【フェブラリーS】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【フェブラリーS】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 イグナイター【評価B】
 新子雅厩舎[地方] 西村淳騎手

[1週前] 記載なし [2月8日(木)追い]
【園田】 良 51秒6-37秒3-12秒3 馬なり
[今週] 調教師
【園田】 良 65秒4-49秒1-36秒4-12秒2 直強め

500キロを超す馬体とは思えないほどスラリとした体型。回転ピッチが速く、なおかつ小足を使えるタイプで、ラチ沿いをスイスイと加速しながら器用に走れている。荒れた馬場の影響もあって、追っての反応は甘かったが、全体時計が5F65秒4なら十分。気持ちも前面に出て、好調をガチッとキープ。

1枠2番 シャンパンカラー【評価C】
 田中剛厩舎[東] 内田騎手

[1週前] 内田騎手 [2月9日(金)追い]
【美浦南W】 良 80秒8-64秒0-50秒2-37秒0-11秒1 強め
[今週] 内田騎手
【美浦南W】 良 82秒9-66秒5-51秒8-37秒4-11秒9 馬なり

9日に内田を背に6F80秒8ー3F37秒0ー1F11秒1。意欲的に追って、速い時計をマーク。ただ、この1本でも出来は上がらず、今週は前を捕らえることができずに、逆に引き離されてしまった。いい頃に見せたうなるような走りではなく、いかにも久々といった仕上がり。

2枠3番 ミックファイア【評価B】
 渡辺和厩舎[地方] 矢野騎手

[1週前] 記載なし [2月4日(日)追い]
【大井外】 良 64秒0-50秒1-36秒5-12秒0 強め
[今週] 矢野騎手
【大井外】 良 66秒5-52秒0-37秒7-12秒0 強め

併せて仕上げた前回と違って、今回は単走追いが主流。先月末からビシビシと追って攻めを強化。ハードなケイコをしっかりと実にして4日は5F64秒0の好時計。今週は馬場の真ん中にポジションを取ると、追ってもブレずに真っ直ぐ伸びきった。5F66秒5ー3F37秒7ー1F12秒0。前肢が良く伸びたフォームは軽さがあり、体も柔軟性のある筋肉をまとっている。巻き返し可能な出来だ。

2枠4番 ドゥラエレーデ【評価B】
 池添厩舎[西] B・ムルザバエフ騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 重 55秒1-39秒1-24秒8-12秒0 馬なり
[今週] B・ムルザバエフ騎手
【栗東坂路】 良 49秒1-36秒4-24秒4-12秒6 一杯

最終追い切りは「54秒~55秒程度の予定が、テンから気分よく行かせすぎてしまい、ラストはアップアップ。速い時計が出せるのは好調の証しともとれるが、少なくとも予定していた内容とは違った。このあたりが外国人ジョッキーを追い切りに載せる際の懸念点ではあり、端的に言えば、今回の直前は失敗といったところ。ただし、それが全て悪いかと問われると何とも言えない。それこそ、これだけ前半から飛ばしても2Fで見れば、いつものラスト重点と同様の時計でまとめられてる。1Fだってバタッときていないのだから、むしろ持ち味へ刺激を与えられた可能性は否定できない。そもそも、これだけ恐れていた刺激を与えた後も堂々と振る回っている姿を見ると、陣営の想像以上に精神的にシッカリとしてきていた可能性もある。とりあえず、無視は危険。前走に関してはチャンピオンズCの疲れが残った状態でも地力で走った。その時よりは良い。

3枠5番 オメガギネス【評価S】
 大和田厩舎[東] C・ルメール騎手

[1週前] 杉原騎手
【美浦南W】 稍 81秒0-64秒7-50秒1-36秒7-12秒2 馬なり
[今週] C・ルメール騎手
【美浦南W】 良 82秒5-65秒6-51秒3-37秒4-11秒3 馬なり

除外対象だったが、しっかりと攻め込んでGI出走を待った。1週前は杉原を背に6F81秒0ー3F36秒7ー1F12秒2。大きく前を走る僚馬2頭を目標に進み、最後は捕らえて見せた。今週はルメールを背に併せ馬。前に馬を置いて5Fからのペースアップだったが、道中の折り合い、コーナーさばきともにスムーズ。直線は内に潜って馬体を並べたがリズムのいい走り。ゴール前は追って食らいつく相手をスッと引き離したように、数字以上の切れ味を発揮。5F65秒6ー3F37秒4ー1F11秒3。体もメリハリがあって、体調は前走以上だ。父を見ての通り、同馬の本質はスピード色の強いマイラー。この距離短縮など願ったり叶ったりでしかあるまい。ここ2週をハードに攻めたことで冷静さが増したことにも心強さしかなく、不安らしい不安も皆無。

3枠6番 カラテ【評価C】
 辻野厩舎[西] 菅原明騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 重 86秒4-70秒3-54秒8-38秒7-11秒7 強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 54秒2-38秒6-24秒5-12秒2 馬なり

