【追い切り速報】2023宝塚記念週

【追い切り速報】2023宝塚記念週

今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.6.21)

【美浦南ウッド】は良。前日に入念な水まきを行っており、その後は気温が極端に上がらなかったこともあって、全体的に湿った状態。締まった馬場で速い時計がマークされている。追い切り後半になると内、外が乾いてチップの色が中とは明らかに違ったが、時計自体には変化はなかった。
騎乗した助手からは「先週よりも水分が抜けた感じだったが、クッションが利いて走りやすい馬場。スピードに乗ったまま走り切れてしまう感じで、1F11秒台前半が楽に出た。特にハローで馬場を慣らした後は走りやすく、全体的はイメージよりも2秒速いね」とのこと。日曜阪神メーン・宝塚記念に出走するアスクビクターモアが5F65秒3-3F36秒1-1F11秒5。ライラックが6F83秒7-3F37秒7-1F11秒7。

【美浦南ダート】は良。こちらも入念に水まきを行っており、全体的に湿って軽い砂質。速い時計が出るコンディションだった。1F12秒台前半が基準値。
【美浦南ポリトラック】は良。先週より少し硬め。ただ、追い切りに影響することはなく、時計、走りやすさなどは変わらない安定した状態だ。1F11秒台前半も出ている。
【美浦南芝】は良。芝コンディションが良く、走りやすい状況。ビッシリと生えそろっている。1F11秒台なら優秀だ。
【坂路】は閉鎖中。

<美浦>追い切り注目馬

■6.24土曜東京5R
 2歳新馬
 ルージュスエルテ(牝2)

父:ハーツクライ
母父:Storm Cat
生産:ノーザンファーム
馬主:東京ホースレーシング
厩舎:国枝

入厩当初から全身バネのような、躍動感にあふれたフットワークがひときわ目を引いていた。追うごとに調子を上げ、2週前追い切りでは促す程度で1F11秒2。1週前追い切りでは併せた相手を7馬身ちぎる動きを披露。5F65秒6-3F35秒1-1F10秒7は、歴戦の古馬でも簡単にはマークできない数字だ。今週はレースで手綱を取る菅原明が感触を確かめたが、最後は引っ張り切れない手応えで5F67秒2-3F38秒5-1F12秒2。最後はオーバーワークを避けるように抑え込んだが、それでも楽に時計が出てしまうほどスピード、切れともに際立っている。初戦だけではなく、先々まで注目したい。

■6.24土曜東京12R
 3歳以上1勝クラス
 フォーカルフラワー(牝3)

父:ロードカナロア
母父:Scat Daddy
生産:社台ファーム
馬主:社台レースホース
厩舎:国枝

姉にカレンブーケドールがいる血筋で、今後の成長力が期待できる素材。1勝クラスに上がってからは馬体減に悩まされ、前走も間隔をあけての出走となったが増減なし。ふっくらとしてほしかったうえに、レースでは出遅れるロス。いまひとつ走り切れていない印象を受けた。今回は中6週あけての調整となったが、前回よりも馬体、走りともにかなり良くなっている。手脚が良く伸びたフォームは推進力があって、直線のはじけ方も今までにないほど。1週前は5F66秒3-3F36秒0-1F11秒0。ケイコ駆けする古馬にしっかりと食らい付いて見せた。今週は同じ相手に馬なりで応戦。5F66秒5-3F36秒4-1F11秒1。体に厚みが出て、特に胸前の筋肉量はパワーアップの証明だ。成長著しい目下の状態なら、一変が期待できそうだ。

■6.25日曜東京7R
 3歳以上1勝クラス
 ブレイディヴェーグ(牝3)

父:ロードカナロア
母父:ディープインパクト
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
厩舎:宮田

未勝利戦、圧勝後は無理使いはせずに放牧でリフレッシュ。その甲斐あって、馬体、動きともにかなりの成長を遂げており、美浦での実質初追い切りでいきなり1F11秒3。その後もケイコ駆けする古馬を圧倒するなど迫力満点の動きを見せており、迎えた今週の追い切りでは主戦・戸崎を背に併せ馬を行ったが、追いかけて内に潜ると重心をグンと下げて一直線の伸び脚。5F67秒5-3F38秒0-1F11秒5。パンパンに張った馬体は無駄がなく、特にトモのボリューム感はひと息入れたことでかなり実が入ってきた印象だ。仕上がり、成長ともに申し分ない復帰戦だ。

■6.25日曜東京8R
 3歳以上1勝クラス
 ピュアブラッド(セ5)

父:オルフェーヴル
母父:キングカメハメハ
生産:白老ファーム
馬主:GIレーシング
厩舎:尾関

坂路閉鎖に伴って、追い切りは南Wオンリー。それが奏功したのか、中間の併せ馬では常に優勢な走りを見せてきた。1週前は前を走る2頭にあっさりと並ぶと、直線は追われる2頭を尻目に持ったままグングンと加速。最後は相手に合わせたが、手応え、勢いの違いは歴然だった。今週は2頭併せ。前回と一転して、先行して相手を誘導。直線は馬場の大外に持ち出したが、楽な手応えのままきっちりと同入。5F67秒4-3F36秒9-1F11秒3。近2戦よりも出来は良さそう。


<栗東>馬場寸評(2023.6.21)

晴天で全コース良馬場。

【Wコース】はいつもよりラスト1F 11秒台は少なめ。ただ丁度馬の入れ替えの時期で、まだ力がつききっていない2歳馬の追い切りが多かったことが要因か。適度にクッションの利いた馬場で年長馬は標準的な数字がでた。

【芝コース】は、まだレースを使っていない2歳馬が馬なりで61秒台をマークしたように、短く刈り込まれていてマズマズ速い時計がでた。【ポリトラック】は追い切り少数。抑えたままでもラスト11秒台が楽にでたが、全体時計はそれ程速くなかった。

<栗東>追い切り注目馬

■6.24土曜阪神10R
 ストークステークス
 レガトゥス(牡5)

父:モーリス
母父:キングカメハメハ
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
厩舎:木村

Wコースで6F85秒5-68秒8-53秒6-38秒6-11秒4。宝塚記念出走のイクイノックス、ジオグリフとともに栗東滞在で調整している馬。今週の追い切りではジオグリフ、ボーデンとの3頭併せで先行し最先着した。弱い面があってなかなか使い込めないが、その分5歳のわりにキャリアも浅くまだまだ上を目指せる馬。昨年の10月以来の実戦となるが、中間は長めをじっくりと乗り込まれていて息の面もでも不安はなくいきなり勝負になっても驚けない。

■6.25日曜阪神9R
 舞子特別
 サトノペルセウス(セ5)

父:ディープインパクト
母父:Dubai Destination
生産:社台ファーム
馬主:里見治
厩舎:藤原英

芝コースで松山が乗って5F 70秒6-53秒8-39秒0-11秒3。前半はゆっくりと進み、3F手前から加速すると、直線では軽く仕掛けただけで鋭い伸び。弾むようなフットワークで活気あふれる動きで駆け抜けた。レースでは道中力むところがあり、それがラストもうひと伸び欠くところに繋がっているが、間違いなく短い距離に適性の高い馬。稽古で折り合いをつけることを教え込んできたことの効果がでれば勝ち負けになっても。


以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班