【函館記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【函館記念】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


■1枠1番 サヴォーナ【評価B】
 中竹厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 稍 53秒1-37秒9-24秒1-11秒8 一杯
[今週] 池添騎手 [7月11日(木)追い]
【函館芝】 良 55秒1-39秒0-11秒9 G前仕掛け

栗東坂路での1週前追い切りが実質的な本追い。直前週は水曜にゲート練習→木曜は函館芝で半マイルからごく軽めの調整を行った。フットワークがスムーズだし、馬体に輸送減りも感じない。時計こそ地味だけど、大きなストライドで迫力満点の動き。天皇賞春以来でも丹念に乗り込まれてるし、今週函館のひと追いでキッチリ仕上がると見て大丈夫。

■1枠2番 オニャンコポン【評価B】
 小島厩舎[東] 菱田騎手

[1週前] 菱田騎手 [6月26日(水)追い]
【函館W】 良 66秒0-51秒6-37秒9-12秒0 馬なり
[今週] 菱田騎手
【函館W】 稍 70秒7-54秒1-39秒2-12秒7 馬なり

ハミを替えて舌を縛ってから、だいぶ操縦性があがってきた。
菱田を背に単走追い。中1週で意識的に控えたとはいえ、身のこなしの硬さが目立ち、スピード感を欠く動き。5F70秒7ー3F39秒2ー1F12秒7と数字も平凡で、大幅な上積みは見込めない。ベストは1800mの気がするから1F延長はプラスとは言えないけど、前走は思い切って後方から溜める競馬で上がり最速で4着。最終週の函館は合いそうだし、展開が向けば。

■2枠3番 エンパイアウエスト【評価A】
 黒岩厩舎[東] 横山武騎手

[1週前] 助手
【函館W】 良 53秒7-39秒4-12秒6 強め
[今週] 横山武騎手
【函館芝】 稍 63秒6-49秒1-36秒7-12秒0 一杯

横山武を背に芝コースで単走。スタートからハイラップを刻み、直線もビシッと気合を入れられるハードな攻め。その意欲に応えるように力強く伸びて5F63秒6ー3F36秒7ー1F12秒0の好時計。目下の勢いを証明するかのような鋭い走りに馬体もパンパンに張った状態。確かに急仕上げ感はあるけど9分までは仕上がっているし出来には太鼓判を押せる。53キロも魅力で、能力的には通用していい。

■2枠4番 グランディア【評価A】
 中内田厩舎[西] 三浦騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 稍 83秒0-67秒2-52秒3-37秒1-11秒2 強め
[今週] 助手 [7月11日(木)追い]
【函館芝】 良 52秒0-37秒3-11秒5 馬なり

栗東で1週前追いを行ったあと、入北→函館芝で最終調整。直前はサラッとだったが、加速がスムーズで併せ馬でも僚馬を圧倒していた。ちなみに1週前のCウッドコースはラスト1ハロン11秒2のキレ。直線で気合いをつけられると即座に反応した。スピード感あふれる動きで、長距離輸送前を考えると上々の動き。前走は東京でバラける展開を考えれば良く走っている。馬込みの中だと気を抜かずに走るから3勝クラスを勝った時のような馬込みでの競馬ができれば。

■3枠5番 サンストックトン【評価B】
 鹿戸厩舎[東] 藤岡佑騎手

[1週前] 助手 [7月7日(日)追い]
【函館W】 重 75秒2-59秒0-43秒5-14秒1 馬なり
[今週] 藤岡佑騎手
【函館W】 稍 68秒0-52秒8-39秒0-12秒7 馬なり

藤岡佑が騎乗して併せ馬。僚馬を誘導して直線は馬場の大外へ。内から相手が馬体を合わせても、フォームの乱れや集中力を欠くことは一切なく、最後まで一直線の伸び脚。5F68秒0ー3F39秒0ー1F12秒7。滞在の効果で張り、ツヤも良くなった。出来は前走以上。

