【フェアリーステークス】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【フェアリーステークス】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


■1枠1番 マイスターヴェルク【評価C】
 勢司厩舎[東] T・マーカンド騎手

[1週前] 助手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 87秒7-70秒8-54秒9-40秒5-13秒4 馬なり
[今週] 助手 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 67秒1-52秒0-37秒7-11秒8 馬なり

攻め気配はなかなか上がらず、今週の1本で何とか間に合った程度。5F67秒1ー3F37秒7-1F11秒8。まだ頼りないところが残っており、上積みは疑問。

■1枠2番 キタノクニカラ【評価B】
 小島厩舎[東] 丸田騎手

[1週前] 丸田騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦坂路】 良 55秒8-41秒1-26秒9-12秒9 馬なり
[今週] 助手 [1月9日(木)追い]
【美浦坂路】 良 52秒6-39秒5-26秒4-13秒2 馬なり

前走後は間隔をあけて立て直したが、相変わらず細く見せる馬体に非力なフットワーク。直前は坂路で掛かり気味の走りで4F52秒6ー3F39秒5ー1F13秒2。前回よりは上向いているし、現状左回りよりは右回りの方が良いのは間違いないが、どこまで上位に食い込めるか。

■2枠3番 ジャルディニエ【評価A】
 奥村豊厩舎[西] 斎藤騎手

[1週前] 斎藤騎手 [1月3日(金)追い]
【栗東P】 良 86秒5-69秒0-53秒9-39秒6-11秒3 馬なり
[今週] 斎藤騎手 [1月9日(木)追い]
【栗東P】 良 82秒2-67秒4-52秒7-38秒3-11秒4 馬なり

阪神JFでは内枠が気になったようで4角13番手から、巻き返しを期したが10着敗走。とは言え、強敵相手の走りは良い経験になったようで、中間の稽古の動きはリフレッシュしていた。さらに言えば同馬が2勝しているのは紛れもない事実。少なくとも、新馬や未勝利を勝ったばかりの連中とは明白に積んできた経験値の量が違う。よくよく戦績を振り返ってみれば、今回の舞台で勝ち鞍まであるのだから安易に無視するのはナンセンスとしか言いようがあるまい。久々を一叩きされて動きにも素軽さを増しているようにデキそのものも良化中。この相手なら侮れず。流れに乗ってレースを進めればチャンスはある。

■2枠4番 ネーブルオレンジ【評価C】
 杉山佳厩舎[西] 丹内騎手

[1週前] 長岡騎手 [1月4日(土)追い]
【栗東CW】 良 84秒1-67秒7-52秒5-37秒0-11秒6 強め
[今週] 鷲頭騎手 [1月9日(木)追い]
【栗東坂路】 良 56秒0-40秒4-25秒8-12秒7 馬なり

勝ち上がったのはダートだが、芝の走りでもスムーズで、相手なりに走れる器用なところが楽しみ。昇級戦の前走・こうやまき賞も差のない3着と奮闘しており、経験を積みながら力をつけている。

■3枠5番 ハードワーカー【評価C】
 竹内厩舎[東] 佐々木騎手

[1週前] 調教師 [1月4日(土)追い]
【美浦南W】 稍 84秒1-67秒8-53秒1-38秒3-12秒1 馬なり
[今週] 調教師 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 86秒1-69秒6-54秒2-39秒3-11秒8 馬なり

1週前は古馬2頭が相手だったとはいえ、追って半馬身の遅れ。5Fの時計は自己ベストも、今週も促しながらの伸び脚で鋭さを感じなかった。5F69秒6ー3F39秒3ー1F11秒8。まだ態勢に不安を残す。

■3枠6番 ミーントゥビー【評価A】
 堀内厩舎[東] 松岡騎手

[1週前] 松岡騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 86秒7-69秒8-54秒1-38秒6-12秒0 直強め
[今週] 松岡騎手
【美浦南W】 良 84秒5-67秒9-52秒7-38秒0-11秒5 馬なり

