【追い切り速報】2023安田記念週

【追い切り速報】2023安田記念週

無料コンテンツ強化策の一環として、今週よりASHURA PROJECT調教班による「追い切り速報」をお届けいたします。

なんと言っても今年は「美浦の坂路の改修工事」があり、10月まで坂路が使用できないという状況。
屈腱炎などを持つ馬や、化骨の進みが遅い2歳馬などの調整をどのように工夫してくるか、特に美浦の厩舎の追い切りには今後も要注目となります。

それでは今週から、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.5.31)

【美浦南ウッド】は稍重。前日までの雨が残り、コース全体が湿った状態。坂路が閉鎖されたため南ウッドに馬が集中したが、荒れた馬場になっても時計は速かった。騎乗した助手は「ハローが終わってすぐにスタートさせたが、軽くて走りやすい馬場。外を回ってもスイスイと走り切れる感じだった」とのこと。また某調教師は「追い切り頭数が多くて、すぐに馬場が荒れてしまった。滑るようなことも考えて、やり過ぎないように指示を出した」とのこと。馬場を整えた後と、ある程度時間がたった馬場とは差があったようだ。先週よりも400頭近く馬が増えている。日曜東京メーンレース・安田記念に出走するシュネルマイスターが6F83秒6ー3F36秒8ー1F11秒4。ソングラインが5F67秒3ー3F37秒3ー1F11秒3。

【美浦南ダート】は重。水が浮くような場所はなかったが、軽くて滑るような馬場。普段使う厩舎が他に回るなどしたこともあって追い切る馬は少なかった。1F11秒台なら優秀だ。
【美浦南ポリトラック】は良。水分を含んで粘り気のある状態。走りやすく、時計の出るコンディションだった。1F11秒台前半も普通に出ている。
【美浦南芝】は稍。水分は含んでいるが重くはならず、追い切りでも使う厩舎が見られた。速い時計が出ているように走りやすい馬場。
【坂路】は改修工事のため今週から10月2日迄閉鎖となっている。

<美浦>追い切り注目馬

6.3土曜東京5R
 2歳新馬
 シュトラウス(牡2)
父:モーリス
母父:アドマイヤベガ
生産:ノーザンファーム
馬主:キャロットファーム
厩舎:武井亮

ゲート試験合格後、初めての追い切りでいきなり5F66秒4ー38秒4ー1F12秒2。一躍注目の的に。その後は予定通り放牧に出して、開幕の新馬戦を目標に仕上げてきた。長めをバリバリと乗り込み。5月11日にはマイルから時計を出したにもかかわらず、ラスト馬なりで1F11秒7。5月17日には7Fから94秒8ー5F64秒7ー3F37秒7ー1F12秒1。1週前はレーンを背に1F11秒4。3頭併せで楽々と伸びきった。今週はレーン騎乗で単走追い。すでにやり込んでいるだけにしまいを伸ばす内容となったが、馬場の大外を一気の伸び脚。1F11秒4を軽々とマークする鋭い切れを披露。相当な脚力を秘めており、当日落ち着いていればまず勝ち負けに持ち込めるだろう。

6.3土曜東京9R
 稲城特別
 ヒシタイカン(牡3)

父:モーリス
母父:ステイゴールド
生産:ノーザンファーム
馬主:阿部雅英
厩舎:堀

青葉賞大敗後は1度リセット。ダメージを抜きつつ1から立て直してきたが、追うごとにグングンと上昇。5月18日に初時計をマークすると、そこからコース、坂路を併用して順調な調整を続けてきた。1週前はレーン騎乗で併せ馬。6F81秒4ー3F37秒2ー1F11秒4を促す程度でマーク。今週は半マイルからの併せ馬となったが、うまくコントロールが利いており、直線も持ったまま一直線の伸び脚。4F51秒5ー3F36秒6ー1F11秒5。小柄で仕上げやすいタイプとはいえ、緩みのない研ぎ澄まされた馬体。肌もピカピカに輝いており、巻き返せる出来だ。

6.5日曜東京5R
 2歳新馬
 ボンドガール(牡2)

