【天皇賞・秋】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評
■1枠1番 ベラジオオペラ【評価B】
上村厩舎[西] 横山和騎手
[1週前] 調教師 [10月17日(木)追い]
【栗東CW】 良 96秒7-79秒7-65秒1-50秒2-35秒6-11秒1 一杯
[今週] 調教師
【栗東CW】 良 85秒0-69秒3-53秒5-37秒2-11秒3 馬なり
CWコースで併せ馬。直線を向いて手前を替えると、鞍上は抑えているのに馬が自分から並びかけていった。完歩が大きく、首の使い方もうまい。最後は並ばれたが気にしなくていい。
ただ、大阪杯の頃までの覇気のようなものが感じられない。ポテンシャルだけでどこまで食い込めるか?
■2枠2番 マテンロウスカイ【評価B】
松永幹厩舎[西] 横山典騎手
[1週前] 助手 [10月17日(木)追い]
【栗東坂路】 良 55秒2-39秒4-25秒3-12秒6 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 51秒8-37秒4-24秒3-12秒4 末強め
坂路で併せ馬。完歩が大きく、前脚は遠くをつかみ、動きに問題はない。手応えでは見劣り、最後は遅れたが、そこまで気にしなくていい。
■2枠3番 ステラヴェローチェ【評価B】
須貝厩舎[西] 佐々木騎手
[1週前] 佐々木騎手 [10月17日(木)追い]
【栗東CW】 良 80秒0-64秒8-50秒2-35秒6-11秒1 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 52秒2-37秒2-24秒2-12秒2 馬なり
坂路で単走。きびきびと軽快なピッチを刻む。走りのバランスも良く、ブレがない。最後まで集中したままフィニッシュまで行けた。
■3枠4番 タスティエーラ【評価A】
堀厩舎[東] 松山騎手
[1週前] 助手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 64秒7-49秒4-35秒0-11秒0 G前仕掛け
[今週] 助手
【美浦南W】 良 82秒8-66秒3-51秒3-36秒8-11秒4 馬なり
1週前はダノンベルーガ相手に手応え、脚勢ともに上回る優勢な伸び脚。5F64秒7ー3F35秒0ー1F11秒0。今週もダノンベルーガとの併せ馬。引っ張り切れないほどの手応えで道中を進むと、直線は相手の内へ。回転ピッチが上がりながらも重心のブレは一切なし。手脚が良く伸びたフォームでしっかりと伸びきった。6F82秒8ー3F36秒8ー1F11秒4。汗をたっぷりとかいて代謝もアップ。
今振り返ってみても、2走前は中間から異常だったと言わざるを得ない。というのも、この馬に対して直近2本の追い日を単走で済ませていたのである。確かに気難しいところが多分にある性格。それを考慮したと判断できなくもない。しかし、同馬は堀厩舎ならではの密度の濃い併せ馬を立て続けに3本も消化することで覚醒し日本ダービーを制覇した馬。その後だって、このハードメニューを常として菊花賞に有馬記念と堂々たるレース振りを見せてきたではないか。そう、同馬にとってスパルタに攻めることが確立されたメニュー。それを急に、なぜ年明けから単走で馬の気分任せなどというソフトなものに変える必要があったのか…。おそらく、気性云々が理由ではあるまい。身体のどこかに攻めるに攻められない理由があったとみるがどうか。実際、それが何かは発表されてないだけに解らない。だが、あれだけ前脚が出ず後脚も蹴れないでは動けないのも必然だったと言えよう。その春先に比べれば、今回は段違いに良い。本来のスパルタな攻めを積み身体の可動域も本来のものに。遅れでフィニッシュと我慢もできていたように精神面もOK。
■3枠5番 ノースブリッジ【評価C】
奥村武厩舎[東] 岩田康騎手
[1週前] 岩田康騎手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 81秒6-64秒9-50秒5-36秒6-11秒2 G前仕掛け
[今週] 岩田康騎手
【美浦芝】 良 54秒9-39秒6-11秒9 馬なり
1週前にウッドで追って、直前は芝コースで感触を確かめた。岩田康を背に4Fからペースを上げたが、意識的に控えたとはいえスピード感はひと息。直線も上へ上へ走るフォームで推進力はひと息。大一番に向けて攻め込めなかった。
