【追い切り速報】2023七夕賞週
今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。
なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。
それでは、注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2023.7.5)
【南ウッド】は良。前日の午から気温はかなり上がったが、入念な水まきの効果でチップは終日水分を含んで締まった状態。追い切りが集中した後も乾きは少なく、ハロー車で馬場を整えた後はしっかりと馴染んでいた。時計も先週同様に速く、騎乗した助手からは「少し荒れた馬場での追い切りとなったが、コース全体的にクッションが利いていた。外を回っても時計が出ていたし、引き続き追い切りに使いやすいコンディションを保てている」とのこと。日曜福島メーン・七夕賞に出走するバトルボーンが5F70秒6ー3F38秒7ー1F11秒6。グランオフィシエが5F67秒1ー3F37秒4ー1F11秒8。
【南ポリトラック】は良。適度に粘り気があって走りやすいコンディション。時計も速く、1F11秒台前半も出ている。
【南ダート】は良。南ウッド同様に水まきが行われ、終日湿った状態。そのため走りやすく時計も速い。1F12秒台前半なら優秀だ。
【南芝】は良。芝が生えそろい、デコボコしたような箇所がなくなった。走りやすく、時計も速い。
<美浦>追い切り注目馬
■7/8 土曜福島5R 2歳新馬
タイキレヴィン(牡2歳)
父:ビッグアーサー
母:フロレンティナ
母父:クロフネ
生産:ビクトリーホースランチ
馬主:大樹ファーム
厩舎:美浦・伊藤大士
除外で出走は延びたが、むしろ1本多く追えたことで仕上がりがグンと進んだ。ここまで入念に併せ馬を消化して6月14日には芝で切れのある伸び脚。21日の南ウッドでの併せ馬では古馬に先着を果たし1F11秒4。1週前となった6月28日には杉原を背に僚馬を圧倒する伸び脚を見せて1F11秒6。今週も杉原を背に併せ馬。標識からバックして意識的に長め乗る形。前半はじっくりと進んだが、前を見ながら終始余裕のあるフォーム。直線も手応え優勢に伸びきった。5F69秒3ー3F38秒9ー1F11秒8。推進力のあるフォームで、馬体も引き締まった状態。きっちりと仕上がった。
■7/8土曜 福島9R須賀川特別
ダノンゴーイチ(牡3歳)
父:イスラボニータ
母:レニーズゴッドシップ
母父:City Zip
生産:社台F
馬主:ダノックス
厩舎:美浦・菊沢隆徳
デビュー戦圧勝後に骨折が判明。その後は重賞戦線を意識しながら復帰を目指していたが、まさかの除外。調整に狂いが出てしまい、前走は気持ち、走りともに本調子を欠いたままの出走となってしまった。ただ、この敗戦がいい経験になった。中間は調教師、菊沢騎手が手綱を取って入念な調整を続けると、1週前は3頭併せで楽に先着。5F66秒1ー3F36秒7ー1F11秒1の好時計。今週は調教師が自ら手綱を取っての最終調整。馬のリズムを崩さず、前半はゆっくりと入ったが、コーナーをうまくさばくと直線は引っ張ったままの手応えで一気に加速。手綱を動かすことなく矢のように伸びて1F11秒23。前進気勢があって、体もはち切れんばかりの状態。もともと厩舎の期待が高い1頭で先々は大きいところを意識させるスケールの持ち主。ガラリ一変が期待できる。
■7/9日曜福島5R 2歳新馬
ハットルグリムス(牡2歳)
父:モーリス
母:エルノルテ
母父:ディープインパクト
生産:ノーザンF
馬主:吉田勝己
厩舎:美浦・宮田敬介
ゴム鞠のような柔軟性のある体付きで、追い切りでは弾むようなフットワークを連発。素材の良さは疑いようがなく、将来性豊かな逸材だ。順調に併せ馬を消化して、1週前は3頭併せで5F68秒3ー3F37秒8ー1F11秒5。先輩2頭に胸を借りて、勢いのある伸び脚を披露。今週は丸山が感触を確かめたが、滑らかな加速で先行馬を捕らえると、最後は相手に合わせる余裕の走り。持ったままきっちりと同入に持ち込んだように、センスの良さを感じさせた。体幹が強く、やる気になればどこまでも伸びそうな脚勢。肌もピカピカに輝いており、仕上げに隙はない。
■7/9日曜福島8R3歳上1勝クラス
ライツオブキングス(牡3歳)
父:エピファネイア
母:マキシムドパリ
母父:キングカメハメハ
生産:社台F
馬主:社台RH
厩舎:美浦・鹿戸雄一
昇級初戦は出負けが響いて6着に敗戦。ただ、自分の形に持ち込めない展開でも最後はしぶとく脚を伸ばしていた内容は悪くはなかった。その後はリフレッシュ放牧へ。心身ともどもたくましくなって帰厩すると、追い切りでは1F11秒台を連発。6月28日の古馬との併せ馬では馬場の大外を回しながらも持ったまま1F11秒1。古馬を圧倒する鋭い伸び脚を披露。日曜には馬なりで1F11秒4。迎えた今週はすでに仕上がり切っているため馬の気に任せてサラッと。それでも直線は重心がしっかりと沈んで迫力のフットワーク。馬場の大外を真っ直ぐ伸びて1F11秒9も、数字以上の切れとスピードを見せた。パンパンに膨らんでる馬体からも、出来の良さには太鼓判を押せる。
<栗東>馬場寸評(2023.7.5)
晴天で全コース良馬場。
好転に恵まれて全コースともまずまず良好なコンディション。
【坂路&CW】の両ウッドチップコースは見た目にも走りやすそうで、坂路は平均~やや速め、CWは普段よりだいぶ高速化が進んだ。
【芝コース】は稍重発表だが、見た目にはきれいに生えそろって走りやすそうな雰囲気。ただ、追い切り頭数が少なく時計自体は平凡だ。能力的なものか馬場の影響か判別が難しい。
常に良設定のポリトラックは通常通り走りやすそう。
【ダート(B)コース】は追われた馬の能力もあるが、時計も全体的に平凡。乾燥が進んでやや時計がかかったイメージだ。
<栗東>追い切り注目馬
■7/6土曜中京10Rインディアトロフィー
シュルレアリスト(牡5歳)
父:オルフェーヴル
母:アルーリングライフ
母父:フレンチデピュティ
生産:白老F
馬主:GIレーシング
厩舎:栗東・中村直也
短距離路線変更の2走前がいきなり2着。前走は東京への長距離輸送で10キロもの体重減となってしまったが、通用する力はあるはずだ。2カ月の休養を経て馬体はボリュームアップしているし、水曜朝は坂路で4ハロン51・4―37・5―11・9秒と火を噴くような加速を見せている。休み明けでもいきなりから好勝負可能だ。
■7/7日曜福島12R 彦星賞
インプロバイザー(牡4歳)
父:ダイワメジャー
母:リトルゲルダ
母父:Closing Argument
生産:追分F
馬主:江馬由将
厩舎:栗東・音無秀孝
帰厩後3本とパッと見は追い不足感もあるが、23日=51・9秒、29日=52・3秒、そして今週は51・7―37・5―12・2秒(すべて坂路)と軒並み好時計だ。おそらく牧場でしっかりと乗られてきたのだろう。馬体はスカッと見せているし、張りツヤだって申し分ない。距離を戻して巻き返し必至だ。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班