【阿修羅の追い切り速報】札幌記念週

【阿修羅の追い切り速報】札幌記念週

今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.8.16)

【南ウッド】は稍重。前日に降った雨が残り、コース全周が水分を含んだ状態。そのため締まって、時計の出る馬場だった。騎乗した助手は「表面はかなり湿っていたが、重いということはなかった。先週と同じく軽くて走りやすいコンディション。気温が上がった後半も表面は乾いたけれど、中は適度に湿っていたこともあって速い時計を出せる馬場だった。非力な2歳馬もきっちりと追うことができた」とのこと。新潟日曜10R・阿賀野川特別に出走するグランドラインが5F67秒1ー3F37秒7ー1F11秒6。11R・NST賞に出走するカイアワセが5F69秒0ー3F39秒0ー1F11秒8。
【南ポリトラック】は良。前日の雨の影響で柔らかく粘り気のある馬場だったが、走りやすく、時計も速かった。1F11秒台前半が普通に出ている。
【南芝】は稍重。青々とした芝で、負担のかかる4コーナーと直線も綺麗に生えそろっている。最近は追い切りで使う馬も増えており、デビューを迎える2歳馬が5F647ー3F36秒3ー1F11秒2を馬なりでマーク。引き続き走りやすいコンディションだ。
【南ダート】は重。コーナーには水が浮くほどで朝は追う馬はほとんどいなかった。ただ、気温が上がった後半は一気に乾いており、馬場コンディションはガラッと変わった。5F67秒台ー1F11秒台が基準値。


<美浦>追い切り注目馬

■8.19土曜新潟3R 2歳新馬
 ルージュエリシア(牝2歳)
父:リオンディーズ
母父:ストラヴィンスキー
生産:坂東牧場
馬主:東京ホースレーシング
厩舎:美浦・栗田徹

除外もあって出走は延びたが、むしろ追えたことは好材料。反応の甘さが解消され、うなるような走りを見せており、仕上がり具合が一気に進んだ感。1週前は併せ馬で古馬を3馬身突き放す切れ。今週はレースで騎乗する三浦を背に併せ馬を行ったが、一杯に追われる古馬を馬なりのまま圧倒。最後は相手に合わせたが、持ったままうなっていた。5F68秒6ー3F38秒5ー1F12秒1。鋭いフットワークに、馬体も中から膨らんだような、体調の良さが伝わる仕上げ。いきなり全開の態勢だ。

■8.19土曜新潟12R 3歳上1勝クラス
 フォーカルフラワー(牝3歳)
父:ロードカナロア
母父:Scat Daddy
生産:社台F
馬主:社台レースホース
厩舎:美浦・国枝栄

前走後は放牧に出してリフレッシュ。体をふっくらとさせて帰厩したことで、ケイコも併せ馬でバリバリと乗られるようになった。1週前は併せ馬で5F66秒3ー3F36秒3ー1F12秒1。馬なりのまま一気に伸びきった。今週も併せ馬。前を走る僚馬を目標に進み直線で内に潜ったが、追われる相手とは手応え、勢いがまるで違った。最後まで持ったままはじけて5F68秒2ー3F37秒3ー1F11秒5。追えばいつでも突き放せる勢いがあり、数字以上の切れと迫力を感じさせる走りを披露。肌をしっとりと見せて、張り、ツヤともに良好。満足できる仕上がりだ。

■8.20日曜新潟2R 2歳未勝利
 シトラール(牡2歳)
父:スワーヴリチャード
母父:Awesome Again
生産:ノーザンF
馬主:キャロットファーム
厩舎:美浦・萩原清

デビュー戦は緩さを残す仕上がり。レースは出遅れ、早めの進出でもうひと伸びを欠いたが、走る下地を印象づけた。1度使った今回は落ち着きがあって、ケイコの動きも迫力満点。7月27日に前走後の初時計をマークすると、そこからメリハリを利かせた乗り込みを消化して、ひと追いごとにパワーアップ。1週前は2頭の内から素晴らしい加速を見せて1F11秒4。中、外の古馬をともに4馬身突き放した。今週は三浦を背に2頭合わせ。馬場の外を回して内に潜ったが、鞍上のゴーサインに瞬時に反応して、一直線に伸びきった。5F67秒7ー3F37秒4ー1F11秒8。馬体がさらにたくましくなって、特に胸前の筋肉が目立つ状態。毛ヅヤもピカピカで体調は前走以上だ。

■8.20日曜新潟5R 2歳新馬
 アドマイヤベル(牝2歳)
父:スワーヴリチャード
母父:Numerous
生産:ノーザンF
馬主:近藤旬子
厩舎:美浦・加藤征

バランスのいい好馬体。フットワークも軽くてしなやかさがあり、素材の良さがうかがえる。併せ馬を中心のじっくりと乗られ、ひと追いごとにグングン成長。学習能力が高く、ケイコを着実に実にしている印象だ。1週前は古馬2頭と併せて互角の動き。5F67秒2ー3F37秒4ー1F11秒6。促す程度だったがズバッと切れた。今週は2頭併せ。前を追いかけながらも折り合いはスムーズで、直線はあっさりと並んで楽々と同入フィニッシュ。5F68秒1ー3F37秒9ー1F11秒8。重心をしっかりと下げたフォームに軽い手先からも芝の実戦ではじけそうな雰囲気。体も無駄がなく、万全の出走態勢だ。


<栗東>馬場寸評(2023.8.16)

火曜の雨により、ここ数週と比べると全コース含水率がアップした。
台風の影響で全コースとも高い含水率。
【坂路&CW】は、重馬場のわりには極端な時計鈍化には至らなかった。むしろ程よくチップが引き締まり走りやすくなった印象だ。
【芝コース】も重そうだが、水が浮くほどではなく、普段よりやや遅い程度。
【ポリトラック】常に良設定のポリトラックも好コンディションを維持していた。
【ダート(B)コース】は追い切り頭数がたった2頭だが、見た目に砂が引き締まって走りやすそうな雰囲気だった。

<栗東>追い切り注目馬

■8.19土曜新潟10Ror小倉11R
 ペプチドヤマト(牡4歳)
父:ドレフォン
母父:コロナドズクエスト
生産:杵臼牧場
馬主:沼川一彦
厩舎:栗東・武英智

この中間は併せ馬でビシビシと攻め込まれており、好時計を連発。土曜(12日)に坂路4ハロン51.2―12.2秒をマークしたあと、水曜には同54.5―38.9―11.8秒と火を噴くような加速を見せている。馬体に久々感は皆無だし、毛ヅヤも良好そのもの。芝(小倉)・ダート(新潟)どちらに使っても注意が必要だ。

■8.20日曜小倉10R 薩摩ステークス
 フルヴォート(牡5歳)
父:ヘニーヒューズ
母父:フレンチデピュティ
生産:ノーザンF
馬主:キャロットファーム
厩舎:栗東・西村真幸

開門直後のきれいな馬場とはいえ、坂路4ハロン54.6―39.5―11.8秒と爆発的な末脚を披露した。中間はCWと坂路を併用してしっかり乗り込んでいるし、2カ月ぶりといっても馬体の張りツヤは良好そのものだ。折り合いもスムーズであり、これならむしろ1700メートルは歓迎だろう。


以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班