【秋華賞週・週中追い切り速報】

【秋華賞週・週中追い切り速報】

栗東・美浦のトレセンでは「秋華賞」の最終追い切り、「菊花賞の1週前追い切り」が行われ、慌ただしい空気の中追い切りが行われました。

2週前にも書かせていただいた通り、GIシリーズに突入すると各新聞社のTMはGI競走向けた取材ばかりに偏った行動を取ろことも多く、だからこそ「盲点」となる馬が多数出現するという、情報を知る立場に居る者としては、非常に美味しいレースが「平場や特別戦」にも出現するのが、この時期。

枠の並びや馬場状態など当日の状況によっても結果は左右されますが、体調は抜群という「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.10.11)

【美浦ウッド】は稍重。前日の集中的な雨が残り、コース全体が締まった状態。時計も速かった。騎乗した助手は「表面だけではなく、中までたっぷりと雨を含んだ状態。ハローで馬場を慣らした後は特に軽くて走りやすかったね。クッションが利くし、2歳馬でも手加減なく追うことができるようないいコンディション」とのこと。日曜京都11R・秋華賞に出走するモリアーナが6F82秒6ー3F36秒6ー1F11秒4。ヒップホップソウルが6F85秒8ー39秒3ー11秒7。美浦ダートは重。水分量が多く、軽い砂質。時計も速かった。
【美浦ポリトラック】は良。雨の影響で表面はかなり粘り気のある状態。走りやすく時計も速い。5F66秒台ー1F11秒台前半なら優秀。
【美浦芝】は重。芝の丈はそろい青々とした馬場。ただ、雨の影響で渋って滑るような馬場。時計は掛かっている。
【美浦坂路】は稍重。雨で重くなってタフなコンディション。ラストで苦しくなる馬が多く見られた。4F52秒台後半ー1F12秒台前半なら優秀だ。


<美浦>追い切り注目馬

■10.14土曜東京10R 白秋ステークス
 ヴェールアンレーヴ(牝4歳)
父:リオンディーズ
母父:ディープインパクト
生産:ノーザンF
馬主:DMMドリームクラブ
厩舎:美浦・宮田敬介

素質先行型だったが、今春からメキメキと力を付けており、ようやく素質に体力が追い着いてきた。前走で2勝クラスを突破。ケイコの動きも着実にパワーアップされており、この中間は鋭い走りを連発している。9月28日には馬なりで5F66秒8ー3F37秒5ー1F11秒6。1週前は3頭併せの内から手応え良く伸びて6F82秒0ー3F36秒8ー1F11秒6。今週は2頭併せ。僚馬を誘導して直線は外に馬体を並べたが、相手が来れば来るだけ伸びる脚勢で最後までリズム良く、余裕を持ったままフィニッシュ。6F83秒9ー3F37秒5ー1F11秒6を軽々とたたき出した。ピカピカの毛ヅヤも体調の良さを証明しており、昇級戦をいい状態で臨める。


■10.15 日曜東京7R 3歳上1勝クラス
 サトノトルネード(牡3歳)
父:ハーツクライ
母父:Tiznow
生産:ノーザンF
馬主:里見治
厩舎:美浦・国枝栄

前走は新潟滞在で調整され2着と好走。その後は無理をせず、涼しくなってから美浦に帰厩。坂路とコースを併用してじっくりと調整され、今まで1番の出来と思えるほど迫力の動きを見せている。9月27日には攻め駆けする相手と互角に動き1F11秒6。1週前は古馬OP馬と併せて5F66秒6ー3F36秒5ー1F11秒6。今週は僚馬に3馬身先行してスタート。ゆったりとペースにもさばきには勢いがあり、直線で相手が並ぶと余裕を持ったまま応戦。最後まで手応え良く伸びきって6F85秒2ー3F38秒8ー1F11秒6。重心がしっかりと沈んで前へ前へ走るフォームは芯が入ってきた証拠。体の張り、毛ヅヤも目立ち、体調は間違いなく前走以上だ。


■10.15 日曜東京12R 鷹巣山特別
 メタルスピード(牡3歳)
父:シルバーステート
母父:Shamardal
生産:タバタファーム
馬主:Him Rock Racing
厩舎:美浦・斎藤誠

1番人気に支持された前走だったが、緩いペースで差しが利かず。結果的に逃げ、先行馬がそのまま残る形となってしまった。今回は全2勝を挙げるマイル戦に戻して反撃態勢。ひと叩きの効果で馬体が引き締まり、気配はグンと良くなった。1週前は攻め動く相手と併せて5F67秒7ー3F38秒1ー1F11秒3。伸び脚の威力が際立った。今週も同じく攻め動く相手と併せたが、直線はうなるような勢いで一気の伸び脚。5F67秒5ー3F37秒9ー1F11秒3。相手を手応え、脚勢で上回り、ゴールを過ぎてもまだまだ走り足りないといった感じで、走るエネルギーが充満している。肌も薄く、しっとりと見せているように、体調面は万全。


<栗東>馬場寸評(2023.10.11)

先週が3日間競馬だったため、火曜日が全休日(重賞を使う馬は馬場入り可能)で、翌日の水曜の追い切りは普段の1~2割程度だった。気温は14度でやや冷え込んでいたが、晴れて芝コース(やや重)を除いてすべて良馬場だった。
【Wコース】はラスト1ハロン11秒台をマークした馬はいたが、11秒台前半は少数。10秒台はなく、標準よりもやや時計がかかった。
【芝コース】はデビュー前の2歳馬の追い切りが中心。一杯に追われた馬もいたが、やや重の分いくらか時計を要した。
【ポリトラック】はセーブした追い切りが多く数字も遅め。

<栗東>追い切り注目馬

■10.14 土曜京都9R 紫菊賞
 ジュンゴールド(牡2歳)
父:エピファネイア
母父:ゼンノロブロイ
生産:ノーザンF
馬主:河合純二
厩舎:栗東・友道康夫

ポリトラックで6ハロン88.0-71.8-56.8-41.0-12.3秒。単走で馬なりのラッとした追い切り。速い時計のでやすいポリトラックだけに負荷の面ではやや物足りないが、中間は再三併せ馬消化して入念な乗り込み。ひと息入っているが、ノビノビとした動きを見せていて不安のない仕上がり。デビュー戦は中団から、並ぶ間もなく前を交わし、力の違いを見せての勝利。来年のクラシックへ向け取りこぼしは許されない。


■10.15 日曜京都9R もみじS
 タイセイレスポンス(牡2歳)
父:ミッキーアイル
母父:Congrats
生産:ノーザンF
馬主:田中成奉
厩舎:栗東・安田翔伍

Wコースで6ハロン84.2-67.8-52.2-37.1-11.6秒。2歳未出走馬を1秒以上追走し、楽な手応えでゴール併入。デビュー前の札幌で古馬オープンのハセドンと互角の動きを見せていた素質馬。1400メートルに距離を詰めた2戦目は2、3番手から先頭に立ち、追いくらべでもしぶとさを発揮しての勝利だった。スパッとキレる感じではないが、スッといいポジションが取れるセンスのいい馬。先週栗東に訪れた横山和が調教にまたがりしっかりとコンタクトが取れている。昇級のここでも十分勝負になる。


以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び5頭の調教注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班