【中山金杯】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【中山金杯】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


■1枠1番 ラーグルフ【評価B】
 宗像厩舎[東] 菅原明騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 67秒8-52秒9-38秒5-12秒4 馬なり
[今週] 助手 [1月3日(金)追い]
【美浦南W】 良 70秒3-53秒8-38秒6-12秒3 馬なり

爪の不安もあって、ビシッと追えない現状。12月31日は単走で馬の気に任せたが、上へ上へ走るようなフォーム。手前の変え方もぎこちなく、迫力を欠く伸び脚。5F69秒5ー3F38秒8ー1F12秒2。1月3日は同じく単走で5F70秒3ー3F38秒6ー1F12秒3。平凡な動きと取るか、叩きつつ落ち着きが出てきたと取るか。

■1枠2番 アルナシーム【評価B】
 橋口厩舎[西] 藤岡佑騎手

[1週前] 藤岡佑騎手
【栗東CW】 良 82秒9-67秒9-53秒8-38秒6-11秒7 末一杯
[今週] 藤岡佑騎手
【栗東CW】 良 84秒5-68秒7-53秒6-38秒5-11秒7 G前仕掛け

昨夏、小倉での中京記念で重賞初制覇。続く、強敵相手の富士Sでも6着とまずまずだったが、マイルCSは後方からの競馬になったこともあり11着と、GI舞台ではもうひと息の印象。今回は流れもゆったりする2000mで巻き返しを狙うがベストは1800mで、どこまでやれるかだろう。

■2枠3番 パラレルヴィジョン【評価A】
 国枝厩舎[東] T・マーカンド騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 80秒2-64秒8-50秒9-37秒0-11秒9 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 66秒7-50秒7-36秒2-12秒0 馬なり

1週前はホープフルSに出走したアマキヒとの併せ馬。6Fから軽快に飛ばすと直線も追われる相手を馬なりのまま圧倒する切れのある伸び脚。6F80秒2ー3F37秒0ー1F11秒9。今週は3頭併せ。ゆったりとしたペースだったが折り合いはスムーズ。コーナーをうまくさばいて直線は内に潜ったが、重心を低く構えてグイグイと加速。外2頭に脚勢の違いを見せつけるように、最後は先着でフィニッシュ。5F66秒7ー3F36秒2ー1F12秒0。手脚が良く伸びて、好調時の動きを取り戻しつつある。

■2枠4番 ジェイパームス【評価B】
 堀厩舎[東] 佐々木騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 81秒9-66秒0-51秒4-36秒7-11秒5 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 66秒2-51秒3-36秒5-11秒6 馬なり

12月25日は同じく中山金杯に登録のあるディオスバリエンテとの併せ馬。一杯に追われる相手に対して馬なりのままグイグイと加速して1馬身の先着。6F81秒9ー3F36秒7ー1F11秒5。今週は3頭併せの外。ビシビシと気合を入れられる中の馬とは対象的に、終始馬なりで応戦。最後まで追うことのないリズム重視の走りで僅かに遅れはしたが、フットワークの切れ、勢いは保てていた。5F66秒2ー3F36秒5ー1F11秒6。引き続き体調はいい。

■3枠5番 ショウナンアデイブ【評価A】
 高野厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 57秒1-40秒9-25秒9-12秒4 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【栗東坂路】 良 54秒7-39秒3-25秒3-12秒4 馬なり

坂路で単走。弾むような脚さばき。残り200付近から自然とスピードが上がっていく。前脚が自然と遠くをつかんでいる点もいい。

■3枠6番 カラテ【評価C】
 音無厩舎[西] 杉原騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 57秒0-41秒1-26秒2-12秒5 馬なり
[今週] 松若騎手
【栗東坂路】 良 51秒7-37秒5-24秒6-12秒3 馬なり

坂路で単走。時計的には全く無理せず調整程度。それでも四肢のさばきには弾力があり、非常に活気がある。

■4枠7番 マイネルモーント【評価B】
 高木厩舎[東] 丹内騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 68秒4-52秒8-38秒0-12秒1 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 66秒8-52秒2-37秒7-11秒8 馬なり

1週前はウッドで2頭併せ。2馬身追走から楽に並んで5F68秒4ー3F38秒0ー1F12秒1。今週も2頭併せ。コーナーで早々と前を捕らえると、直線は追われる相手を馬なりで応戦。最後まで手応え、脚勢で上回る勢いのままはじけてフィニッシュ。5F66秒8ー3F37秒7ー1F11秒8。気合い乗りが良くなり、叩いた上積みは大きい。

■4枠8番 エアファンディタ【評価C】
 池添厩舎[西] 戸崎騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 96秒4-80秒3-65秒7-51秒8-37秒5-11秒9 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【栗東坂路】 良 55秒6-40秒7-26秒4-12秒9 馬なり

