すぎるほどに乗り込みを消化してきた。馬体に太め感は一切なく、最終追いも坂路で4ハロン52.4―37.1―11.9秒という圧巻の加速力だ。むしろ休んだことで全体的に底力アップ。この脚力をもってすれば、昇級でも臆する必要などまったくないだろう。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班