■4枠6番 ソールオリエンス【評価B】
手塚厩舎[東] 横山武騎手
[1週前] 横山武騎手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 84秒0-67秒0-52秒0-36秒9-10秒9 強め
[今週] 嶋田騎手
【美浦南W】 良 81秒9-66秒7-51秒8-37秒1-11秒3 馬なり
1週前は横山武を背に併せ馬。促す程度で相手を突き放して1F10秒9の好時計。4馬身の先着を果たした。今週は嶋田を背に併せ馬。馬場の大外で馬体を並べたが、勢いそのままに力強く伸びきった。6F81秒9ー3F37秒1ー1F11秒3。体の緩さもなく、きっちりと態勢を整えた。
■4枠7番 ドウデュース【評価S】
友道厩舎[西] 武豊騎手
[1週前] 武豊騎手 [10月17日(木)追い]
【栗東CW】 良 95秒3-79秒9-65秒5-51秒1-36秒3-11秒0 一杯
[今週] 助手
【栗東P】 良 81秒1-65秒0-50秒5-37秒3-11秒2 馬なり
ポリトラックコースで併せ馬。後方からじっくりと追いかける形。直線を向き、並びかける時は闘志をむき出しにしており、好感が持てる。前脚も高く上がっていた。
少なくとも前走で無理をしなかったことで今回の立ち上げがスムーズだったことは確か。何せ、これだけシッカリと重心が沈んで最後の最後まで勢いが保てたままフィニッシュする姿など、あのダービー以来で、硬さもとれていい頃のフットワークに戻った感じ。
■5枠8番 キングズパレス【評価B】
戸田厩舎[東] A・シュタルケ騎手
[1週前] 松岡騎手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 81秒9-65秒8-51秒2-36秒8-11秒4 直一杯
[今週] A・シュタルケ騎手
【美浦南W】 良 83秒0-66秒2-51秒3-37秒2-11秒3 強め
シュタルケが騎乗。僚馬を5馬身追いかけてスタート。6Fからゆったりと入り、5Fからペースアップ。直線で内に潜ると追われる相手を馬なりのまま応戦。最後はグイッと伸びて1馬身の先着を果たした。5F66秒2ー3F37秒2ー1F11秒3。パンパンに膨らんだ馬体からも、体調自体はかなりいい。
■5枠9番 ホウオウビスケッツ【評価B】
奥村武厩舎[東] 岩田望騎手
[1週前] 岩田望騎手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 89秒1-72秒7-57秒4-41秒8-12秒3 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 82秒8-66秒1-51秒5-36秒8-11秒4 馬なり
激戦の反動もなく、すぐに乗り込みを開始。10月17日には早くも時計をマークしている。その後もコース、坂路を併用して乗り込まれ、今週は大きく追走しながらも直線はあっさりと抜き去る切れ味。馬体もたくましくなって、上積みを感じさせる出来。
■6枠10番 ダノンベルーガ【評価B】
堀厩舎[東] C・デムーロ騎手
[1週前] 助手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 65秒1-49秒7-35秒1-11秒1 一杯
[今週] 助手
【美浦南W】 良 83秒5-66秒9-51秒9-37秒0-11秒5 馬なり
1週前はタスティエーラに劣勢も5F65秒1ー3F35秒1ー1F11秒1。これだけ動けば十分な内容。今週もタスティエーラとの併せ馬。相手を待って構えた分、若干手応えは劣勢だったが、フットワークはこの馬本来の力強さがあった。5F66秒9ー3F37秒0ー1F11秒5。去年は札幌記念を使ったあとにガタっと来たから、その反省を踏まえて今回はドバイから直行で来た。これ自体は英断だろう。ただ、ブリンカーを着けて気合いを入れたりしながらの調整で良い頃の動きと比べると85%くらいか。ただ去年の天皇賞もあれだけ悪く見えて4着だったし、C.デムーロは魅力。絶好調ではないけど、今回は地力に期待。
■6枠11番 ジャスティンパレス【評価C】
杉山晴厩舎[西] 坂井騎手
[1週前] 坂井騎手 [10月17日(木)追い]
【栗東坂路】 良 53秒7-38秒7-24秒6-12秒0 末一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 52秒8-37秒8-24秒7-12秒3 馬なり
