【中京記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【中京記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


■1枠1番 テーオーシリウス【評価S】
 奥村豊厩舎[西] 西塚騎手

[1週前] 西塚騎手 [7月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 81秒7-66秒3-51秒6-37秒1-11秒9 末強め
[今週] 西塚騎手
【栗東CW】 稍 54秒1-38秒4-12秒0 馬なり

CWコースで単走。そこまで派手な脚さばきではないが、残り1F付近からぐんぐんと加速。完歩が大きいと思われ、状態もいいのだろう。残り100mは首が下がって、実にスピード感十分。気持ち良くゴールを駆け抜けた。ゴール後も勢いは十分。猛暑の栗東だが、体調の良さには太鼓判を押せる。

■2枠2番 アルナシーム【評価B】
 橋口厩舎[西] 横山典騎手

[1週前] 横山典騎手 [7月11日(木)追い]
【栗東CW】 良 65秒5-51秒0-36秒9-11秒4 一杯
[今週] 横山典騎手 [7月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 80秒0-64秒9-51秒3-37秒9-12秒6 馬なり

木曜のCウッドで長めからサッと。横山典が付きっ切りでコンタクトを取っており、馬体の張り、テンションともいい雰囲気。440キロ台の馬と思えないくらい体を大きく見せるし、引き続き状態は安定。時計以上の迫力があった。

3枠3番 セルバーグ【評価C】
 鈴木孝厩舎[西] 和田竜騎手

[1週前] 和田竜騎手
【栗東CW】 良 81秒4-65秒4-50秒8-36秒0-11秒3 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 53秒8-38秒6-24秒9-12秒1 馬なり

坂路で単走。やや内股気味だが、それでもしっかりとラップを刻む。やや首が高く、集中しきれていない点がマイナス。

3枠4番 ワールドリバイバル【評価C】
 牧田厩舎[西] 小牧太騎手

[1週前] 助手 [7月11日(木)追い]
【栗東坂路】 良 57秒8-41秒6-27秒1-13秒1 馬なり
[今週] 小牧太騎手
【栗東坂路】 稍 53秒6-38秒4-24秒6-12秒1 強め

坂路で単走。馬がいる方向に視線が向いてしまっている点はマイナス。脚さばき自体は完歩も大きく、悪くなかった。

4枠5番 カテドラル【評価C】
 池添厩舎[西] 幸騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 55秒4-40秒4-26秒0-12秒7 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 54秒4-39秒8-25秒6-12秒1 馬なり

坂路で単走。四肢の動かし方が小さいのだが、それでもタイム的には十分に及第点。年齢的なものもあるし、状態は変わらない。欲を言えばもう少し全身を使ってほしい。

4枠6番 エピファニー【評価A】
 宮田厩舎[東] 杉原騎手

[1週前] 杉原騎手
【美浦南W】 良 36秒1-11秒2 馬なり
[今週] 杉原騎手
【栗東CW】 稍 53秒2-36秒3-10秒9 馬なり

馬体からして良く見せるが、いざ走り出してからの迫力も十分。Cウッドでラスト1ハロン10秒台と、目の覚めるような末脚を繰り出した。この雰囲気なら栗東入りは大正解だろう。ただし、誤算は2月時と違って気負いが強過ぎた点。結果、今回の調教は全て4Fからとセーブ気味に…。その分か、2月小倉大賞典を10とすると今回は8.5程度なのでこの評価までとした。

5枠7番 エルトンバローズ【評価A】
 杉山晴厩舎[西] 西村淳騎手

[1週前] 西村淳騎手
【栗東CW】 良 97秒6-80秒6-65秒2-50秒7-36秒5-11秒3 強め
[今週] 西村淳騎手
【栗東坂路】 稍 55秒3-39秒9-25秒2-11秒8 馬なり

前走の状況を思えば、コンマ6秒差での8着入線は素直に評価すべきであろう。海外へ遠征し、強行日程でそのまま東京競馬場へ直行しての一戦が前走なのである。どう考えても状態的に万全だったとは言い難かった。
そして今回の追い切り。
坂路で単走。馬場のいいところを通っているとはいえ、ラスト11秒8は優秀。最後は四肢を懸命に動かし、気持ちのこもった走りだった。
絶好調とは言わないものの、中6週と幾らかレース間をあけられたこと、更には慣れた環境でリラックスさせて調整できたことで、随分とメリハリを効かせて走れるようになってきた。これならば、少なくとも前走時より全体的に動けることは間違いあるまい。本来は小回り向きの機動性に秀でたタイプでもある。注意して損はなし。

5枠8番 タガノパッション【評価C】
 武幸厩舎[西] M・デムーロ騎手

[1週前] 助手 [7月11日(木)追い]
【栗東坂路】 良 52秒3-37秒9-25秒4-13秒0 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 52秒8-38秒3-25秒6-13秒2 馬なり

坂路で単走。闘志は満々で走りにも迫力はあるが、舌が出ている点は気になる。最後はややセーブ気味。タイムも落ちた。
馬場が合ってなかったのだとは思うが、前回は具合が良くてあの結果。
いつもと変わらない調整パターンで上積みはないが、軽ハンデでどこまで食い込めるか。

