【ラジオNIKKEI賞】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【ラジオNIKKEI賞】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 シリウスコルト【評価A】
 宗像厩舎[東] 三浦騎手

[1週前] 三浦騎手
【美浦南W】 重 80秒8-66秒1-51秒7-37秒6-11秒9 馬なり
[今週] 三浦騎手
【美浦南W】 良 82秒9-67秒1-52秒8-38秒4-11秒5 G前仕掛け

前脚を投げ出すような独特のフォームでフットワークがとにかく大きいタイプ。それでいて気性的に前向き過ぎるようなところがあるからこそ、最近の同馬はゆったりと追走できる2000メートル中心のローテーションが組まれてきたのだろう。ただでさえ、トビの大きい馬を必要以上に急かせばフォームが崩れてしまうのは必然。それこそ、身体が伸びきって走るという悪癖が付きかねない。サラブレットの走りの基本は身体を伸縮させること。故に急がせるのではなく、むしろ引っ張ることで身体を縮めさせつつ我慢の教育にも繋がるということ3歳上半期は中距離主体で起用されてきたとみる。しかし、それも限界がきつつあるか。そもそも同馬は父がマクフィで母系もスピード色豊かな血筋。本質的にはデビュー戦で芝1200メートルを選択されたようなタイプでしかないのだ。前走の止まり方を見ると、内在するスタミナも決して多くないだけに、これからは距離を短縮して行かざるを得まい。その第一弾が今回。とはいえ、ここまでの教育に本質を思えば、これがベストの可能性は限りなく高かろう。一間隔あけたことで心身共にリフレッシュされ活気に漲っているのも何より。
1週前は三浦騎乗で6F80秒8ー3F37秒6ー1F11秒9。ハイラップを刻んで馬場の外を回しながらも手応え十分に伸びきった。今週も三浦を背に単走追い。バネの利いたフットワークはスピード感にあふれ、直線も外ラチに沿って一直線の伸び脚。6F82秒9ー3F38秒4ー1F11秒5。馬体も中から膨らんだような張りがあり、巻き返せる出来だ。

2枠2番 メイショウヨゾラ【評価B】
 高柳瑞厩舎[東] 吉田豊騎手

[1週前] 助手 [6月23日(日)追い]
【美浦坂路】 不 57秒6-42秒8-27秒8-13秒0 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 66秒1-51秒1-36秒9-11秒8 馬なり

併せた相手が2歳馬だったとはいえ、勢いのある追撃を軽くあしらって見せた。5F66秒1ー3F36秒9ー1F11秒8。ワンペースな走りだが、突かれて突き放した脚勢は実戦でさらに粘りが出そう。元気の良さも目立つ。

3枠3番 セットアップ【評価B】
 鹿戸厩舎[東] 戸崎騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 重 69秒4-53秒4-38秒2-11秒9 馬なり
[今週] 戸崎騎手
【美浦南W】 良 83秒4-68秒2-53秒4-38秒5-11秒6 馬なり

1週前は古馬と併せて優勢な伸び脚。5F69秒4ー3F38秒2ー1F11秒9。数字以上の切れを感じさせた。今週は戸崎騎乗で3頭併せ。引っ張り切れないほどの手応えでコーナーを回ると、直線は内へ。滑らかな加速から、ラストは威力満点の伸び脚を披露。6F83秒4ー3F38秒5ー1F11秒6。海外帰りでも軽快な走りに体もふっくらと見せる状態。うまく仕上がった。

4枠4番 ヤマニンアドホック【評価B】
 辻厩舎[東] 津村騎手

[1週前] 津村騎手
【美浦南W】 重 82秒7-67秒3-52秒4-37秒8-11秒2 G前仕掛け
[今週] 調教師
【美浦南W】 良 69秒1-53秒5-38秒9-11秒7 馬なり