坂路で単走。脚さばきが大きく、覇気も感じるが、終始、右を向いた走りになっている点は気になる。
坂路ばかりでの調整はどうにも解せない。おそらくどこかに不安があることでこの調整になっているということ。
あまり強くお勧めできる状態ではない。
■7枠12番 リバティアイランド【評価S】
中内田厩舎[西] 川田騎手
[1週前] 川田騎手 [10月17日(木)追い]
【栗東CW】 良 80秒2-64秒8-50秒2-35秒6-10秒8 馬なり
[今週] 助手
【栗東CW】 良 85秒5-69秒4-53秒7-37秒9-11秒3 馬なり
CWコースで単走。姿勢が低く、覇気も十分。直線を向き、手前を替えるタイミングもばっちり。軽やかな脚さばきのまま、ラストでグッとスピードを上げてきた。隙のない仕上がりといえる。ただし、これは追い切りの話。ここまではパーフェクトではあるが、テンションについてはやはり牝馬である。ここからレースまでの調整が重要であり、レース当日落ち着いていれば逆らう必要はないが、その点のチェックは必要であるということは付け加えておきたい。
■7枠13番 シルトホルン【評価B】
新開厩舎[東] 大野騎手
[1週前] 石田騎手 [10月20日(日)追い]
【美浦南W】 良 84秒2-67秒9-52秒4-36秒9-11秒8 馬なり
[今週] 大野騎手
【美浦南W】 良 82秒2-65秒9-50秒8-36秒9-11秒4 馬なり
大野が騎乗。前を走る僚馬2頭を目標に進み、直線は外から抜き去る鋭い切れ。軽いフットワークはスピード感にあふれ、全く無理せず5F65秒9ー3F36秒9ー1F11秒4の好時計をマーク。ケイコの動きは前走以上。
■8枠14番 レーベンスティール【評価S】
田中博厩舎[東] C・ルメール騎手
[1週前] C・ルメール騎手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 80秒2-65秒3-50秒9-36秒4-11秒2 馬なり
[今週] C・ルメール騎手
【美浦南W】 良 77秒5-62秒8-48秒7-35秒4-11秒4 馬なり
1週前はルメールを背に併せ馬。一杯に追われる相手を持ったまま圧倒。最後まで追うこととなく6F80秒2ー3F36秒4ー1F11秒2。日曜にも6F81秒4ー1F11秒3の好時計をマーク。迎えた今週はルメールを背に併せ馬。4馬身追走から内に潜り、直線はうなるような勢いで一気にはじけた。6F77秒5ー3F35秒4ー1F11秒4。筋肉量豊富な馬体に、肌もしっとりと見せる状態。動き、気配ともに文句なし。
同馬の凄さを説明するのに、もっとも適しているのは今回の最終追い切りかもしれない。
まず何をしたかというとDWコースで長目から追走して楽々と先着する併せ馬。そして、この叩き出した時計が凄かったのである。5F62秒8~3F35秒4、いくら内目を回ってのものとはいえ、これは速い。それはそうだろう。あくまでウッドコース、タフなコンデイションでしかないのだ。それをこんな実戦の芝並みの時計で駆けられてしまっては…。この調教後にオーバーワークを不安視する声が方々から聞こえてきたのも解らなくはない。とはいえ、それはそれで見当違いでしかないのが同馬の恐ろしいところ。何せ、これだけの速度が出ていようが同馬は掛かりそうになるのを抑えられた状態。そう、あくまで余力を残してのパフォーマンスでしかなかったのだから…。実際、その後にゴールを過ぎてから仕掛けられてシッカリと末を伸ばせていたのだから本物。要は、DWコースで快時計が楽に出せてしまうくらいの脚力の持ち主ということ。さすがは素質馬揃いの田中博厩舎の中でも、一際輝く存在と言われてきただけのことはあるということか。いよいよ、ヴェールを脱ぐ時か?
■8枠15番 ニシノレヴナント【評価C】
上原博厩舎[東] 田辺騎手
[1週前] 助手 [10月17日(木)追い]
【美浦南W】 良 67秒3-51秒9-37秒6-11秒7 馬なり
[今週] 田辺騎手
【美浦南W】 良 82秒8-66秒5-51秒6-37秒2-11秒4 馬なり
田辺騎乗で併せ馬。首の使い方が硬く、動きの切れ、迫力を欠くフォーム。6F82秒8ー3F37秒2ー1F11秒4。数字は悪くないが、先行馬に並ぶまでも時間がかかったように、もうワンパンチ足りない内容。