【阿修羅の追い切り速報】重賞以外の追い切り特注馬

【阿修羅の追い切り速報】重賞以外の追い切り特注馬

ここで取り上げる注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。

注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2024.1.10)

【美浦ウッド】は良。前日から入念な水まきを行っており、コース全体に適度に水分を含んだ状態。早朝からハロー車で馬場を均していたこともあって気温は低かったが、凍ることはなく、しっとりとした馬場だった。3歳・新馬が1F11秒0をマークしたように、先週よりも時計は出ている。騎乗した助手からは「厩舎まわりの馬場は凍ったようなところもあった」と。
【ウッドコース】は柔らかく、なおかつ締まっていた。冬場でもパサパサにならないし、チップ自体の傷みがないから、爪の不安がある馬でも負荷をかけて乗ることができる。内、外どちらを通っても、走りやすいコンディション」とのこと。日曜中山11R・京成杯に出走するバードウォッチャーが5F65秒5ー3F36秒9ー1F12秒1。アーバンシックが6F82秒9ー3F37秒0ー1F11秒6。
【美浦ポリトラック】は良。適度に粘り気があって走りやすい状態。時計も速め。1F11秒台前半なら優秀だ。
【美浦芝】は良。少し硬めだが、芝は均等に刈り上げられてコンディションは良好。走りやすい馬場。1F11秒台が基準値。
【美浦ダート】は良。乾燥してパサパサになるところもなく、コース全体がしっとりとした馬場。いいコンディションを保てている。
【美浦坂路】は良。古いチップと新しいチップが馴染んで走りやすい馬場状態。特にハロー車で馬場を均した後は時計も速め。4F52秒台、1F12秒台前半なら優秀と言える。


<美浦>追い切り注目馬

■土曜中山3R 3歳未勝利
 アフリカンビート(牡3歳)

父:マインドユアビスケッツ
母父:ディープインパクト
生産:奥山牧場
馬主:田頭 勇貴
厩舎:美浦・岩戸 孝樹

前走敗戦後は成長を促すために放牧へ。昨年末に帰厩するとたくましくなった馬体に、幼かった顔付きもだいぶ変わってきている。肌ツヤの良さからも、心身ともにリフレッシュできた印象だ。ここまで併せ馬でバリバリと乗られ、1月3日には僚馬を手応えで圧倒して1馬身の先着。7日にも6F追いを行って一杯に追われる相手を軽くあしらってみせた。今週は3頭併せの外。突かれる形だったが、リズムを崩さず堂々とした走り。直線も内2頭が来れば来るだけ伸びる脚勢で、最後まで手応えたっぷりに伸び1F11秒8。かき込みの強い走法から、ダートが合わない分けがない。狙うなら今回だ。


■土曜中山9R 菜の花賞
 ミラビリスマジック(牝3歳)

父:キズナ
母父:シンボリクリスエス
生産:社台ファーム
馬主:(有)社台レースホース
厩舎:美浦・国枝 栄

デビュー戦は坂路中心でコース追いは直前の1本。ビッシリと仕上げたわけではなく、体のラインを見ても成長の余地を大きく残した仕上がりだった。それでも素晴らしいバネを見せての快勝劇。血統面を含めてポテンシャルの高さを感じさせる内容だった。使ったことで全体的にパンとして、追い切りでも躍動感たっぷりの走りを見せている。1週前は1F11秒6。今週は古馬との2頭併せだったが、直線は追って捕まえに入った相手を馬なりのまま応戦。ゴール前の手応え、脚勢は明らかに上回っており、最後まで抜群の手応えのままズバッと切れた。5F64秒8ー3F35秒2ー1F11秒2。数字も文句なしで、馬体もはち切れんばかり。良化は著しい。


■日曜中山3R 3歳新馬 
 ペイシャニット(牝3歳)