中間は松岡が付きっ切りで調整を続けてきた。1週前は古馬相手に優勢な走りを披露すると、今週も同じく古馬との併せ馬。大きく追走して内に潜ると、持ったままの手応えで矢のような伸び脚。5F67秒9ー3F38秒0ー1F11秒5。手綱を緩めればいつでも突き放せそうな感触があり、馬体も柔らかみを増して、ふっくらとした仕上がり。昨秋から厚ぼったさが解消してスッキリ見せるようになってきているのだ。それに伴って動きにも柔らかみが出て切れを感じさせるようになってくるのだから面白いもの。この辺りは父に成長力の定評があるリアルインパクトを迎えた甲斐があったということか。全体がシッカリしてきたことでディープインパクトから脈々と受け継がれし日本の芝への適正の高さが、いよいよ強く表面化してきたようである。だからこそ、前走も不利でしかない大外枠ながら、あれだけメリハリを利かせて鋭い末脚を駆使することができたのでは。この中間も切れのある動きで、むしろ迫力は増すばかり。ひょっとすると、まだまだ奥があるかも。

■4枠7番 ホウオウガイア【評価S】
 大竹厩舎[東] 田辺騎手

[1週前] 助手 [1月3日(金)追い]
【美浦坂路】 良 57秒8-42秒8-27秒9-13秒3 馬なり
[今週] 田辺騎手
【美浦南W】 良 84秒9-68秒3-52秒4-37秒0-11秒3 馬なり

田辺を背に6F84秒9ー3F37秒0ー1F11秒3。古馬2頭と併せて、直線は真ん中に入って実戦を意識させたが、スパッと切れた。前走時よりも動きの切れ、鋭さが増している。
初戦の新馬戦が芝の1800メートル、2戦目の前走が芝の2000メートルと牝馬ながら、ここまで明確に中距離にこだわって起用されてきた同馬。今思えば、これこそが陣営の期待と不安の現れだったとも言えるか。初戦の圧勝振りが示すまでもなく、デビュー前から、そのポテンシャルの高さは全く隠せてなどなかったのである。問題があるとすれば随所で見せていた気性面の危うさのみ。これが若さに寄るもので経験を積みつつ解消さえしてくれれば…。そう願ったからこそ、あえて2歳戦としては長目の距離を意図的に起用することで、より良い経験から理想的な成長を促そうと目論んでいたのでは。しかし、前走のレース振りを見ると距離への融通性はそこまで高くないと断言せざるを得ない。折り合いに四苦八苦、挙句に極上の切れが鈍り残り1Fで解りやすく失速したのだからそういうこと。結局は馬体のシルエットからも性格からも短距離志向意外の何ものでもなし。マイル以下でこそ輝くタイプということか。そういう意味では、今回の適正距離への起用は何より。まずパフォーマンスアップは間違いあるまい。唸る気合い乗りで伸びもシャープと仕上がりも万全。

■4枠8番 レイユール【評価B】
 手塚厩舎[東] 嶋田騎手

[1週前] 嶋田騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 86秒7-69秒9-53秒7-38秒4-12秒0 G前仕掛け
[今週] 嶋田騎手 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 85秒8-69秒4-53秒5-38秒4-12秒0 馬なり

嶋田を背に3頭併せ。古馬2頭の間に入ってプレッシャーを受けたが、両サイドを手応え、脚勢で上回り、ゴール前はグイッと前に出て先着を果たす。6F85秒8ー3F38秒4ー1F12秒0。数字以上の切れと迫力があり、気合乗りの良さも目立つ。馬体も引き締まり、態勢は整った。

■5枠9番 モルティフレーバー【評価A】
 清水久厩舎[西] 北村宏騎手

[1週前] 吉村騎手 [1月3日(金)追い]
【栗東CW】 良 96秒3-80秒3-64秒8-50秒5-36秒6-11秒3 一杯
[今週] 吉村騎手
【栗東CW】 良 83秒6-67秒3-52秒6-37秒0-11秒1 G前仕掛け