坂路で単走。あまり無理していない感じだが、それでも前脚のかき込みには力強さがある。ラストはグッと力が入った。
後は前走同様展開がハマるか否か。

■5枠9番 ギャラクシーナイト【評価B】
 菊沢厩舎[東] 菊沢騎手

[1週前] 菊沢騎手 [12月26日(木)追い]
【美浦南W】 良 84秒7-68秒8-53秒7-38秒8-11秒7 馬なり
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 85秒7-68秒7-53秒3-38秒2-11秒6 馬なり

1週前となる12月26日には菊沢を背に3頭併せ。2頭の間から楽な手応えのまま鋭伸。6F84秒7ー3F38秒8ー1F11秒7。31日は2頭併せ。先行して僚馬を誘導すると、直線は外から相手に合わせる余裕の走り。相手が来れば来るだけ伸びるような脚勢で、ゴール前も勢い十分の伸び脚。5F68秒7ー3F38秒2ー1F11秒6。肌ツヤの良さも目立ち、前走から巻き返せる出来。

■5枠10番 セイウンプラチナ【評価C】
 千葉厩舎[東] 内田騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 68秒3-52秒6-37秒9-12秒2 馬なり
[今週] 調教師 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 69秒2-53秒3-38秒1-11秒5 直強め

中間の併せ馬では遅れが続き、1週前は3頭併せの外で2頭に遅れてしまった。今週は2頭併せだったが、内の馬にあっさりと追い抜かれる不甲斐ない内容。5F69秒2ー3F38秒1ー1F11秒5。数字も物足りなく、態勢に不安を残す。

■6枠11番 カレンシュトラウス【評価C】
 平田厩舎[西] 荻野極騎手

[1週前] 小沢騎手
【栗東CW】 良 98秒8-82秒0-67秒3-52秒6-37秒4-11秒7 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 52秒5-38秒3-24秒9-12秒5 強め

CWコースで単走。四肢はしっかりと伸び、後肢の蹴りはダイナミック。ただ、意外に時計が出なかった。

■6枠12番 ディオスバリエンテ【評価B】
 堀厩舎[東] 大野騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 81秒8-65秒8-51秒2-36秒6-11秒5 強め
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 65秒4-50秒7-36秒2-11秒4 馬なり

1週前は同じく中山金杯に出走予定のジェイパームスとの併せ馬。追走して直線はビシッと追って馬なりの相手に遅れはしたが、6F81秒8ー3F36秒6ー1F11秒5のこの数字なら仕方なし。今週は3頭併せの内へ。ビシビシと気合を入れられる中の馬に馬なりで応戦すると、最後まで手応え十分に真っ直ぐ伸びきった。5F65秒4ー3F36秒2ー1F11秒4。中の馬に僅かに遅れはしたが、外のジェイパームスには先着。前走後も入念に調整されており、疲れや硬さは一切なし。好調をがっちりとキープ。

■7枠13番 アドマイヤビルゴ【評価C】
 友道厩舎[西] 北村宏騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 82秒9-67秒5-52秒7-37秒8-11秒5 一杯
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【栗東P】 良 71秒6-54秒2-39秒0-11秒8 馬なり

ポリトラックコースで単走。活気があって、さばきも柔らかいのだが、手前を替えなかった点が惜しい。

■7枠14番 リカンカブール【評価S】
 田中克厩舎[西] 津村騎手

[1週前] 吉田隼騎手
【栗東CW】 良 81秒9-67秒1-52秒6-37秒6-11秒5 馬なり
[今週] 浜中騎手
【栗東坂路】 良 51秒5-38秒0-24秒8-12秒2 一杯

坂路で併せ馬。姿勢は低く、前を見て集中。完歩も大きくダイナミック。パートナーもしっかり伸びており、いい併せ馬となった。
前走のように先行して粘り込む形も可能なら昨年の中山金杯を制した時のように好位から抜け出す競馬もOK。しかも、遡ってみると3勝クラスを勝ち上がった時には後方から直線一気で突き抜けたことまであるという。そして同馬は誤解されてしまった。何でもできる自在脚質だと…。最初にハッキリ言っておこう。基本的に何でもできる馬などというのは存在しない。あれは、あくまで位置を問わず自身の長所を最大限に生かした結果でしかない。それこそ、古くはマヤノトップガン、最近だとイクイノックスだってそうだったではないか。どうやっても瞬殺などという芸当はできやしない。だが、それでも己れの持ち味を幅広く生かすことで最強の名を欲しいままに活躍してみせたではないか。スケールこそ違えど同馬もそれと同じである。決して切れはしないのだ。持ち味は、あくまでバテないこと。そう、重心の低いパワフルなフットワークから繰り出させる持久性に優れた末脚こそが同馬の武器なのである。だからこそ溜めた2走前が不発に終ったのは必然でしかない。直前で自己ベストをマークしたように最近でも1、2を争う好状態。これで長く脚を使う形なら意外と連覇は現実的。侮るなかれ。