父:カレンブラックヒル
母父:エンパイアメーカー
生産:隆栄牧場
馬主:北所 直人
厩舎:美浦・高橋 裕

ここまでの併せ馬ではすべて優勢に動いており、1週前追い切りでは一杯に追われる相手を尻目に馬なりのまま伸びて1F11秒0。スピード能力の高さに、抜群の瞬発力を披露。除外で出走は延びたが、調整に狂いはなし。今週は攻め駆けする古馬と併せたが、直線は内からうなるような勢い。促す程度の手応えで相手を圧倒すると、最後はグンと前に出て半馬身先着でフィニッシュ。5F69秒03F38秒2ー1F11秒0。先週、今週と立て続けに1F11秒0はこれからデビューを迎える3歳馬では考えられないほどで、相当な素質を秘める。素直な気性もセールスポイント。初戦から要注目。


■日曜中山4R 3歳新馬
 セイウンパイオニア(牡3歳)

父:モーニン
母父:リーチザクラウン
生産:村上 欽哉
馬主:西山 茂行
厩舎:美浦・清水 英克

2度の除外も、むしろ仕上がりが進んでプラスに働いた。12月20日の併せ馬では一杯に追われる相手を一瞬にして置き去りにし6馬身の大差先着。1F11秒2を馬なりでたたき出した。3日は3頭併せ。内の攻め駆けする相手と互角に伸びて1F11秒6。外の馬には1馬身の先着を果たした。今週は長めを意識しながら乗られ、直線は引っ張り切れないほどの手応えでグングンと加速。最後まで集中力を保ったまま、真っ直ぐ伸びきった。6F82秒0ー3F36秒8ー1F11秒9。質、量ともに十分過ぎるほど乗り込めたことで、馬体の緩みも一切なし。勝った気性もいかにも初戦が良さそうなタイプだ。


<栗東>馬場寸評(2024.1.10)

先週3日間開催で、火曜が全休日。その翌日ということで追い切り数は普段の4割り程度。終了時にポツポツと雨が降ってきたが、調教中は曇りで芝コース(重)を除いてすべて良馬場だった。
【Wコース】は11秒台前半は少なめ。昨年暮れから力を要する馬場で全体的に時計かかっていたが、今週はその傾向が特に顕著だった。
【芝コース】は追い切り少数。一杯に追えば速い時計が出そうだが、すべて馬なり調整だった。
【ポリトラック】は、土曜中山メーンを予定しているモントライゼが6ハロン76秒台の快時計をだしたが、その他は概ね標準的。

<栗東>追い切り注目馬

■京都土曜11R 淀短距離ステークス
 カルネアサーダ(牝5歳)

父:ドレフォン
母父:ゼンノロブロイ
生産:社台ファーム
馬主:吉田 照哉
厩舎:栗東・加用 正

川須が乗りWコースで7ハロン79.9-64.7-51.0-37.3-12.5秒。の自己ベストをマーク。テンから飛ばしたためラストはややスピードが鈍ったが、意欲的に追えるように元気一杯。外枠だと前半に脚を使わされ苦しくなるが、前走のタンザナイトSでは内めの枠があたり、スタートも決めてマイペースの逃げ。最後は詰め寄られたがハナ差しのぎきっての勝利だった。とにかく自分の競馬ができた時は強さを発揮するタイプ、56キロで前回から斤量は2キロ重くなるが、先手が取れればここでもいい勝負になる。


■京都日曜10R 雅ステークス
 インベルシオン(牡5歳)

父:キズナ
母父:アフリート
生産:土居牧場
馬主:前田 幸貴
厩舎:栗東・清水 久詞

Wコースで6ハロン81.8-67.4-53.1-38.1-12.0秒。古馬2勝クラスのジャスパーバローズを1秒以上追走し、ゴールでは抑えたままで1馬身ほど前に出た。550キロ前後の巨漢馬で加速してからの走りはド迫力で、使われつつ良化を感じさせる動きだった。いつもは後方からレースを運ぶ馬が、前走の尾頭橋Sでは3番手から粘り込んでの4着と新味を見せ、速い時計の決着にも対応できたのは収穫。このクラスでも十分にやれるところを示している。一頭強い馬がいるが、相手には抑えておきたい。


以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班