6枠9番 ボーデン【評価A】
 上原佑厩舎[東] 団野騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 82秒2-66秒1-51秒2-36秒9-11秒4 直一杯
[今週] 団野騎手 [7月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 56秒1-40秒0-12秒3 馬なり

6歳5月の前走にて、ようやくの条件戦卒業。早い時期から高いポテンシャルを示していた馬であることを思うと、あまりにも時間がかかったというのが正直な感想であろう。もちろん、その理由も既に明確。気難しいが故に実戦でコンスタントに力を発揮できない。最早これ以外の何ものでもあるまい。とはいえ、前走で遂に今までとは一線を画す姿を見せたことも確かか。相変わらずノロノロとゲートは出たし、あのハイペースの中でも掛かり気味と相変わらずの危うさも残ってはいた。だが、流れが向いたとはいえ、狭い進路に躊躇することなく一気に弾けて勝ち切ってみせたではないか。どう乗っても間に合わなかった馬が遂に間に合うようになったのである。あれこそが去勢、そして転厩によって調整内容がガラリと変わった成果と言えるのでは。
しかも、その走破時計も見逃せない。芝のマイルを1分31秒台、幾ら高速馬場で流れが向いたとはいえ、この時計で走れるのであれば衰えなどありえない。何てことはない。同馬は未だ、かつて重賞級と噂されたポテンシャルを内在し続けていたのだ。
そして今回の追い切り。
木曜のCウッドで半マイル追い。馬体をスカッと見せているので仕上がり自体は悪くなさそうだし、落ち着いているのも何より。迫力満点という感じではないが、雰囲気は悪くない。
滞在効果で心身のバランスも上々。再度、流れが向けば連勝も夢ではない。

6枠10番 ソレイユヴィータ【評価C】
 杉山晴厩舎[西] 吉村騎手

[1週前] 助手 [7月14日(日)追い]
【栗東坂路】 稍 59秒1-42秒7-28秒1-14秒0 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 55秒3-39秒9-26秒4-13秒4 馬なり

ハンデは魅力だが、やはり重賞メンバーに入ると格下感が拭えない。内容自体も坂路でサラリとやっただけ。あくまで平行線といったイメージだ。

7枠11番 アナゴサン【評価B】
 牧田厩舎[西] 松若騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 83秒3-67秒0-51秒8-36秒5-11秒3 G前仕掛け
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 53秒8-39秒3-25秒1-12秒2 末強め

坂路で単走。見た目に非常に軽快に四肢が動いている。重そうなチップに負けず、完歩の大きい走りを披露した。
この馬自身は典型的な切れないスピードタイプ。よほどのことがない限り勝ち馬から1秒と離されることはないが、いざ馬券圏内までこれるかとなると色々と噛み合ってこないと厳しいタイプ。開催最終週の馬場は合うので、一考の余地あり。

7枠12番 セオ【評価A】
 上村厩舎[西] 岩田康騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 81秒8-66秒2-51秒4-36秒5-11秒5 G前仕掛け
[今週] 調教師
【栗東坂路】 稍 52秒4-37秒7-24秒6-12秒3 馬なり

もともとポテンシャルは高かったが、一番のネックは怖がりだった点。ゲートで頭を上げて出ていたが、そういう面が解消されてきたし、トモに力もついて本格化してきた。
そして今回の追い切り。
坂路で併せ馬。結構なスピードで引っ張る僚馬に食らいつき、最後はわずかにかわした。ラストは12秒3。非常に負荷のかかる併せ馬に見えた。これで闘志が高まったはず。ただ前回も相当内にササっていたし、ラチにぶつかってから手前を替えた感じで、この枠でラチ沿いを走ることが出来るか?出来は良いだけに、最高のカタチに持ち込めるか否か。

8枠13番 ニホンピロキーフ【評価B】
 大橋厩舎[西] 田口騎手

[1週前] 田口騎手
【栗東CW】 良 83秒0-67秒5-52秒9-37秒8-11秒3 強め
[今週] 田口騎手
【栗東CW】 稍 86秒9-70秒6-54秒8-38秒8-11秒4 馬なり

CWコースで単走。上体が立った脚さばき。スピードが上がってフォームは次第に良くなったが、道中もいいフォームで走りたい。ただし体調面は頗る良さそうで気配としては前走以上。

8枠14番 ロングラン【評価B】
 和田勇厩舎[東] 松山騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 67秒1-51秒9-37秒7-11秒6 直強め
[今週] 助手
【小倉芝】 不 72秒9-56秒5-41秒2-13秒4 馬なり

小倉の芝コースを軽めにサッと流した。ややソフトすぎる感じもするが、1週前に美浦でしっかりやってあるので力は出せる仕上がりのはず。というよりも、最終追い切りに跨っていた調教厩務員が下手というのが本当のところだろう。事前に聞いていた予定では「67-68」程度の予定が芝で72秒9という誤算。
体調は良いだけに、ここで予定通りの追い切りが出来ていれば、S評価を与えても良かったのだが、この誤算がどう出るかも含めてB評価まで。
当日の馬体の張りや太目残りがないかのチェックはしっかりとしていただきたい。