■3枠6番 リカンカブール【評価C】
 田中克厩舎[西] 津村騎手

[1週前] 高倉騎手
【栗東坂路】 稍 52秒8-38秒4-24秒7-12秒0 一杯
[今週] 助手
【函館W】 稍 71秒4-55秒3-40秒6-13秒4 一杯

函館Wコースで単走。やや首が高く、スピード感もあまりなかった。追われてようやく伸びた感じ。もう少し迫力が欲しい。

■4枠7番 エミュー【評価C】
 和田正厩舎[東] 鮫島駿騎手

[1週前] 藤岡佑騎手 [6月26日(水)追い]
【函館W】 良 71秒6-55秒9-40秒8-13秒0 馬なり
[今週] 助手
【函館W】 稍 56秒1-40秒7-13秒3 馬なり

中1週で軽め。シャープな馬体を考慮して無理せず4Fからの追い切りとなったが、数字が示すようにスピード感はひと息。脚さばきにも滑らかさがなく、前走からの変わり身は見込めない。

■4枠8番 プラチナトレジャー【評価B】
 国枝厩舎[東] 永野騎手

[1週前] 永野騎手
【函館W】 良 69秒5-54秒2-39秒2-12秒5 馬なり
[今週] 助手
【函館W】 稍 68秒2-52秒9-38秒3-12秒9 強め

早めに函館入りしてじっくりと調整を続けてきた。併せ馬で順調に時計を重ね、1週前は楽に同入。今週は相手が来ればきっちりと反応して、最後まで粘り強く伸びて5F68秒2ー3F38秒3ー1F12秒9。体も引き締まっており、体調自体はかなりいい。前回は脚が溜まらなくて、だらだら走っちゃった感じ。距離は延びていいと思うし小回りの函館っていう条件も悪くない。ただ、やはりちょっとメンバーが強い。この相手でどこまで。

■5枠9番 アウスヴァール【評価B】
 昆厩舎[西] 古川吉騎手

[1週前] 古川吉騎手
【函館W】 良 66秒4-51秒7-37秒5-12秒6 馬なり
[今週] 古川吉騎手
【函館W】 稍 68秒3-51秒9-36秒9-12秒2 馬なり

函館Wコースで単走。直線を向いて、すぐに気持ちにスイッチが入った様子で、アクションが瞬時に大きくなった。この反応の良さは評価したい。

■5枠10番 トップナイフ【評価C】
 昆厩舎[西] 横山和騎手

[1週前] 横山和騎手 [7月4日(木)追い]
【札幌ダ】 良 82秒8-66秒6-52秒0-38秒4-12秒4 馬なり
[今週] 横山典騎手
【札幌芝】 良 69秒5-54秒1-39秒0-12秒3 馬なり

札幌芝コースで単走。気持ちよさそうに脚を伸ばした。アクションはスムーズで見栄えもいい。ただ、このくらい走るのは当然ともいえる。
札幌入厩での追い切りは、ここではなく次を見据えてのことか。

■6枠11番 アケルナルスター【評価B】
 清水英厩舎[東] 黛騎手

[1週前] 丹内騎手 [6月26日(水)追い]
【函館W】 良 69秒8-54秒1-39秒9-13秒1 馬なり
[今週] 黛騎手
【函館W】 稍 69秒1-54秒2-39秒2-12秒4 G前仕掛け

黛を背に併せ馬。勢い良く並んできた相手の追撃を待っていたため手応えは見劣ったが、最後は盛り返す脚力を披露。5F69秒1ー3F39秒2ー1F12秒4。滞在+ひと叩きの効果で肌ツヤが良化。動きも活気にあふれている。

■6枠12番 ホウオウビスケッツ【評価A】
 奥村武厩舎[東] 岩田康騎手

[1週前] 岩田康騎手 [6月26日(水)追い]
【函館W】 良 67秒7-52秒6-39秒2-12秒2 直強め
[今週] 岩田康騎手
【函館W】 稍 67秒0-52秒1-38秒5-12秒4 G前仕掛け