坂路で単走。四肢は大きくダイナミックに動くが、上体にブレはない。体幹がしっかりしている印象を受ける。もう少し首が前に出ればベストか。

4枠7番 ガイアフォース【評価A】
 杉山晴厩舎[西] 長岡騎手

[1週前] 長岡騎手
【栗東CW】 重 98秒6-82秒2-67秒0-51秒8-36秒6-11秒4 一杯
[今週] 長岡騎手
【栗東坂路】 良 52秒9-37秒6-23秒6-11秒7 馬なり

坂路で単走。前脚が高く上がって元気の良さは目を引くが、少し無駄もある感じ。ただ、最後まで元気そのもの。
同馬が類稀な基礎スピードを備えているのは事実。しかし、その反面で前走のような不可解な敗戦も一度や二度ではない。このパフォーマンスのムラは何なのだろうか。そして色々と考察した結果、一つの結論に辿り着く。結局、噛み合っていないのでは。なぜなら同馬の好走は全て似たような流れ。どれもラップに上下さのない淀みないもの限定。おそらく、急激なギアアップに対応できないのだろう。それならば、早目に踏んで振り切ってしまえば良いかというと、それはそれで止まってしまうのが同馬の憂い。つまり、瞬発力勝負は不得手だが早目早目のストロングスタイルもそれはまた不得手ということ。どうだろう、これだと今までの同馬のレース振りが綺麗に説明できないか。故に中盤が緩みラップに上下差が生まれやすい日本の芝だと噛み合わないことが多かったとみる。だからこそ、今回のダートは飛びつく価値あり。何せ、どう流れようがダートならラップは平行で推移するのだから…。血統的に砂もOKなら直前の弾み方からデキも文句なし。あとは「砂を被った際」の気性面への懸念。

4枠8番 セキフウ【評価B】
 武幸厩舎[西] 武豊騎手

[1週前] 藤岡康騎手
【栗東CW】 重 96秒8-80秒0-65秒5-51秒8-36秒9-11秒6 一杯
[今週] 調教師
【栗東坂路】 良 52秒1-38秒1-24秒9-12秒7 馬なり

坂路で併せ馬。前脚は遠くをつかみ、四肢の動きには迫力あり。パートナーを楽にちぎってみせた。もう少しタイムを詰めていたらベストだったが仕上がりはここ数戦の中でも上位。
配当次第では大穴候補に一考も。

5枠9番 ペプチドナイル【評価C】
 武英厩舎[西] 藤岡佑騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 重 55秒1-39秒8-25秒5-12秒5 馬なり
[今週] 藤岡佑騎手
【栗東坂路】 良 55秒8-40秒8-26秒0-12秒6 馬なり

坂路で単走。走り方は決してきれいではないが、四肢の動きは非常にパワフル。状態の良さを感じさせる。ラストまで元気いっぱい。毛ヅヤの良さも目を引いた。

5枠10番 タガノビューティー【評価A】
 西園正厩舎[西] 石橋騎手

[1週前] 助手 [2月8日(木)追い]
【栗東CW】 稍 80秒5-65秒7-52秒0-37秒7-12秒4 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 53秒5-38秒4-25秒1-12秒6 一杯

坂路で併せ馬。首をうまく使い、四肢の動きも軽快そのもの。パートナーを突き放すことはできなかったが、最後まで集中力を持続して脚さばきも乱れなかった。前走はあくまで「過去例を見ないほどのスローペースでの敗戦で度外視できる一戦」であることからも、軽視は禁物。

6枠11番 キングズソード【評価S】
 寺島厩舎[西] 岩田望騎手

[1週前] 調教師 [2月8日(木)追い]
【栗東CW】 稍 83秒7-68秒5-53秒8-38秒6-12秒6 一杯
[今週] 岩田望騎手
【栗東CW】 良 81秒2-66秒0-51秒9-37秒4-11秒6 一杯

追走したとはいえ、1週前も直前も2週続けて3歳未勝利クラスの馬を相手に遊ばれる格好…。あれを見て不安に思った方も少なくないのではないだろうか。しかし、安心して欲しい。同馬がCWコースで見せるパフォーマンスなど、いつもあんなものである。それこそ、バリバリの追わせるダート馬なのだ。要はトップスピードの質が秀でているわけではない。結局、この手のタイプは調教レベルだと良く見せないことが多いのである。
CWコースで併せ馬。直線を向いて、パートナーがだいぶ前に行ったが、捉えにかかる時のスピード感は素晴らしいものがあった。並んでからはパートナーもうまく抵抗してくれて、互いに闘志を高めることができた。思い通りの併せ馬。むしろ、これだけ毎週のように目一杯動かせていることこそが体調に不安のない証拠。まず、ここ2戦と変わらない姿で当日を迎えてくれよう。ならば、今回のメンバーならチャンスは大あり。初コースとはいえ、長い直線が合わぬわけがない。要注意。

