現場の裏話コラムvol.8「あの新興馬主とレジェンドの思惑」

現場の裏話コラムvol.8「あの新興馬主とレジェンドの思惑」

先週のジャパンカップではイクイノックスVSリバティアイランドという、誰もが胸躍る対戦が実現。戦前からイクイノックス有利の声が栗東トレセンでも上がっていたが、結果的にはイクイノックスが「完勝」といえる内容で幕を閉じた。とはいえ、真っ向勝負に挑んで2着を確保したリバティアイランドもさすがの一言。来年はさらなる成長を見せてくれるだろう。

さて、このジャパンカップと同様に今週の栗東で大きな話題となっていたのが、先週の土曜に東西メインジャックを決めた藤田晋オーナーだ。

京都2歳Sは兄に凱旋門賞馬ソットサスを持つシンエンペラーが馬群を縫って快勝。
東京のキャピタルSではドーブネがVを決め、藤田祭りの1日となった。

とりわけ、注目を集めそうなのはシンエンペラー。
名前通り、皇帝となりうるのか。

栗東の重鎮関係者は言う。

「血統的には明らかに欧州ですが、走りが思った以上に軽い。京都2歳Sは後方からの競馬で非常に苦しい展開を強いられましたが、非凡な勝負根性で抜け出してきました。フットワークもいいですが、メンタルの強さも目を引きましたね。来年は英仏ダービーなんていう話もレース後に出ていたほど。とりあえずはホープフルSで2歳王者を目指すことになりそうですが…。個人的にはホープフルSで『あのジョッキー』が手綱を取るのではないか、と思ったりしています」

あのジョッキーというのは、武豊騎手だ。

前述の重鎮関係者は、

「藤田オーナーが武豊騎手と懇意にしているのは有名な話。馬主の初年度産駒から、いい馬はほとんど武豊騎手がまたがってきました。武豊騎手はホープフルSだけが唯一の中央GI未勝利レース。ここでシンエンペラーに騎乗すれば、チャンスはグンと高まります。藤田オーナーも自分の馬によって快挙達成したとなれば、当然うれしい思いはあるでしょう」

とも語ってくれた。

一方、武豊騎手は天皇賞・秋の当日に負傷し、現在も休養中という状態。
果たして年末までに間に合うのか、という話もある。ただ前出の重鎮関係者は「おそらく間に合うでしょうね」と話す。

「24日の金曜に池添騎手がアップしたインスタグラムで、リハビリ中の武豊騎手と会ったことを紹介しています。本人の了承も取っているとのことですので、復帰は近いのでしょう。有馬記念とホープフルSには必ず間に合わせてくるのではないでしょうか」

イクイノックスの引退発表で、今年の有馬記念も面白いレースとなりそうだが、武豊騎手がシンエンペラーでホープフルS参戦となれば、こちらも注目度は抜群。
年末まで競馬の裏側にうごめく様々な思惑を存分に楽しめそうだ。