岩田康を背に併せ馬。5Fで2秒も追いかける意欲的な併せとなったが、直線は並ぶ間もなく抜き去る豪快なアクション。2馬身先着も手応え、脚勢はまるで違った。5F67秒0ー3F38秒5ー1F12秒4。中1週でも意欲的に追って、馬体ははち切れんばかり。どっしりと構えた気配も申し分なく、今がピークと思える出来。
ただ前回は単騎でマイペースだった割に、ゴール前で詰め寄られて止まり加減だった。勝つには勝ったが、内にモタれる馬が逃げてこれ以上ない競馬。今回は状態の上積みこそあるが、2000mになってハンデが重く、相手も強化。なおかつ逃げる競馬もできなそう。よほど上手くいかないと勝つまでは厳しいか。

■7枠13番 デビットバローズ【評価S】
 上村厩舎[西] 武豊騎手

[1週前] 武豊騎手 [6月26日(水)追い]
【函館W】 良 68秒6-54秒5-39秒0-12秒2 馬なり
[今週] 助手
【函館W】 稍 68秒5-53秒5-39秒2-12秒1 馬なり

函館Wコースで併せ馬。2歳馬に胸を貸す形。直線を向いて手前を素早く替え、しばらくパートナーを気持ち良く走らせた後、首をグッと下げてかわしてみせた。ゴール後もスピードを急には落とさず、僚馬の気合を引き出した。相手の闘志を高める理想的な調教。実力と仕上げの良さがなければ、こういう調教はできない。
しかも前走を勝ってたら57か57.5だったことを思えば、今回の56キロは恵まれた斤量といえる。2000mの方が競馬もしやすそうで、注目の一戦。

■7枠14番 ハヤヤッコ【評価B】
 国枝厩舎[東] 浜中騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 稍 67秒9-52秒8-38秒2-11秒6 強め
[今週] 浜中騎手
【函館W】 稍 67秒8-52秒5-37秒9-12秒9 強め

美浦で7本乗って函館入り。浜中騎乗で併せ馬。内から抜け出すと、最後は追って粘り強く脚を伸ばして同入を果たす。5F67秒8ー3F37秒9ー1F12秒9。ケイコは動かなくなっているだけに、これだけやれれば十分な内容。大きな上積みまでは無いが気持ちも入っており、態勢は整った。

■8枠15番 チャックネイト【評価B】
 堀厩舎[東] 佐々木騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 稍 81秒7-65秒0-50秒3-35秒8-11秒2 強め
[今週] 佐々木騎手 [7月11日(木)追い]
【函館W】 良 73秒2-56秒8-41秒3-13秒5 馬なり

前走の天皇賞はちょっと相手が強かった。その後は割と早めにここに向けて調整し、馬の感じはいいし、AJCCとそんなに変わらない。パワーを要する馬場は合うし、実際に函館で勝っている。
追い切り1週前は美浦ウッドで6F81秒7ー3F35秒8ー1F11秒2。実戦さながらの3頭併せから、最後はきっちりと前に出た。力感十分のフットワークは好調時と遜色なく、馬体の緩みも解消された。その後は函館入り。今週は佐々木を背に函館ウッドで5F73秒2ー3F41秒3ー1F13秒5。無理せず馬の気に任せたが柔らかく、集中して走れていた。体も引き締まっており、力を発揮できる仕上がりだ。ただ58.5キロのハンデは正直重い。それに2000mっていう距離も短い。実績だけならトップランクだけど、今回はマイナス要素が多いか。

■8枠16番 マイネルクリソーラ【評価B】
 手塚厩舎[東] 丹内騎手

[1週前] 嶋田騎手
【美浦南W】 稍 67秒8-52秒0-37秒0-11秒5 一杯
[今週] 丹内騎手
【函館W】 稍 68秒7-53秒8-38秒8-12秒4 馬なり

丹内を背に併せ馬。先行馬の内に潜ると、手応え、脚勢で圧倒する伸び脚。食らいつく相手に対して最後まで馬なりで応戦した伸び脚は鋭さ十分だった。5F68秒7ー3F38秒8ー1F12秒4。馬体も維持出来ており、体調は安定している。