【阿修羅の追い切り速報】重賞以外の追い切り特注馬
ここで取り上げる注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。
注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2024.2.7)
【美浦ウッド】は重。月曜に降った雪の影響で、コース全体がたっぷりと水分を含んだ状態。そのため締まって、速い時計がマークされた。騎乗した助手は「雪が溶けてコースはかなり水を含んでいた。朝は水しぶきがあがる場所もあったほどで、コンディション自体は良くなかった。締まったことで時計は出ているが、調教の負荷はあまりかかっていない」とのこと。日曜東京11R・共同通信杯に出走するショーマンフリートが6F83秒6ー3F37秒0ー1F11秒5。フォスターボンドが6F80秒8ー3F36秒3ー1F11秒4。
【美浦ポリトラック】は稍重。4コーナーには水が浮くような箇所もあり、かなりの水っぽい馬場。全体的に粘り気はあったが、クッションが利いて速い時計が出ている。1F11秒台前半が通常値。
【美浦芝】は重。水分をたっぷりと含んだ状態。コンディションが悪かったため、ビシビシ追うような馬はおらず、時計も地味。1F12秒台ならOKだ。
【美浦ダート】は不良。コース全体に水が浮くようなコンディション。追い切りどころか、運動を避ける厩舎も多く見られた。この日は追い切りなし。
【美浦坂路】は重。雪が溶けてかなりの水分量。馬場は重くなり、時計は掛かっている。4F51秒台が1頭。1F12秒台なら優秀と言える。
<美浦>追い切り注目馬
■土曜東京1R 3歳未勝利
ペイシャニット(牝3歳)
父:カレンブラックヒル
母父:エンパイアメーカー
生産:隆栄牧場
馬主:北所 直人
厩舎:美浦・高橋 裕
デビュー戦はスタートで後手を踏んだうえに、道中で他馬と接触する不利。それでも最後はしぶとく伸びて同着の3着と走る下地を印象づけた。1度使ったことでガス抜きができて、ケイコではメリハリのある走りを見せている。1週前は古馬相手に優勢な手応えで1F11秒4。今週も古馬が相手だったが、直線は追われる相手を子供扱い。最後まで持ったまま矢のように伸びて1F11秒2。半馬身の先着を果たした。併せてもガツンと行くようなところがなくなり、精神的にゆとりが出てきたのは大きなプラス材料。脚力は未勝利レベルのものではなく、今度はキッチリと勝ち上がる。
■土曜東京8R 4歳上1勝クラス
サトノガレオン(牡4歳)
父:ロードカナロア
母父:Star Dabbler
生産:下河辺牧場
馬主:里見 治
厩舎:美浦・堀 宣行
中央に戻って2戦目となった前走が見せ場たっぷりの3着。好位で器用に立ち回ると、直線で1度は抜け出す正攻法の競馬ぶり。後続2頭に差されはしたが、負けて強しを思わせる内容だった。この中間はケイコを強化して、1週前はフェブラリーSに出走予定のワールズコライドと併せて1F11秒5。今週は単走ながらスピード感にあふれたフットワークを披露。5Fからペースを上げると、直線は馬場の真ん中を一直線に伸びきった。5F66秒6ー3F36秒4ー1F11秒7。しっかりと負荷をかけて、体もグンと引き締まった状態。出来は文句なしだ。
■日曜東京7R 3歳1勝クラス
ラタフォレスト(牡3歳)
父:パイロ
母父:ゴールドアリュール
生産:藤本ファーム
馬主:林 正道
厩舎:美浦・加藤 征弘
