【阿修羅の追い切り速報】重賞以外の追い切り特注馬
ここで取り上げる注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。
注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2024.3.13)
【美浦ウッド】は重。前日の雨の影響で、コース全体がたっぷりと水分を含んだ状態。ただ、重くはならず、軽くて走りやすいコンディション。時計も先週と変わらなかった。騎乗した助手は「雨の影響でチップ自体は重くなったが、その分、しっかりと踏ん張りが利く。走りやすく時計も出る馬場。風がなければもっと速い時計が出せた」とのこと。日曜阪神11R・阪神大賞典に出走するゼーゲンが6F82秒1ー3F36秒5ー1F11秒8。ワープスピードが6F82秒7ー3F37秒5ー1F11秒9。
【美浦ポリトラック】は良。雨の影響で柔らかく、粘り気のある馬場。ただ、追い切りへの影響はなく、引き続き速い時計が出るコンディション。
【美浦ダート】は不良。コーナーは水が浮くほどで、追い切りだけではなく、普段は運動に使う厩舎も避けていた。追い切りは軽いところをやった2頭だけ。
【美浦芝】は重。芝の色は黄色だが、丈はそろっていて走りやすい馬場。雨で緩さはあったが、先週とほぼ変わらない。1F12秒台前半なら優秀だ。
【美浦坂路】は重。雨でたっぷりと水分を含んだ状態。ウッドとは違って重くなり、伸びきれない馬も多数いた。1F12秒台前半なら優秀だ。
<美浦>追い切り注目馬
■土曜中山6R 3歳1勝クラス
グローリーアテイン(牡3歳)
父:ヴィクトワールピサ
母父:マンハッタンカフェ
生産:社台ファーム
馬主:(有)社台レースホース
厩舎:美浦・金成 貴史
キャリア2戦目で果敢に重賞へ挑戦した前走だったが、出遅れもあって14着に大敗。ただ強敵相手に揉まれた経験は今後に生きてくるはずで、実際にケイコの動きもガラッと変わった。1週前は新コンビの田辺を背に5F65秒5ー3F37秒3ー1F11秒9。今週も田辺を背に追われたが、気負いもなく終始落ち着いた走り。まわりに馬がいてもしっかりとコントロールできており、直線は外目に持ち出すとブレのない伸び脚。5F65秒5ー3F37秒0ー1F11秒3。前へ前へと走る推進力に、手先の軽さが目立つフォーム。心身ともにたくましくなっての復帰戦だ。
■土曜中山9R 館山特別
サトノトルネード(牡4歳)
父:ハーツクライ
母父:Tiznow
生産:ノーザンファーム
馬主:里見 治
厩舎:美浦・国枝 栄
前走圧勝の仕上がりからさらにパワーアップ。体がひと回り大きくなったが、無駄な脂肪は一切なく、フットワークにも芯が入ってきた。追い切りの動きも良化しており、1週前は3頭併せで5F65秒1ー3F36秒2ー1F11秒4。前を走る2頭を追いかけて内に潜ったが、持ったまま矢のような伸び脚。今週はケイコ駆けする相手と併せたが、直線は内から持ったまま並ぶとうなるような手応え。最後まで集中力を保ったまま、スパッと切れた。5F66秒8ー3F37秒4ー1F11秒3。体全体を使ったしなやかなフォームに、強い前進気勢は目下の充実度を表すもの。期待の素質馬が、いよいよ開花の時を迎えた。
■日曜中山9R スピカステークス
ココクレーター(牝4歳)
父:エピファネイア
母父:ゼンノロブロイ
生産:ノーザンファーム
馬主:(有)キャロットファーム
厩舎:美浦・木村 哲也
夏場を休んで成長を促した後は1・2・1着。前走も大外からまとめて差し切る強い競馬ぶりで、ここにきて目覚ましい成長を遂げている。ケイコの動きも申し分なく、1週前は7Fから時計を出す意欲的な調教も、最後まで力強く伸びきって7F95秒6ー5F66秒7ー3F38秒6ー1F12秒2。日曜も坂路でビシッと気合を入れて、迎えた今週は3頭併せ。前を走る2頭を見ながらもピタリと折り合って、直線は重心をグッと沈ませて一直線の伸び脚。1F11秒8も、数字以上のスピードと切れ。弱いところがなくなって、グングンと成長中だ。
■日曜中山10R 千葉ステークス
パウオレ(牝5歳)
父:ヘニーヒューズ
母父:Hard Spun
生産:佐藤牧場
馬主:(株)ノルマンディーサラブレッドレーシング
厩舎:美浦・嘉藤 貴行
前走は関西遠征で、メンタル面の調整がうまくできなかったことが敗因。レースではいつもの前向きさがなく、後方をまわってきただけになってしまった。それを踏まえて今回は走り慣れた中山を選択。間隔をあけてしっかりと立て直した今回は、本来の鋭い走りを連発。1週前は主戦・横山和を背に追われ5F65秒8ー3F37秒3ー1F11秒7。併せた相手を手応えで圧倒して見せた。今週は単走だったが、6Fから軽快に飛ばしながらも直線はさらに加速。持ったままはじけて5F66秒4ー3F37秒6ー1F11秒2。体がふっくらとして、肌もピカピカの状態。巻き返しに向けてうまく仕上げた。
<栗東>馬場寸評(2024.3.13)
ほとんど止んで調教開始時は雨もパラパラと降っている程度だったが、前日はほとんど一日降っているような天気。どのコースものきなみ含水率が高く、ポリトラック(常に良)以外はすべて不良馬場だった。
【Wコース】は先週とはうって変わって時計を要する馬場。太陽も出て多少乾いてきた後半の時間帯はラスト1ハロン11秒台前半もでたが、早い時間帯には数える程しかいなかった。10秒台はなし、ドバイ遠征を控えているドウデュースの11秒0が最速だった。
【芝コース】は緩い馬場に加え、手控えた追い切りが多かったこともあって数字は遅め。
【ポリトラック】はラスト11秒台が普通にでたが全体時計は普段よりもやや遅めだった。
<栗東>追い切り注目馬
■阪神土曜9R 淡路特別
ジェンヌ(牝5歳)
父:ディープインパクト
母父:Myboycharlie
生産:ノーザンファーム
馬主:エムズレーシング
厩舎:栗東・安達 昭夫
Wコース単走で6ハロン85.4-68.8-53.8-38.5-12.0。大きな馬ではないが全身を使ったしっかりとしたストライドでゴールを駆け抜けた。休み明けを二度使われて前進気勢も増して良化は明らか。一貫して長めの距離を使われているようにスタミナ豊富、阪神コースに良績がない点はやや気掛かりだが、自分から動いて長くいい脚を使える馬。前走から2キロ減のハンデも54キロで、前走を度外視して狙いたい。
■阪神日曜9R 山陽特別
ガリレイ(セン7歳)
父:ヴィクトワールピサ
母父:サクラバクシンオー
生産:大島牧場
馬主:(株)カナヤマホールディングス
厩舎:栗東・高橋 亮
Wコースで3ハロン38.4-11.1秒。上りだけだったので鵜呑みにできないところはあるが、ゴール前では弾むようなフットワークで軽快な動きを見せた。前走から中1週になるが、疲れどころか、叩かれた効果か元気一杯の動き。前走はスタートでアオリ最後方からの競馬。切り替えて終い勝負に徹し、大外から最速の脚を使っている。勝った馬は抜けていたが、それでも2着とは少差の7着と悪くない内容だった。結果的に差す形の競馬ができたのも今回につながってきそうで十分勝負になる。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班