【阿修羅の追い切り速報】キーンランドC週
更新が一日遅れましたが、今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。
なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。
それでは、注目の美浦の追い切りから。
＜美浦＞馬場寸評（2023.8.23）
【美浦南ウッド】は稍重。前日に雨が降ったことでコース全体が水分を含んで締まった状態。そのため走りやすく時計も速かった。騎乗した助手からは「内ラチ沿いは少し乾いた感じだったが、それでも走りやすく時計の出る馬場だった。チップ自体がうまく馴染んでおり、特にハロー車で馬場を慣らした後は通常よりも1秒～2秒速い時計が出るコンディションだった」とのこと。日曜新潟11R・新潟2歳ステークスに出走するアスコリピチェーノが6F82秒6ｰ3F37秒8ｰ1F11秒7。クリーンエアが5F67秒5ｰ3F37秒5ｰ1F11秒8。
【南ポリトラック】は良。雨の影響で硬さはなく、粘り気のある馬場状態。先週同様に走りやすく時計も速い。1F11秒台前半が当たり前のように出ている。
【南芝】は稍重。前日の雨が残っており、少し柔らかいコンディション。ただ、滑るようなことはなく、しっかりと踏み込めている。1F11秒台後半ならOKだ。
【南ダート】は稍重。適度な水分で軽い砂質。走りやすいうえに、内を立ち回る馬が多く時計は速い。1F11秒台なら優秀だ。
＜美浦＞追い切り注目馬
■8.26土曜新潟1Ｒ 2歳未勝利
デンティベス(牡2歳)
父：モーリス
母父：キングカメハメハ
生産：ノーザンF
馬主：シルクレーシング
厩舎：美浦・田村康仁
デビュー戦は2番手から上がり3F33秒6の末脚を駆使して2着。逃げた勝ち馬を最後まで捕まえられなかったが、後続には2馬身半差。スッと位置を取れたセンスに加えて、速い上がりも使える高性能エンジンを搭載。未勝利をすぐに勝てるレベルだ。間隔をあけて成長を促したが、馬体、動きは想像以上に良化。帰厩後の1本目でいきなり古馬に多く先着を果たすと、その後もビシビシと追われるハードな併せ馬を消化。今週も古馬と併せたが、直線の追い比べでは一歩も引かない互角の伸び脚を披露。5F66秒6ｰ3F37秒3ｰ1F11秒7。馬場の真ん中を真っ直ぐ伸びきった走りは迫力があり、馬体も引き締まった状態。前走からの上積みは絶大だ。
■8.26土曜新潟8Ｒ 3歳上1勝クラス
キープスマイリング(牝3歳)
父：Quality Road
母父：Mineshaft
生産：ノーザンF
馬主：キャロットファーム
厩舎：美浦・武井亮
未勝利を圧勝すると続く前走は前走は阪神に遠征。好位の内々で流れに乗ると、最後まで粘り強く伸びて0秒4差の4着。勝ち馬はその後兵庫CS、関東オークスを3着。強敵相手に差のなかったレースぶりや馬体の良さからも、今後伸びゆく素材であるのは間違いないだろう。4カ月半ぶりの実戦となるが、久々を感じさせないダイナミックな走りを見せている。1週前は6Fから飛ばして、ラストも追って瞬時にはじける豪快なアクション。6F83秒8ｰ3F38秒2ｰ1F12秒2。今週も6Fから飛ばしながらも、最後まで脚勢に乱れなし。鞍上のゴーサインに反応すると、重心をグンと沈めて力強い伸び脚。6F83秒3ｰ3F38秒2ｰ1F12秒0。力感あふれる馬体に肌もピカピカ。態勢に隙はない。
■8.27日曜新潟7R 3歳上1勝クラス
シルバースペード(牡3歳)
父：シルバーステート
母父：キングカメハメハ
生産：フジワラファーム
馬主：矢野琢也
厩舎：美浦・小野次郎
勝利後は果敢に重賞戦線を歩み、結果こそ出せなかったが、この経験は今後の成長の糧となるはず。立て直して自己条件からの再出発となる今回は、万全の乗り込みを施した。併せ馬を中心に計11本の時計。質、量ともに十分過ぎるほど乗り込まれ、ひと追いごとのパワーアップに成功。今週は古馬との併せ馬。追いかけて内に潜ると直前は実戦を意識した追い比べ。グイグイと力強く伸びると、ゴール前は半馬身前に出てフィニッシュ。5F68秒0ｰ3F37秒3ｰ1F11秒4。数字が示す通り、ラストの伸びは今までにない鋭さ。フットワークに芯が入り、追っても乱れることがなくなった。体も幅が出て、大きな成長を感じさせる出来。いきなり全開の態勢だ。
■8.27日曜新潟9R 五頭連峰特別
サイルーン(セ4歳)
父：ディープインパクト
母父：キングカメハメハ
生産：社台F
馬主：金子真人HD
厩舎：美浦・堀宣行
気性のコントロールが難しく、調整に苦労するタイプ。前回も直前を半マイル追いにして馬体維持に務めるなど仕上げに不安の残しての出走だった。ただ、今回は調整がうまくいった。1週前は併せ馬を5馬身突き放す鋭い伸び脚。5F65秒4ｰ3F35秒6ｰ1F11秒3。速い時計を余力を持ってたたき出したように走りに集中できている。直前は3頭併せ。前２頭を見ながらしっかりと折り合って、コーナーもスムーズ。直線は内に進路を取ると追われる２頭を尻目に持ったまま突き放す勢い。最後まで抜け出すのを我慢させたが、それでも1F11秒8。全体時計も5F67秒9ｰ3F37秒4ときっちりと攻め込めた。身のこなしが柔らかく、やる気になればいくらでも動きそうな走りっぷり。前回よりも明らかに上だ。
＜栗東＞馬場寸評（2023.8.23）
【坂路&CW】チップは見た目に湿っていたが、坂路＆ＣＷコースとも良馬場。速いという感じではないにしろ、両コースとも時計は普通に出ていた。
【芝コース】は稍重。頭数そのものが少なく時計的判断には悩むが、目立った傷みはなくまずまずきれいに生え揃っていた。
【ポリトラック】常に良設定のポリトラックは普段通り。
【ダート（Ｂ）コース】は見た目に砂が引き締まって走りやすそうな雰囲気だった。
＜栗東＞追い切り注目馬
■8.26土曜新潟小倉11R
クロデメニル(牝4歳)
父：Practical Joke
母父：Pegasus Wind
生産：米国
馬主：藤田晋
厩舎：栗東・森秀行
もともと動く馬ではあるのだが、そうは言っても坂路4ハロン51.7―37.0―11.7秒は強烈すぎるだろう。しかも、20日（日）に同51.8―36.9―11.9秒の猛時計を叩き出した直後に、だ。行きっぷりからしてその辺の馬とは違うし、毛ヅヤだってピカピカ。2勝クラス突破の舞台で一変しそうな気配だ。
■8.27日曜新潟10R 朱鷺ステークス
ルガル(牡3歳)
父：ドゥラメンテ
母父：New Approach
生産：三嶋牧場
馬主：江馬由将
厩舎：栗東・杉山晴紀
1週前＝坂路4ハロン50.6―11.5秒、2週前＝同52.9―11.4秒と、とにかくラストの加速力が規格外。直前は微調整程度ながら、それで同53.9―38.2―12.0秒が出てしまうのだから恐れ入る。だいぶトモのあたりにグッと身が入ってきた感じだし、それでいて乗り込み豊富なため太め感はゼロ。人気でも仕方ない。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班
