【金鯱賞】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【金鯱賞】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 シーズンリッチ【評価B】
 久保田厩舎[東] 吉田隼騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 84秒0-67秒8-52秒9-37秒8-11秒2 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 重 82秒2-65秒9-51秒3-37秒7-12秒1 馬なり

1週前は併せ馬で1F11秒2。追われる相手に対して余力たっぷりにスパッと切れた。今週も併せ馬。5馬身追いかける意欲的な内容となったが、直線は前を捕らえて力強い伸び脚。5F65秒9ー3F37秒7ー1F12秒1。最後まで集中して走れており、馬体の張り、ツヤの良さも目立つ出来。うまく立て直された。

2枠2番 ワイドエンペラー【評価C】
 藤岡厩舎[西] 高杉騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 51秒6-37秒9-24秒8-12秒2 馬なり
[今週] 高杉騎手
【栗東CW】 重 71秒1-54秒5-38秒3-11秒4 馬なり

 CWコースで併せ馬。僚馬を先導して胸を貸す形。馬体はやや太く見える。パートナーが来るのを待ち、前に出られたが、そこからフォームに伸びが出た。先着されたが、この馬も闘志を注入された。

3枠3番 ドゥレッツァ【評価A】
 尾関厩舎[東] C・ルメール騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 83秒0-66秒9-51秒8-36秒9-11秒2 G前仕掛け
[今週] 助手
【美浦南W】 重 83秒2-66秒5-51秒5-36秒6-11秒4 馬なり

中間の初時計でいきなり1F11秒6。そこからウッドと坂路を併用して乗り込まれ、ひと追いごとにグングン上昇。1週前は長めから追って1F11秒2。外ラチ沿いを一直線にはじけた。今週は単走で馬の気に任せいたが、スピード、切れともに素晴らしく、やる気になればいくらでも伸びそうな勢い。5F66秒5ー3F36秒6ー1F11秒4。ここまでの中間は65秒台の時計が必ず入っていたのでその点を見ればおつりは残されているが、馬体もたくましくなったように成長著しい。これだけの馬でさらに上の状態があるから評価はあえてAまでとしたが、どんなレースを見せてくれるか楽しみな一頭。

4枠4番 プログノーシス【評価A】
 中内田厩舎[西] 川田騎手

[1週前] 川田騎手
【栗東CW】 稍 83秒2-67秒7-53秒1-37秒7-11秒2 強め
[今週] 西谷誠騎手
【栗東CW】 重 97秒9-80秒9-65秒8-51秒5-36秒9-11秒6 稍一杯

 CWコースで単走。道中から行きっぷりが良く、首を使って迫力十分。手前を替えるタイミングも申し分ない。前脚をかき込む力が非常に強く、スピードが上がると前傾姿勢になって四肢に伸びが出た。完璧といえるフォーム。出来は最高にまで仕上がっている。ただ気性的な面では1週前にまたがった川田騎手が「走る方に気持ちが前向きではない」といまいちな感触も告げており、今週乗った西谷騎手も「去年の香港前の追い切りに比べると7分程度」と口にしていることからも、まだおつりは残している状況。
そもそもこれだけの能力がありながらも、勝てていないレースは全て展開負けで、結局、位置が取れないのだ。異常に噛むが故に道中はジッとしているしかない、しかもゲートは空っ下手。故に間に合わないシーンが多発。それこそ前走など、その典型。身体能力こそ高いものの機動性は皆無に等しい。これこそが同馬なのである。この中間も、そこの進化だけはどうにも見られないことから評価もAまでとさせてもらったが、つまりは、今年も引き続き爆発力頼みといったところか。そのあたりの進化を見せてほしい一戦でもある。

4枠5番 ブレイヴロッカー【評価B】
 本田厩舎[西] 丸山騎手

[1週前] 泉谷騎手
【栗東CW】 稍 84秒2-68秒9-53秒6-38秒2-12秒0 馬なり
[今週] 丸山騎手
【栗東CW】 重 85秒9-70秒3-55秒2-39秒6-11秒9 馬なり

CWコースで単走。道中、やや首は高いが非常にリラックスして走っている感じ。直線を向いても、いい意味で体に力は入っておらず、非常に軽やか。それでいてタイムは及第点。悪くない。

5枠6番 ヨーホーレイク【評価S】
 友道厩舎[西] 藤岡康騎手

[1週前] 藤岡康騎手 [2月29日(木)追い]
【栗東CW】 稍 84秒2-68秒3-53秒6-37秒7-11秒3 稍一杯
[今週] 藤岡康騎手
【栗東CW】 重 81秒7-66秒6-51秒8-36秒1-11秒5 強め

CWコースで3頭併せ。最も負荷のかかる真ん中に入った。手前をしっかりと替え、わずかに2頭の前へ。内から僚馬が迫り、気持ち、前に出られると懸命に食らいついた。闘志も高めた、いい追い切りになった。正直、約2年以上振りの実戦で、常識的には無視するタイミングではある。しかし、ここ2週のCWコースでの動きを見ていると何ともそうは思えなくなってきたのだ。それこそ、先週までは完全に馬鹿にしていた。約1ヶ月に渡って坂路で乗り込んできたとはいえ、明らかに加減しつつの基礎作りばかり。それを急にコースで追ったところで動けるものではなかろうと…。ところが蓋を開けて見ると動く動けないどころの話ではなかった。何と、メリハリの効いた走りからラストは弾けて突き抜けてしまったのである。そして翌週の直前追いでは、あのドウデュースを相手に一歩も譲らず。ここまで喰らいつけるとなれば、もはや実戦勘云々の心配すら必要ないのではないか。思えば、屈腱炎という不治の病明け。そもそも復帰するからには生半可な状態で使うわけもない。それこそ、次はないのかもしれないのだから…。つまりは外厩先も含めて、それだけ時間をかけてジックリと整えられてきたからこその直近2週の素晴らしい動きとみる。厩舎を見れば、世界の友道。結局はさすがということか。鉄砲実績多数と久々を苦にせぬ気性であることも心強い。2年ぶりの仕上げでここまで動かしてきたことに敬意を表してS評価とした。長久明けで、軸向きではないが、対抗上位で狙ってみても。穴ならコレか。