6枠12番 スピーディキック【評価B】
 藤原智厩舎[地方] 御神本騎手

[1週前] 記載なし [2月4日(日)追い]
【浦和調教場】 良 50秒5-37秒2-12秒7 直一杯
[今週] 助手 [2月12日(月)追い]
【浦和調教場】 良 65秒8-50秒5-37秒7-12秒4 馬なり

浦和・野田ダートで5F65秒8ー3F37秒7ー1F12秒4。5F65秒8は自己最速。半マイル追い中心だったが、今回は意識的に長めを乗り込んで負荷をかけた。それでも好リズムで息の入りもスムーズ。直線も勢いそのままに伸びきった。体も出来上がっており、好調キープ。

7枠13番 レッドルゼル【評価C】
 安田隆厩舎[西] 北村友騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 重 52秒4-38秒0-24秒5-12秒2 一杯
[今週] 助手 [2月15日(木)追い]
【栗東坂路】 良 55秒2-40秒1-25秒9-12秒8 馬なり

厩舎解散ということもあり、お釣りのないくらいに仕上げている。そのせいもあってテンから行きたがって、行きたがって押さえるのに一苦労。木曜追い切りにしたのは馬の少ない時間帯にやりたかったからとの事で、周りに馬が多い水曜だと馬を止められる自信がなかったということでもあるのだろう。ただし、衰えはないし、8歳となった今でもパワーは凄すぎて前進気勢も凄い。追い切り自体は褒められるようなものでは無く、もの凄く乗りにくくはなってる感じだが、体調は悪くはなく、昨年2着だし、ポテンシャルは上位。北村騎手が上手くレースで抑え込めるか否かにかかっている。

7枠14番 ウィルソンテソーロ【評価B】
 小手川厩舎[東] 松山騎手

[1週前] 武士沢騎手 [2月8日(木)追い]
【美浦南W】 良 73秒7-56秒8-41秒1-12秒6 馬なり
[今週] 武士沢騎手
【美浦南W】 良 83秒7-67秒1-51秒8-37秒3-11秒5 馬なり

チャンピオンズC、東京大賞典は直前坂路の仕上げ。好走しながらも調整パターンを変更して、今回はウッドに切り替えた。しかし強度のかけ方はいつも通り。中間に強度の高い攻めを意図的に続けない、いつもの調整パターン。昂ぶりやすいからこそ、この馬は刺激は極力避けるぐらい十分なのである。1週前はウッドで4F56秒8の軽め。久々のコース追いだったこともあって、かなり慎重に乗られた感。今週は武士沢騎乗で6F追い。3馬身の追走から、直線は内に潜って最後まで持ったままの手応え。追われる相手を問題にせず、1F11秒5。1週前とは一転して、ハードな調整での仕上げも軽々と動けており、この1本で体も引き締まってくるはずで、直前の本負荷だけで見事にスイッチオン。ここ2戦と遜色ないデキに。不器用なだけにコース替わりも何より。

8枠15番 ドンフランキー【評価B】
 斉藤崇厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 池添騎手 [2月9日(金)追い]
【栗東P】 良 80秒2-64秒8-50秒9-37秒5-12秒4 G前気合付
[今週] 池添騎手
【栗東P】 良 81秒8-65秒4-50秒9-37秒4-11秒1 一杯

骨片除去で骨折は軽度。先週は爪の不安で金曜日に追い切りがズレて、ウッドだと傷腫れの不安があるのでポリで追い切り。先週はゴール過ぎてからも追ってたし、何とか間に合った感じ。ただ順調さを欠いたし、マイルはどうか。自分の競馬をしてどこまで粘れるか。次走はドバイ予定なのでそこに繋がる競馬ができればという感じの追い切り。
動き自体はピッチ数が多めで非常に軽快。相手が迫ったところでもうひと伸びしたあたりを高く評価したい。ゴール後もスピードが落ちなかったしギリギリ間に合った感。
ただ、逃げ馬ということもあり「楽に単騎」が叶うことも一考しておく必要はある。太目が残っていなければ。

8枠16番 アルファマム【評価C】
 佐々木厩舎[西] R・キング騎手

[1週前] 助手 [2月8日(木)追い]
【栗東坂路】 稍 53秒1-38秒6-25秒0-12秒8 末強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 53秒0-38秒3-24秒5-12秒2 末強め

これもタガノビューティーと同じで前走はスローにやられてしまったクチ。
それでも2走前はデシエルトやレッドヴェイロンと接戦しており、東京はベストの舞台であり前走の敗戦は度外視しておいた方が良さそう。
追い切りを見ると、坂路で単走。四肢の動きはパワフルで最後までバテなかった点も評価できる。道中でわずかに他厩舎の集団調教に気を取られた点がマイナスだが、ペースが流れるようであれば、末脚には警戒が必要。