【マイラーズカップ】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【マイラーズカップ】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 トゥードジボン【評価C】
 四位厩舎[西] 藤岡佑騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 稍 86秒1-69秒7-54秒3-38秒4-11秒6 馬なり
[今週] 助手
【栗東CW】 良 53秒0-37秒4-11秒5 馬なり

 CWコースで単走。上がり重点で時計になったのは4Fから。脚さばきはダイナミックだが、やや大きすぎてロスも生じている。手前を何度も替える点も気になる。

■1枠2番 スパイダーゴールド【評価C】
 鹿戸厩舎[東] 西村淳騎手

[1週前] 荻野極騎手
【美浦南W】 稍 83秒4-67秒6-52秒7-38秒2-11秒5 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 83秒2-67秒1-52秒4-37秒3-11秒5 馬なり

 最近は渋くなっており、ケイコの動きはいまひとつ。3頭併せで追いかけたとはいえ、中の馬にあっさりと遅れてしまった。大きな変わり身は見込めない。

2枠3番 セリフォス【評価B】
 中内田厩舎[西] 川田騎手

[1週前] 調教師 [4月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 96秒2-79秒2-65秒0-51秒2-36秒1-10秒9 一杯
[今週] 川田騎手
【栗東坂路】 良 52秒7-37秒4-24秒2-12秒2 馬なり

坂路で単走。四肢の動きが軽そうな点は悪くない。前脚のかき込みも深く、後肢の蹴りもゴールに近づくにつれてダイナミックになっていった。傍から見ていると毛ヅヤも良く、出来はなかなか良さそうに見える。明らかに昨秋の出来より上である。
しかしながら、乗り手の感触はどうにもそれほどのモノではない。
誰に聞いても「良い頃と比べてしまえば物足りないというのが本音」という言葉ばかりが返ってくる。
その原因は去年のマイルCSで夏負けの影響を引きずったまま使ったことにあるのは明白。
しかしながら、この馬は気で走るタイプでもあり、久々の方がいい。
メンバー的にも実績は1枚上でこの状態でどこまで走れるのかは注視しておきたい。

2枠4番 リューベック【評価B】
 須貝厩舎[西] 浜中騎手

[1週前] 浜中騎手 [4月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 84秒0-67秒9-53秒3-38秒2-11秒2 馬なり
[今週] 浜中騎手
【栗東CW】 良 82秒3-66秒6-51秒5-36秒4-11秒2 強め

CWコースで弟フリームファクシと併せ馬。馬体を寄せる際がスムーズな動きで、首を低くして前に出たあたり、さすがのセンスの良さ。ゴール前で来られ、グッと我慢した点もいい。

3枠5番 エアロロノア【評価B】
 笹田厩舎[西] 幸騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 稍 51秒2-37秒2-24秒6-12秒6 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 51秒3-37秒4-24秒2-12秒2 一杯

坂路で併せ馬。後方から追いかけ、パートナーに並びかける際は馬体がぶつかり、非常に闘志、迫力を感じさせる併せ馬。長く馬体を併せ、最後にグッと出るあたり、非常に好感が持てる。

3枠6番 ビーアストニッシド【評価C】
 小崎厩舎[西] 和田竜騎手

[1週前] 助手 [4月11日(木)追い]
【栗東坂路】 良 55秒4-41秒1-27秒1-12秒8 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 53秒5-39秒4-25秒7-12秒6 強め

坂路で単走。リズム良くキビキビ走っていたが、残り1F付近でバランスを崩した走りになった点が残念。そこからゴールまではまた持ち直した。

4枠7番 ノースザワールド【評価A】
 斎藤誠厩舎[東] 北村友騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 稍 85秒3-69秒0-54秒5-39秒5-11秒9 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 67秒1-52秒0-37秒9-11秒6 馬なり