5枠7番 ヤマニンサルバム【評価A】
 中村厩舎[西] 三浦騎手

[1週前] 岩田康騎手 [2月29日(木)追い]
【栗東CW】 稍 82秒7-66秒2-51秒4-37秒1-11秒4 直強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 重 54秒2-39秒0-25秒0-12秒3 馬なり

坂路で併せ馬。パートナーより明らかに前脚が高く上がっている。活気も十分。真っすぐに脚を振りおろし、その迫力は僚馬の比ではない。当然ながら、しっかりと前に出て先着した。ここも同馬を手の内に入れた三浦騎手とくれば、ここ2戦同様に無駄なく脚を使わせてくるのは必然と言えよう。仕上がり自体にも手間取るタイプでもなく、ここも要注意。

6枠8番 バラジ【評価C】
 鹿戸厩舎[東] 菅原明騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 84秒6-68秒0-52秒7-37秒9-11秒4 馬なり
[今週] 菅原明騎手
【美浦南W】 重 87秒2-70秒3-54秒6-39秒2-11秒9 馬なり

菅原明背に併せ馬。コーナーさばきがぎこちなく、全体的にモタモタした走り。5F70秒3ー3F39秒2ー1F11秒9。数字も平凡で、余裕を残した仕上がり。

6枠9番 ノッキングポイント【評価B】
 木村厩舎[東] 戸崎騎手

[1週前] 戸崎騎手
【栗東CW】 稍 95秒3-79秒3-65秒1-50秒7-36秒6-11秒4 強め
[今週] 助手
【栗東CW】 重 85秒4-68秒7-53秒4-38秒0-11秒3 G前気合付

栗東入りして調整中。1週前もCウッドで好時計をマークしたが、当週は同コースでしっかりと脚を溜めてラスト1ハロン11.3秒の爆発力だ。稽古からだけでもセンスの高さがうかがえるし、馬体にもなかなかオーラを感じる。4カ月ぶりだが、しっかりと力の出せる仕上がりだろう。気になるのは胸前の筋肉が発達したことで寸は詰まり重心も低目に。そう、何てことはない、どうにも本質が強く出てきてどんどんとマイラー体型に。結局、母もオークスで2着の実績があるとはいえ、本質はマイルの一族。これにスーパーマイラーの父の配合なのだから、この結末も必然か。とはいえ、2000メートルなら折り合えるのは2走前に実証済み。成長自体も確かなだけに、ここでの無視は危険でしかない。

7枠10番 アラタ【評価A】
 和田勇厩舎[東] 横山典騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 79秒7-63秒9-49秒8-36秒2-11秒7 強め
[今週] 助手
【美浦南W】 重 67秒6-52秒5-37秒8-11秒5 強め

1週前は6F79秒7の好時計。直線も勢い良く伸びて1F11秒7でまとめた走りは前回からの上積みを感じさせるもの。今週も単走ながら活気にあふれ、直線も促す程度できっちりと伸びきった。有力馬が次戦を見据えておつりを残した仕上げのなか、この馬はここを目標にしたメイチの仕上げ。この馬の縦の比較としては、ここ最近で一番いい。前走も調子は良かったけど、見ての通り1コーナーのところで手綱を引っ張る場面。それでヤラズでレースは終了。つまり逆に言えばダメージはないと見てよく、昨年は3着。その時乗った横山典騎手が今回の鞍上で、中京は合う。メンバーは強いけど、ひと泡吹かす可能性はある。

7枠11番 エアサージュ【評価C】
 池添厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 池添騎手
【栗東CW】 稍 96秒5-79秒9-65秒5-52秒0-37秒7-11秒7 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 重 53秒9-39秒1-25秒2-12秒7 馬なり

坂路で単走。顔をやや左に向けたシーンが長かった点は気になるが、ラスト近くの胸突き八丁では真っすぐ前を向いた。パワフルに四肢を動かし、首も使っているが、やや動きは重苦しく感じた。

8枠12番 ハヤヤッコ【評価C】
 国枝厩舎[東] 幸騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 83秒2-66秒3-51秒6-37秒4-12秒1 一杯
[今週] 助手
【美浦南W】 重 66秒8-51秒8-37秒5-11秒9 G前仕掛け

年齢的な渋さが出て、最近はケイコで動かない。1週前の3頭併せでは一杯に追っての遅れ。今週は突かれて粘り強く走れたが、手を動かしての1F11秒9は物足りない。良くも悪くも出来は平行線。

8枠13番 レッドジェネシス【評価C】
 小林厩舎[西] 角田和騎手

[1週前] 川端騎手 [2月21日(水)追い]
【栗東坂路】 稍 54秒4-38秒7-25秒3-12秒6 馬なり
[今週] 角田和騎手
【栗東坂路】 重 54秒5-39秒7-25秒4-12秒3 馬なり

坂路を単走でサッと。幾分、上向いた感じはするものの、やはりいいころの気配には程遠いか。それなりに加速もスムーズだし、馬体の張りも良化はしているが、さすがにこのメンバーに入ると見劣りしてしまう。中1週のわりには元気だが…。