【京都記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【京都記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 バビット【評価C】
 浜田厩舎[西] 団野騎手

[1週前] 助手 [2月1日(木)追い]
【栗東坂路】 稍 55秒2-40秒0-26秒1-12秒9 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 重 55秒1-40秒0-25秒9-12秒5 馬なり 

坂路で単走。前脚はしっかりと前方をつかみ、首も動いているが、やや重苦しそうな雰囲気。好調の頃はもっと軽快に動いていたし、基本的には強い負荷を掛けて仕上げる馬。中2週とはいえ、中間馬なりオンリーは長期休養明け後初めてで高い評価はし難い。

2枠2番 ブレイヴロッカー【評価C】
 本田厩舎[西] 酒井騎手

[1週前] 泉谷騎手
【栗東CW】 良 83秒6-67秒8-52秒8-37秒9-11秒8 一杯
[今週] 酒井騎手
【栗東CW】 重 83秒5-68秒1-53秒5-38秒4-12秒1 末強め

CWコースで単走。首が高く、スピードがそがれている感じのフォーム。ゴール前で手前も戻ってしまった。やや物足りない感じが残った。

3枠3番 プラダリア【評価B+~A】
 池添厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 池添騎手
【栗東CW】 良 87秒2-70秒3-54秒5-38秒4-11秒4 末一杯
[今週] 調教師
【栗東坂路】 重 52秒2-37秒8-24秒6-12秒4 末強め

前走はいつも以上に入れ込んでいたし、有馬記念の雰囲気にのまれていた感も。外枠からのレースでも前々で立ち回ったが最後はガス欠。そこからリフレッシュさせた今回。最初に結論を申し上げれば「次に向けてのたたき台仕上げ」と見える。坂路で単走。動き的には四肢が非常に機敏に動き、前脚も高く上がっている。完歩も大きくダイナミック。最後まで躍動感があり、コンディションの良さはうかがえたが、それでもまだ動きに休み明け感が見て取れる。京都の重馬場で勝っている馬なので、今の馬場はプラスという点で侮れないが、春の最大の目標は「大阪杯」であり、叩き良化型の馬であることも忘れないでいただきたい。とはいえ、動きは悪くないので、ここで好走するようだと次の大阪杯は穴ムード漂う1頭となることは間違いなさそう。

■4枠4番 ジェットモーション【評価B】
 藤岡厩舎[西] 田口騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 68秒6-52秒9-37秒3-11秒3 一杯
[今週] 見習い
【栗東CW】 重 66秒2-51秒4-36秒8-11秒3 一杯

CWコースで3頭併せ。最内から脚を伸ばした。外の2頭を行かせて、じっくりと脚をタメる形。追い出されると、待ってましたとばかりに前に出た。理想的な併せ馬となった。高齢8歳になり能力自体は疑問視も、体調の良さはこの馬の中でも上位。

5枠5番 ベラジオオペラ【評価S】
 上村厩舎[西] 横山和騎手

[1週前] 調教師
【栗東CW】 良 98秒8-81秒8-67秒1-52秒8-37秒6-11秒5 一杯
[今週] 横山和騎手
【栗東CW】 重 83秒6-69秒7-54秒8-39秒0-11秒5 引張りきり

2週前は気持ちが抜けたような動きだったけど、1週前に調教師が乗って闘魂注入したから、今週は和生が乗って楽に動けてた。CWコースで3頭併せ。最も負荷の掛かる真ん中だが、両脇の2頭と比較しても冷静で落ち着きがあった。回転が鋭く、鞍上が制御に懸命。首を前に突き出しており、いい意味での前向きさを感じさせた。ただ、今の京都の緩い感じの馬場は本質的に合うのかどうかという点で半信半疑な面もある。能力的にはこのメンバーに負けているようではだめな馬だが、その点だけは一行の余地あり。

5枠6番 ラヴェル【評価B】
 矢作厩舎[西] M・デムーロ騎手

[1週前] 坂井騎手 [2月1日(木)追い]
【栗東CW】 稍 79秒7-64秒3-50秒3-36秒6-12秒0 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 重 53秒0-37秒8-24秒5-12秒7 末強め

坂路で単走。真っすぐに脚を振りおろし、フォームは悪くないのだが、最後はややバテた感じ。1度使ってからかもしれない。
元々は先週の東京新聞杯が第一希望で、今週に回るにしても「土曜の洛陽S」に使えるなら使いたかったというのが陣営サイドの本音。追い切りを見る限り「以前よりも前進気勢が強くなってきている」し、陣営も「マイル」がベストと捉えている事が伺える。仕上がり自体は決して悪くないが「2200m」という距離、「左回りの方が得意」という意味で、今週の動きでどこまで通用するか。坂井瑠騎手が入念に乗っていることが「折り合い」に繋がれば。