1週前の併せ馬ではスムーズに走れていたが、今週の単走は手綱を緩めたら一気に持ってかれそうな勢い。何とかコントロールさせたが、気負い、力みが目立った。ただし、栗東時代とは違って指示に反抗する姿だけは見せないように、要は、転厩後の方が明らかに操縦性が向上しているということ。こうなってくると齋藤誠厩舎の手腕と言わざるを得まい。もちろん、あの性格そのものは変わっていない。気負うし気も抜く。しかし、名うての気性難を常識がからせたことは間違いない。この中間もキビキビとした走りで心身共に危さは皆無。この1本でガス抜きができれば立ち回り次第では一発あるかも。

■4枠8番 トランキリテ【評価A】
 松永幹厩舎[西] 武豊騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 稍 82秒8-67秒6-52秒4-37秒4-12秒0 末一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 良 80秒9-65秒4-50秒7-36秒6-12秒1 直一杯

CWコースで併せ馬。キビキビと四肢が動くピッチ走法。首の低いフォームで、抜き去る時もサッとスマート。最後に少し疲れが見えた点が玉に瑕だが、かなりハイラップを刻んだし、前走も京都の洛陽Sで好時計での2着。状態は落ちてはいないどころか、良くなっているようにも見えるので、引き続きここでも穴候補の一頭として軽視は禁物。

5枠9番 ニホンピロキーフ【評価B】
 大橋厩舎[西] 田口騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 稍 81秒1-66秒0-51秒2-36秒8-11秒6 一杯
[今週] 田口騎手
【栗東CW】 良 83秒9-68秒7-53秒5-37秒7-11秒0 直強め

CWコースで単走。直線を向いた時はこんな弱々しい脚さばきで大丈夫かと思ったが、ラストは体が沈み込み、ド迫力の脚さばきに変わった。中間の気配も非常にいいし前走を勝って馬自身に勢いがある。ここにきて一段力をつけてきた感触も見られ本格化の兆しが出てきている。

5枠10番 コレペティトール【評価B】
 中竹厩舎[西] 岩田康騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 稍 52秒9-38秒3-25秒5-13秒1 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 52秒2-37秒9-25秒0-12秒7 一杯

坂路で単走。前脚は高く上がるが、もう少し機敏に動いてほしい感じ。最後はいっぱいに追われたが、反応は薄く、ゴール前はややバテたように見えた。ただ、馬自身は前走よりも成長しており、この少し「重い」感じは、次走の安田記念を見据えての仕上げということの意味で、この一追いでどこまで仕上がったかのチェックは当日必須な馬といえる。

6枠11番 アリストテレス【評価C】
 上村厩舎[西] 古川吉騎手

[1週前] 横山典騎手
【栗東CW】 稍 82秒9-68秒3-53秒7-38秒4-11秒6 馬なり
[今週] 古川吉騎手
【栗東坂路】 良 55秒0-39秒6-25秒4-12秒2 馬なり

坂路で併せ馬。姿勢はしっかりと低く、脚さばきは悪くないのだが、パートナーと並んだ際に顔を外にそむけてしまったのが気になる。もっと真っ向から闘志を見せてほしかった。

6枠12番 ソーヴァリアント【評価S】
 大竹厩舎[東] 池添騎手

[1週前] 嶋田騎手 [4月11日(木)追い]
【美浦南W】 良 80秒2-65秒6-50秒4-35秒7-10秒9 G前仕掛け
[今週] 助手
【美浦南W】 良 84秒5-68秒1-51秒4-36秒8-11秒1 馬なり

重めを残した前回を踏まえて、今回は併せ馬を中心にハードに攻めてシェイプアップに成功。1週前は6Fから3頭併せ。直線は重心をグッと下げて迫力満点の伸び脚。6F80秒2ー3F35秒7ー1F10秒9の猛時計をマーク。今週は2頭併せ。僚馬をうまく誘導して直線は相手に合わせての伸び脚。最後まで手綱は持ったままで、フットワークは弾んでいた。6F84秒5ー3F36秒8-1F11秒1。動きの質、時計ともに申し分なく、肌もピカピカの状態。文句なしの出来。