前走は一気の相手強化に加えて、外枠から外々を回らされるロスの多い競馬ぶり。さすがに厳しくなってしまったが、それでも大崩れしなかった内容は評価していいだろう。デビュー戦圧勝の内容からポテンシャルは高く、立て直して1勝クラスなら巻き返し必至だ。追い切りの動きも軽快で、1週前は6F82秒9ー3F37秒5ー1F11秒3。一杯に追われる古馬を終始馬なりのまま応戦。最後まで手綱を緩めることなく、ズバッと伸びきった。今週は無理せず馬の気に任せたが、軽やかなフォームに集中力も抜群。ゆったりとした流れにも切れと迫力があり、体もパンパンに張った状態。大きな成長を感じさせる仕上がりだ。
■日曜東京9R 初音ステークス
カーペンタリア(牝5歳)
父:ロードカナロア
母父:Fastnet Rock
生産:ノーザンファーム
馬主:(有)シルクレーシング
厩舎:美浦・木村 哲也
前走は約6ケ月半ぶりの実戦。見た目の重さはなかったが、結果的に伸びあぐねた内容からは中身が伴っていなかった感じだった。今回は叩いての上積みが見込める出来。1週前は7F追い。ハイペースで飛ばしながらも、最後まで踏ん張り7F96秒1ー5F65秒4ー3F36秒7ー1F11秒6。攻め動く古馬相手にきっちりと食らいついた。今週は3頭併せの真ん中に入れてプレッシャーをかけたが、重心をグッと下げてうなるような勢い。1F11秒4で内に同入、外の古馬には先着でフィニッシュ。前進気勢のある走りは、やる気になればいくらでも動いてしまいそうな雰囲気。馬体、気持ちともにシャキッとして、良化は著しい。
<栗東>馬場寸評(2024.2.7)
この日は朝から晴れていたが、月曜日に降った雨が残り、WコースとB(ダート)コースは重。芝コースはやや重だった。来週のフェブラリーSを使う馬や、サウジ、ドバイ遠征を見据えた実績馬の追い切りが多かった。
【Wコース】は、開門直後は11秒台前半がコンスタントにでたが、後半の時間帯は少し時計を要した。ワイドカイゼリンの10秒9が最速だった。
【芝コース】は芝も生え揃い見た目は走りやすそうに映ったが、追い切りは1頭のみだった。
【ポリトラック】は、抑えたままでもほとんどの馬がラスト11秒台。馬なりのセーブした追い切りが多かった割りにはマズマズ速い時計がでた。
<栗東>追い切り注目馬
■京都土曜10R 飛鳥S
キミノナハマリア(牝4歳)
父:ハービンジャー
母父:ヴィクトワールピサ
生産:社台ファーム
馬主:浦野 和由
厩舎:栗東・千田 輝彦
Wコースで6ハロン86.6-69.6-53.5-38.1-11.8秒。セーブ気味の追い切りだったが、上り過ぎから加速すると、ゴール前も余力を残したまま弾力あふれる動きで駆け抜けた。前走の北大路特別では好位の3、4番手を進み直線入り口で先頭に並びかける。軽く仕掛けただけで後続をスッと引離すと、最後は流し気味で2着に6馬身の差をつけてみせた。重馬場の中での勝利で、今の荒れてきた京都の馬場にもマッチしている。昇級で牡馬との混合戦になるが今の充実ぶりなら十分勝負になる。
■京都日曜9R 春日特別
ココナッツブラウン(牝4歳)
父:キタサンブラック
母父:キングカメハメハ
生産:下河辺牧場
馬主:下河辺 隆行
厩舎:栗東・上村 洋行
Wコースで6ハロン83.3-67.6-52.6-37.2-11.3秒。古馬オープンのムーンプローブを追走し、3ハロン手前からスピードを上げると、ゴール前では鋭さ満点の動きで半馬身ほど先着した。前走のローズSで5、6番手をいい手応えで進み、直線では外から抜けてきたマスクトディーヴァについて行きそうなシーンもあったが、ゴール前では逆に失速気味の5着。マイナス14キロと大きく体を減らした影響もあったか。ひと息入れたにしてはやや体が淋しいところは残るが、追い切りも動けていて2勝クラスのここなら底力で何とかなる。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班