夏に新潟、名古屋、中山と3回も輸送したら2歳牝馬じゃさすがにハード。前走の敗因はそのローテによるダメージ。
さらに「この前の中山は現地に着いてから周りに馬がいない場所の馬房にされてしまって、不安になって全くカイバを食べなくなってしまった。周りに馬がいないなんて初めての経験だったと思うよ」と現地での馬房の位置が悪すぎたと次の敗因を教えてくれた。今回は関西馬が結構使いに来る週だから前走時のような「1頭でポツン」という環境にはなり得ないだろう。
その前走からしっかり立て直して3ヶ月半ぶりの復帰戦。メンバー的には厳しい戦いになるかもしれないが、落ち着いて、すんなり先手をとり、ペースをつかめば一発があるかもしれない。人気ガタ落ちの要因が前走だけなら十分に狙い目がたつ。

■5枠10番 ルージュミレネール【評価B】
 斎藤誠厩舎[東] 横山和騎手

[1週前] 助手 [1月4日(土)追い]
【美浦坂路】 稍 63秒2-46秒6-30秒4-14秒6 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 81秒9-65秒6-51秒4-37秒3-11秒3 馬なり

中1週でもきっちりと併せ馬を消化。直線は一杯に追われる相手を尻目に持ったまま躍動感あふれる走り。最後まで相手に合わせたが、それでも6F81秒9ー3F37秒3ー1F11秒3の好時計。気合乗りの良さも目立ち、体調はかなりいい。

■6枠11番 エストゥペンダ【評価A】
 高柳瑞厩舎[東] 三浦騎手

[1週前] 三浦騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 83秒7-67秒2-51秒8-37秒8-12秒2 馬なり
[今週] 助手 [1月9日(木)追い]
【美浦坂路】 良 54秒4-39秒6-25秒5-12秒4 馬なり

1週前は三浦を背にウッドで6F83秒7ー3F37秒8ー1F12秒2。一杯に追われる古馬を突き放して2馬身の先着を果たす。直前は坂路で4F54秒4ー3F39秒6ー1F12秒4。反応を確かめて、最後まできっちりと伸びきった。体も大きくなって、体調は前走以上。

■6枠12番 エリカエクスプレス【評価S】
 杉山晴厩舎[西] 戸崎騎手

[1週前] 助手 [1月3日(金)追い]
【栗東CW】 良 97秒4-80秒5-65秒3-50秒5-36秒2-11秒2 強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 55秒7-40秒1-26秒1-12秒5 馬なり

直前追いは坂路で55秒7-40秒1-12秒5秒と平凡な数字だが、実質的な本追いは先週のCW。ラスト1ハロン11秒2と火を噴くような加速だったし、古馬3勝クラスの先輩をあおるような走り。勝ってさらに体調はアップしている。3頭併せの最終追い切り、序盤はリズム重視のゆったりした流れだったが、3コーナー過ぎから重心の低いフォームで加速し、ラスト1ハロンは馬なりで11秒2と好時計をマークした。「走りは軽いし、2000メートルよりマイルの方が合っていると思う」と期待充分の口ぶりだった。

■7枠13番 ティラトーレ【評価B】
 牧厩舎[東] 木幡巧騎手

[1週前] 木幡巧騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 85秒4-68秒7-53秒4-38秒6-12秒0 馬なり
[今週] 木幡巧騎手
【美浦南W】 良 81秒4-66秒3-52秒3-37秒8-12秒0 馬なり