6枠7番 プラチナトレジャー【評価B】
 国枝厩舎[東] 岩田康騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 80秒8-64秒8-50秒3-36秒3-11秒6 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 稍 66秒8-51秒9-37秒4-11秒8 G前仕掛け

本来、右にも左にもモタれる馬だが、前走は両サイドに馬がいて真っ直ぐ走れた。本当は小倉大賞典を使いたかったようだが、賞金が足りず出られないので仕方なく頭数の少ないここへ向かってきたという経緯がある。1週前は6F80秒8ー3F36秒3ー1F11秒6の好時計。3頭併せの真ん中から、1番の手応えではじけた。今週は2頭併せ。国枝厩舎にしては珍しく、馬場の大外をいっぱいに使っての併せ馬。これもモタレ癖を補った進路取りだが、相手が来れば来るだけ伸びるような粘り強さがあり、最後まで真っ直ぐ伸びきった。5F66秒8ー3F37秒4ー1F11秒8。体も無駄なく仕上がっており、態勢は整っているが、あとはモタれずレースが出来るか。

6枠8番 ナイママ【評価C】
 武藤厩舎[東] 和田竜騎手

[1週前] 助手 [2月3日(土)追い]
【美浦南W】 良 81秒4-65秒3-50秒9-37秒0-12秒1 G前仕掛け
[今週] 助手 [2月8日(木)追い]
【美浦坂路】 良 54秒1-39秒3-25秒9-12秒9 馬なり

3日の土曜日にウッドで6F81秒4ー37秒0ー12秒1。疲れを残さないようにケアしつつ、直前は坂路。馬の気に任せて4F54秒1ー3F39秒3ー1F12秒9。予定通り調整できたように順調だが、さばきの硬さは前回と変わらず。覇気もひと息で、変わり身は見込めない。

7枠9番 ルージュエヴァイユ【評価S】
 黒岩厩舎[東] 松山騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 81秒9-66秒4-51秒3-37秒4-11秒3 G前仕掛け
[今週] 助手
【美浦坂路】 稍 52秒9-38秒7-25秒2-12秒3 馬なり

次走は大阪杯か宝塚記念の予定との事だが、結論を申し上げれば今回も良い仕上がり。1週前はウッドで6F81秒9ー3F37秒4ー1F11秒3。ゴーサインに瞬時に反応して、併せた相手を3馬身突き放して見せた。当週は坂路。このローテはエリザベス女王杯と同じで、キビキビとした身のこなしから、ラストは余力たっぷりに伸びて併走馬をアオッて見せた。馬場が重く、動きづらい状況で4F52秒9ー1F12秒3は優秀な数字。馬体もひとまわり大きくなっており、成長著しい仕上がりだ。馬自身も成長してきているし、どんなレースを見せてくれるか楽しみな1頭。

7枠10番 シュヴァリエローズ【評価B】
 清水久厩舎[西] 西村淳騎手

[1週前] 助手 [1月24日(木)追い]
【栗東坂路】 良 54秒1-39秒3-25秒4-12秒6 馬なり
[今週] 助手
【栗東CW】 重 84秒1-68秒7-53秒9-38秒6-11秒5 強め

CWコースで単走。大きな完歩でゆったりとラップを刻み、ラストは気持ち、脚を伸ばした感じ。精神状態の安定ぶりが伝わってくる。動きも悪くなく、中1週だがこの馬なりに高いレベルで仕上がっている。

8枠11番 マテンロウレオ【評価A】
 昆厩舎[西] 横山典騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 99秒8-83秒2-68秒1-53秒4-38秒2-12秒2 一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 重 85秒2-68秒9-53秒6-38秒5-11秒9 馬なり

中山金杯7着から参戦。陣営サイドはその金杯の結果から「中山が合わなかった」と結論。しかも前走は先週の東京新聞杯を勝利したサクラトゥジュールに横でフラフラ騎乗され、キング騎手に文句を言っていたほど。元々は金杯よりも京都記念に比重を置いたローテであり、前走の7着は度外視していい。その上で臨む今回。CWコースで単走。四肢がしなやかに動いて直線へ。手前を替えるタイミングはバッチリ。そこまで強くは追わなかったが、自然とフットワークが大きくなった。状態はすこぶるよく、鞍上の横山典も合格点を与えていた。

8枠12番 アフリカンゴールド【評価C】
 西園正厩舎[西] 国分恭騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 98秒3-81秒3-67秒6-54秒3-40秒0-12秒8 一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 良 82秒9-66秒5-52秒2-37秒5-11秒7 一杯

CWコースで単走。すぐ外で他厩舎の3頭での併せ馬が行われたが、それに影響されることなく自分の動きに徹した。ラスト11秒台なら十分だろう。あくまでこの馬自身の競馬が出来るかどうか。