7枠13番 セッション【評価C】
 斉藤崇厩舎[西] 坂井騎手

[1週前] 団野騎手 [4月12日(金)追い]
【栗東CW】 良 84秒9-68秒7-53秒3-38秒0-11秒4 末強め
[今週] 坂井騎手
【栗東坂路】 良 55秒3-40秒0-25秒9-12秒6 馬なり

前走は案外な負け方だったけど、被されたところで集中力をなくしていた。
その原因は坂か?阪神で勝ってるけど、前走も中山の坂で甘くなってるし、平坦の方が良さそう。
その上での追い切り。
坂路で単走。最初から最後までリズムが一定で、前脚も高く上がっている。ただ、真っすぐ上がっているようで、微妙に左右にブレている感じがある。

7枠14番 ソウルラッシュ【評価S】
 池江厩舎[西] 松山騎手

[1週前] 松山騎手 [4月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 83秒5-66秒9-51秒5-36秒1-10秒8 G前一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 良 82秒6-66秒1-51秒0-36秒4-10秒9 一杯

昨年の秋に充実期を迎えた。国内GIでは勝ちに等しい内容。暮れの香港GⅠでも、乗り方ひとつで2着は十分にあった。ブランク明けは絞り切れない傾向にあるが、それでもポン駆けは利く方だし、この中間を見ると、追い切りの動きは今までのブランク明けのそれを上回っている。八分以上の態勢と見る。
CWコースで併せ馬。パートナーの背後からサッと横に出る時のスピードが秀逸。並んで、ともに気合を高める際の雰囲気も抜群。そして瞬時に前に出てラスト10秒9。動きもタイムも文句の付けようがない。見ていて気持ちのいい併せ馬だった。
馬体重の目安としては「510キロを切って出てくるか否かのライン」だと見立てる。
恐らくはその目安前後の馬体で出られそうではあるが、不安点はあまりにも太目が残ってしまった時のみか。

8枠15番 フリームファクシ【評価C】
 須貝厩舎[西] 富田騎手

[1週前] 角田和騎手 [4月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 82秒1-65秒8-50秒3-35秒6-11秒7 馬なり
[今週] 富田騎手
【栗東CW】 良 83秒0-67秒2-52秒1-36秒9-11秒1 強め

CWコースで兄リューベックと併せ馬。前脚は遠くをつかんでいるし、活気も十分にある。ただ、リューベックに前に出られ、そこからあまり抵抗できなかった点が少々気になる。

8枠16番 ボルザコフスキー【評価A】
 清水久厩舎[西] 吉村騎手

[1週前] 吉村騎手
【栗東CW】 稍 83秒8-67秒9-52秒3-36秒8-11秒2 強め
[今週] 吉村騎手
【栗東CW】 良 97秒1-80秒9-65秒7-50秒7-35秒9-11秒2 一杯

CWコースで併せ馬。外を他厩舎の馬がいっぱいに追われて駆け抜けても、動揺は一切なし。パートナーに前に出られたことで闘志をグッと燃やすことができた。時計も速く、遅れたからといって評価を下げる必要はない。

■8枠17番 エエヤン【評価B】
 伊藤大厩舎[東] M・デムーロ騎手

[1週前] 助手 [4月11日(木)追い]
【美浦坂路】 良 62秒5-45秒9-30秒2-14秒8 馬なり
[今週] 助手
【美浦坂路】 良 52秒4-38秒4-25秒0-12秒4 馬なり

やり過ぎないように、前回同様に坂路での追い切り。前に馬を置きながらも力みはなく、最後まで軽やかなフットワークを披露。追われる相手とは手応え、脚勢が違いゴールを過ぎても勢いは止まらなかった。気性の安定が1番で、中盤で引き離す前走の形が取れたら、ここも侮れないということ。引き続き、元気一杯の登坂振りで体調も良好。安定感は一息も無視は危険。