父:ダイワメジャー
母父:Tizway
生産:ノーザンファーム
馬主:藤田晋
厩舎:手塚

2022年のセレクトセールにて2億3100万円で取引された高額馬。ダノンベルーガの下だが、タイプはちょっと違い、牝馬特有の切れ味と仕上がり早の強い体質がセールスポイント。ここまで順調に乗り込まれ、1週前は古馬を含む3頭併せで1番の手応えと脚勢。最後は抜け出すのを我慢させたが、追えば突き放す勢いだった。今週は僚馬を目標に進み直線は内に潜ったが、並ぶ間もなく抜き去って3馬身の先着。6F83秒9ー3F37秒8ー1F11秒6。しなやかなフットワークに反応も確か。走るエネルギーを感じさせる逸材だ。体も仕上がっており、初戦から能力全開できる。

6.5日曜東京7R
 3歳以上1勝クラス
 アップトゥミー(牝3)

父:モーリス
母父:ダンスインザダーク
生産:ノーザンファーム
馬主:金子真人ホールディングス
厩舎:国枝

前走は初の中山に加えて出遅れるロス。それでも最後は長くいい脚を使って2着。負けたとはいえ、クラス通用の力は示した。その後2カ月あいたがメリハリを利かせて乗り込みは万全。ここまで5本の併せ馬を消化して、鋭い走りを連発してきた。1週前は攻め動く相手に5F66秒2ー3F37秒0ー1F11秒4。日曜は2歳馬に胸を貸して4F55秒2ー3F40秒0ー1F12秒4。今週は併せ馬。誘導した相手の内に並ぶと自らハミを取ってグングンと加速。直線も引っ張ったままの手応えで、スパッと切れた。5F67秒4ー3F36秒7ー1F11秒4。身のこなしが柔らかく、弾むようなフォームが印象的。暖かくなったことで代謝が上がり、活発に動けるようになっている。前回から大きな成長を感じさせる仕上がりだ。


続きまして、栗東に移ります。

<栗東>馬場寸評(2023.5.31)

月曜日の午後一旦雨が止んだが、火曜日は朝から再び雨模様。【ポリトラック】を除いてすべてやや重だった。【Wコース】は開門直後と、ハロー(整地)明けはラスト11秒台前半もでたが、少し馬場が荒れた時間帯はやや時計を要した。安田記念出走のマテンロウオリオンを始めラスト11秒0は数頭いたが、10秒台は無し。水分を含んで標準より多少時計を要した。【芝コース】はデビューを控えた2歳馬の追い切り多め。水分を含んでいたことに加え、芝丈が伸びていたため数字は遅めだった。【ポリトラック】はラスト11秒台は多かったが、セーブ気味の追い切りが中心だったため数字自体は遅がめ。

<栗東>追い切り注目馬

6.4土曜阪神4R
 3歳未勝利
 トレチーメ(牡3)

父:モーリス
母父:ダンスインザダーク
生産:板東牧場
馬主:金子真人ホールディングス
厩舎:中内田

西村淳が乗りWコースで6F83秒9-68秒0-53秒2-37秒4-11秒2秒。併せた2頭に僅かに遅れたが、前を4秒以上追走する猛稽古。先週の稽古でもゴール前の伸びが目立っていたが、今週の鋭い動きで不安のない仕上がり。デビュー戦は前半で行きたがり、さらに直線では内に包まれてやや脚を余しての3着。休養が長くなったが、逞しさがでて馬体にも成長の跡がうかがえる。やや手薄になっているいまの未勝利戦なら圧勝があっても驚けない。

6.5日曜阪神10R
 岸和田S
 テーオーソラネル(牡4)

父:シルバーステート
母父:キングヘイロー
生産:辻牧場
馬主:小笹公也
厩舎:須貝

Wコースで84秒4-67秒6-51秒9-36秒6-11秒2秒。古馬3勝クラスの僚馬フォルテデイマルミを追っかけ、ゴール前の追いくらべで4馬身ほど先着した。仕掛けられてからの反応も鋭く切れ味抜群の動きで文句のない仕上がり。前走の明石特別では、内枠から先手を奪い道中はスローの逃げ。ラストの800メートルからペースを上げいずれも11秒台のラップでまとめ、後続を完封。2着に2馬身半の差を付け危なげのない競馬での勝利だった。先行有利の開幕週だけに先行力は大きな強み、昇級のここも前々から押し切る。

以上、美浦と栗東の馬場状況及び6頭の注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班