【追い切り速報】2023エプソムC週

【追い切り速報】2023エプソムC週

先週よりスタート致しました無料コンテンツ、ASHURA PROJECT調教班による「追い切り速報」。

今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.6.7)

【美浦南ウッド】は重。前日の強い雨が残り、コース全体がたっぷりと水分を含んだ状態。ただ重たさはなく、締まって軽いコンディション。時計も先週と同じく、速い時計がマークされた。
「追ったが、クッションが利いてスイスイ走れてしまう感じ。気温が上がった後半になっても締まったままで、終日走りやすい馬場だった」とのこと。日曜東京メーン・エプソムCに出走するインダストリアが6F82秒3-3F36秒0-1F11秒5。レインフロムヘヴンが5F66秒4-3F36秒4ー1F11秒6。

【美浦南芝】は重。水分量が多く、走ると水しぶきが上がるほどだった。走りづらく、時計も掛かっている。
【美浦南ダート】は重。コーナーには水が浮かぶようなところがあり、普段追い切りで使う厩舎が馬場変更するなど、いいコンディションではなかった。そのため追い切り頭数も少なかった。1F12秒台前半ならOK。
【美浦南ポリトラック】は良。水分量が多く、粘り気のある状態。走りやすく、時計も出ている。1F11秒台前半なら優秀だ。
【坂路】は改修工事のため今週から10月2日迄閉鎖となっている。

<美浦>追い切り注目馬

■6.10土曜東京5R
 2歳新馬
 エリカエスティーム(牝2)

父:モーリス
母父:El Corredor
生産:ノーザンファーム
馬主:三木正浩
厩舎:宮田

1週前は3頭併せで6F82秒2-3F36秒5-1F11秒3。先行した2頭を追いかけて内に潜ったが、あっさりと抜け出して1馬身の先着でフィニッシュ。今週は大きく先行する僚馬を目標に徐々にペースを上げると、直線は内からうなるような手応えのまま一気の伸び脚。最後は相手に合わせるような余裕もあり、それでいて5F66秒8-3F36秒9-1F11秒4の好時計。牝馬で推定体重500キロ。ただ、馬体、フォームに重苦しさは一切なく、全身バネのようなしなやかさがある。肌もピカピカに輝いており、デビュー戦を万全の状態で迎えられた。

■6.10土曜東京8R
 3歳以上1勝クラス
 メインクーン(牝3)

父:ハーツクライ
母父:Storm Cat
生産:ノーザンファーム
馬主:GIレーシング
厩舎:林

新馬快勝後は牝馬特別戦で④⑤⑥の成績。もうひと押し利かなかったのは、小柄な牝馬で調整の難しさの影響もあっただろう。今回は4カ月たっぷりと英気を養っての復帰戦。ひと回り大きくなった馬体に、フットワークの切れも休養前から大きな成長を感じさせるもの。1週前は津村を背に攻め駆けする古馬相手に先着。1F11秒4を余力を持ってマークして見せた。今週も津村を背に併せ馬。2頭で馬場の大外に進路を取ると、直線は追われる相手を尻目に持ったままいつでも抜け出せる手応え。最後は相手を待っての同入となったが、フットワークの切れは目を見張るものがあった。5F69秒2-3F38秒1-1F11秒7。馬場の大外を回してこの数字なら優秀で、休養前から大幅なパワーアップがうかがえる。

■6.11日曜東京5R
 2歳新馬
 ダノンエアズロック(牡2)

父:モーリス
母父:Fastnet Rock
生産:ノーザンファーム
馬主:ダノックス
厩舎:堀

セレクトセールで4億9500万の値が付いた厩舎の目玉が新馬戦開幕2週目でいきなりデビュー。あか抜けた馬体に、しなやかなフットワークからも一級品の素材であることは間違いなし。順調に追い切りを消化して、1週前は6F80秒9-3F35秒4-1F11秒1。これからデビューする2歳馬とは思えない破格の時計をマークして見せた。今週は3頭併せの1番外。コーナーを器用に立ち回ると、直線は並んでもリズムを崩すことなく、最後まで持ったまま真っすぐ伸びきって5F66秒6-3F36秒6-1F11秒7。後ろから迫った2頭の追撃を全く問題にせず、やる気になればどこまでも伸びて行きそうな雰囲気。体も引き締まっており、初戦から能力全開といく。

■6.12日曜東京8R
 3歳以上1勝クラス
 アサカラキング(牡3)

父:キズナ
母父:キングヘイロー
生産:協和牧場
馬主:山口雄司
厩舎:斎藤誠

果敢に挑戦した青葉賞は大きく崩れたが、この経験が成長の糧になったはず。大敗後とは思えないほどこの中間は走るエネルギーが満ちあふれており、1週前は3頭併せで古馬を圧倒する力強い走りを披露。6F83秒6-3F39秒2-1F11秒4。今週は主戦・石川を背に併せ馬。前に馬を置いても折り合いはスムーズ。直線は一瞬にして前に並ぶといつでも突き放せる勢い。外2頭を見ながら終始余裕を持たせたが、フットワークの勢いは明らかに違っていた。6F83秒8-3F37秒9-1F11秒9。数字以上のスピード、切れがあり、馬体も膨らんだ状態。体調面に不安はない。


続きまして、栗東に移ります。

<栗東>馬場寸評(2023.6.7)

今週から調教開始時間が1時間早まり5時30分からとなった。前日の雨で【芝コース】はやや重となったが、その他はすべて良馬場だった。

【Wコース】はラスト1ハロン11秒台前半をマークした馬は普段よりも少なめ。11秒をきってきたのはハーツラプソディ1頭、水分を含んでやや重に近い良馬場で標準よりもいく分時計を要した。

【芝コース】は追い切り2頭のみ。雨の影響で柔らかく掘れやすい状態。数字も遅めだった。【ポリトラック】はセーブした追い切りが多かったこともあってか全体的に遅めの追い切りが多かった。

<栗東>追い切り注目馬

■6.10土曜阪神9R
 甲武特別
 ダイヤモンドハンズ(牡3)

父:サトノダイヤモンド
母父:El Corredor
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
厩舎:池江

Wコースで6ハロン84秒4-67秒8-53秒6-37秒7-11秒4秒。古馬オープンのゾンニッヒ(馬なり)を3馬身追走し、ゴール前で軽く仕掛けて1馬身先着した。ダイナミックな身のこなしで改めて能力の高さを感じさせる動きだった。1週前は数字こそ出ていたがややモタモタしている感もあったが、キレ味もでてきて今週の1本でほぼ仕上がった印象。骨折で春のクラシックは棒に振ったが、秋には大きいところを狙うためにもここはキッチリ勝利をつかみたいところ。

■6.11日曜阪神11R
 三宮ステークス
 フィロロッソ(牡4)

父:ハービンジャー
母父:シンボリクリスエス
生産:社台ファーム
馬主:社台レースホース
厩舎:中竹

ポリトラックで単走で追われ6ハロン82秒3-65秒8-50秒6-37秒3-11秒5秒。いつも良く見せるタイプだが、今週もシッカリと折り合ってラスは余力を残し活気十分の動きで駆け抜けた。全4勝をこの舞台であげている阪神の1800メートルのスペシャリスト。直線が平坦で前が止まりにくい京都よりは阪神の方がマッチしている。器用さはないが終いの脚はもっている馬。前が飛ばす展開になればこの馬の出番がありそうだ。


以上、美浦と栗東の馬場状況及び6頭の注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班