■7枠15番 クリスマスパレード【評価A】
 加藤士厩舎[東] 石川騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 66秒4-51秒2-37秒5-11秒8 強め
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 67秒2-52秒3-37秒5-11秒6 馬なり

12月25日はウッドで併せ馬。5Fで6馬身追いかけるハードな内容となったが、直線は一杯に追われる相手を手応え優勢のまま抜き去って半馬身の先着。今週は単走となったが、スピード感にあふれ、直線も持ったまま鋭く伸びて1F11秒6。体を無駄なく使ったしなやかなフォームに、馬体も緩さのない仕上がり。秋華賞からさらに調子を上げた。
さて、確かに2走前の走破時計は立派。
しかし、当時の中山の芝が超高速のコンディションだったこと、この時にコンマ2秒差だった4着馬が次戦の1勝クラスでサッパリだったことを踏まえると果たして走破時計のイメージほど、あの一戦がハイレベルだったかどうか…。ちなみに、これは前走も同様。当時差のなかった連中が未だに唯の一頭も条件戦を勝ち上がれていないのである。これが偶然なのか、はたまた必然なのか。何はともあれ、このタイミングで同馬に全幅の信頼を置くには、いささか早計としか言いようがあるまい。仕上がってはいるものの牝馬特有の気性の激しさも相変わらずなだけに軸まではどうか。

■8枠16番 ボーンディスウェイ【評価A】
 牧厩舎[東] 木幡巧騎手

[1週前] 木幡巧騎手
【美浦南W】 良 82秒1-66秒6-51秒6-37秒4-11秒6 強め
[今週] 木幡巧騎手
【美浦南W】 良 82秒9-67秒5-52秒5-37秒6-11秒6 馬なり

12月14日に坂路で4F54秒1ー3F39秒0ー1F11秒9。そこから坂路とコースを併用して乗り込まれ、質、量ともに申し分のない乗り込みを消化。1週前は木幡巧を背に単走追い。馬場の大外を回したにもかかわらず、直線は勢いのある伸び脚を披露。6F82秒1ー3F37秒4ー1F11秒6。今週も木幡巧騎乗で単走。坂路で4F59秒9ー1F13秒9を乗ってからウッドコースへ。6Fからペースを上げて、直線も馬場の外から矢のような伸び脚。6F82秒9ー3F37秒6ー1F11秒6。持ったままうなっていたように、走るエネルギーが充満している。体を大きく見せて、肌ツヤの良さも目立つ状態。前走からさらに上昇。

■8枠17番 シンリョクカ【評価S】
 竹内厩舎[東] 木幡初騎手

[1週前] 調教師
【美浦南W】 良 68秒0-53秒0-38秒5-12秒2 馬なり
[今週] 木幡初騎手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 66秒6-51秒6-37秒1-11秒5 馬なり

1週前は調教師騎乗で3頭併せ。先行して馬場の大外に持ち出すと、内2頭を子供扱い。最後まで相手を見ながら余裕たっぷりの走りだったが、それでも楽々と1馬身の先着。5F68秒0ー3F38秒5ー1F12秒2。今週は主戦・木幡初を背に3頭併せ。早めに手が動いた外2頭とは手応え、脚勢が明らかに違っており、ゴール前で反応を確かめると瞬時に突き放して中に1馬身半、外に2馬身半の先着。5F66秒6ー3F37秒1ー1F11秒5。やる気になればいくらでも動きそうなほどフットワークは切れており、さらなるパワーアップをうかがわせる出来。

■8枠18番 ホウオウビスケッツ【評価B】
 奥村武厩舎[東] H・ドイル騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 84秒0-68秒0-53秒1-38秒5-11秒6 G前仕掛け
[今週] 助手 [12月31日(火)追い]
【美浦南W】 良 67秒3-52秒5-38秒2-12秒0 馬なり

天皇賞(秋)好走の反動もなく、すぐに坂路で乗り込みを開始。11月15日には坂路で3F47秒0。19日には坂路で3F45秒4。立ち上げが順調に行くと、11月20日にはコースで前走後の初時計。そこからメリハリを利かせて乗り込まれてきた。1週前は3頭併せで楽に先着。6F84秒0ー3F38秒5ー1F11秒6。今週は2頭併せ。大きく前を走る僚馬の内に潜ると、小気味のいいフットワークでいつでも突き放せる手応え。最後は追って食らいつく相手を待つ余裕がありながらも6F67秒3ー3F38秒2ー1F12秒0で楽々と先着。筋肉量豊富な体付きで、体調は安定している。
ただし、コンビを組むのがいつもの癖を知り尽くした岩田康騎手ではなく、テン乗りのHドイル騎手。
果たして人馬共に落ち着いて競馬に参加できるかどうか。
挙句に斤量も59.5キロの酷量とくれば強くは推せぬ。能力確かも過信は禁物で押えまでか。