中間の併せ馬では常に優勢に動いており、今週も3頭併せの内から持ったまま抜け出した。6F81秒4ー3F37秒8ー1F12秒0。道中もうまく折り合っていたように、使いつつの気性面の成長は感じ取れる。馬体も引き締まり、体調は前走以上。
この馬に関しては良く言えば前向き、悪く言えばリキみっ放し。正直、まだ一息で走ろうとする面が抜けていない同馬。それこそ、今がまさに運命の分かれ道。ここで我慢することをマスターして一つ上のレベルで競馬に参加できるようになるのか、それとも一息で走る悪癖を抱えたまま問題児として生きていくか、非常にドラマチックな局面といったところなのである。ただし、仮に後者だったとしても今回程度のメンバーであれば、簡単に押し切れてしまう可能性を頭の隅に置いておくべきであろう。そう、それぐらいに同馬の基礎スピードの質というのは非凡なのだ。それこそ、それを示したのが前走。確かに怪物級の勝ち馬にこそ圧倒されてはしまった。だが、そんな怪物が作った異常なHペースを深追いしながらもバタッとは止まらず掲示板を確保したのだから大したもの。実際、その走破時計1分33秒フラットは、同日古馬重賞の勝ち時計をコンマ2秒も上回っていたのだから疑いようもなく優秀。暴走したらしたでスピードの違いで何てことないかも…、そんな高いポテンシャルの持ち主であることを忘れるべからず。引き続き弾むようなフットワークで体調面に陰りもなし。ここでの無視はNG。

■7枠14番 ニシノラヴァンダ【評価A】
 奥平厩舎[東] 菅原明騎手

[1週前] 菅原明騎手 [1月4日(土)追い]
【美浦南W】 稍 69秒9-54秒0-38秒5-12秒0 馬なり
[今週] 菅原明騎手 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 70秒1-54秒8-40秒0-12秒2 馬なり

1週前は菅原明を背に5F69秒9ー3F38秒5ー1F12秒0。食らいつく相手とは手応え、脚勢が違った。今週はオーバーワークを避けてしまい重点となったが、しなやかな伸び脚を披露。5F70秒1ー3F40秒0ー1F12秒2。シャープな馬体も芯が入っており、活発に動けている。
小柄な牝馬ながら胸前を中心に厚み十分、加えて太く短い首差しというシルエット。ここから察するに、十中八九で短距離こそがベストのタイプではあろう。ただし、だからといって同馬が距離に融通性を備えている可能性もなくはない。というのも、その片鱗を調教の中で何度か披露していたりするのだ。例えば、短距離限定の馬の特長というのをご存知だろうか。簡単な話が有り過ぎるスピードを上手く抑えられないタイプ。そう、その結果として、スピードで振り切る形の短距離戦でしか力を発揮できない。しかし、同馬はというと調教であれば仮に遅い時計の併せ馬でも無理なく相手に併せられてきたし、それでいてラストで反応してギアを上げたりと短距離専門とするには操縦性が非凡過ぎるのである。これだと、スンナリの形でさえあれば、ムキになることなくスタミナを温存して直線を向ける可能性は一考すべき。しかも、ロケットスタートというアビリティ持ちでもある。まんまとマイペースに持ち込んでの逃げ切り勝ちというのは意外と現実的かも。短距離志向の小柄な牝馬だけあって仕上がりまでも早いとくれば警戒して損はなし。スピードの質も確かで一発あっても不思議なし。

■8枠15番 ミラーダカリエンテ【評価B】
 相沢厩舎[東] 石川騎手

[1週前] 石川騎手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 68秒8-52秒5-37秒9-11秒9 強め
[今週] 石川騎手 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 84秒1-67秒6-52秒5-37秒9-12秒1 馬なり

石川を背に併せ馬。直線は一杯に追われる相手を馬なりのまま圧倒して見せた。6F84秒1ー3F37秒9ー1F12秒1。ラストは2馬身の先着とバネの利いた伸び脚を披露。状態は上向いている。

■8枠16番 レモンバーム【評価B】
 嘉藤厩舎[東] 団野騎手

[1週前] 助手 [1月6日(月)追い]
【美浦南W】 良 70秒9-55秒3-40秒7-12秒9 馬なり
[今週] 助手 [1月9日(木)追い]
【美浦南W】 良 66秒6-52秒4-38秒1-12秒5 馬なり

僚馬を大きく追走して5Fからペースアップ。直線は内に潜ると手応え優勢のままフィニッシュ。5F66秒6ー3F38秒1ー1F12秒5。相手に合わせたぶん、1Fは平凡だったが、追えば突き放す勢いだった。年末年始も緩めず乗り込まれ、元気の良さが目立つ。