1週前は実戦を意識させた3頭併せ。鞍上のゴーサインにしっかりと反応して中の馬に1馬身、外の馬には5馬身の先着を果たす。6F82秒7ー3F37秒8ー1F11秒2。数字も速く、中身の濃い調教ができており、直前はしまい重点もこれで十分。軽やかな動きを見せたように、好調をガチッとキープ。

5枠5番 オフトレイル【評価C】
 吉村厩舎[西] 田辺騎手

[1週前] 助手 [6月20日(木)追い]
【栗東坂路】 稍 52秒7-37秒7-24秒7-12秒3 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 54秒6-39秒2-25秒0-12秒2 馬なり

坂路で単走。動きに迫力があり、ラストもバテていない。

■5枠6番 ウインマクシマム【評価S】
 畠山厩舎[東] 松岡騎手

[1週前] 松岡騎手 [6月20日(木)追い]
【美浦南W】 良 81秒9-64秒9-49秒7-35秒6-10秒9 直強め
[今週] 松岡騎手
【美浦南W】 良 85秒8-69秒5-53秒9-38秒4-11秒1 馬なり

函館でレースに騎乗している松岡だが、水曜日はこの馬の追い切りのために美浦に戻ってきている。1週前追い切りは3頭併せの内からうなるような勢いを披露。5F64秒9ー3F35秒6ー1F10秒9の好時計をマーク。今週はしまい重点の内容となったが、馬場の大外から矢のような伸び脚。1F11秒1を馬なりでマークした。スピード、切れの良さが目立ち、前走からかなりのパワーアップがうかがえる。おそらく、無理をさせずに大事に育ててきたからこそであろう。ここにきてピリつくような危うさが薄れ一気に気性が大人びてきているのだ。もし、無理にクラシックの王道路線に乗せようとしていたら、ストレス過多からこうはなっていまい。何はともあれ、以前とはメリハリの効き方が大違い。バッチリ溜めが効いているからこそ弾ける=スムーズにギアがトップへ上がるようになったということ。着実に成長しての一戦。

6枠7番 アレグロブリランテ【評価A】
 上原佑厩舎[東] 横山和騎手

[1週前] 坂口騎手 [6月20日(木)追い]
【美浦南W】 良 83秒1-66秒4-51秒1-36秒5-11秒1 G前仕掛け
[今週] 坂口騎手 [6月27日(木)追い]
【美浦南W】 良 66秒6-52秒0-37秒8-11秒6 馬なり

まんまとスプリングCで権利を奪取し、春の大一番であるG1皐月賞へと駒を進めた同馬だが、ちょっとレベルが違ったというのが正直なところか。横山和騎手のエスコートらしく、内枠を利してロスを最小限にスムーズにレースへと参加できていたのだ。しかし、直線に入ると早々にガス欠を起こしてしまい急失速。終わってみれば、バテた逃げ馬と大外枠からの発走により流れに乗れず終いだった2頭にしか先着できなかったのだから現実は厳しい。まだまだG1の舞台でどうこうできるほどの地力は有していなかったと言うこと。あれから約2ヶ月半が経過、ジックリと立て直し満を持しての出走となるのが今回である。おそらく、ここを目標に早くから逆算されて調整されてきたのだろう。
1週前は3頭併せで1F11秒1。併せた2頭を手応えで圧倒する鋭い伸び脚を披露。今週は2頭併せ。出走馬の中で、ただ1頭だけの木曜追い。坂口を背に先行したが、掛かり気味の相手に終始突かれる形。それでもリズムを崩すことなく、直線も手応え十分に真っ直ぐな伸び脚。5F66秒6ー3F37秒8ー1F11秒6。馬体の張り、ツヤも良く、引き続き体調はいい。気性面の確かな成長まで感じさせてくれるのだから頼もしくなってきたもの。となれば、ただでさえ機動力が売りのタイプ。福島の芝1800メートルというトリッキーなコース形態が舞台のここだと無視は危険でしかなし。巻き返しに要注意。

6枠8番 サトノシュトラーセ【評価C】
 友道厩舎[西] M・デムーロ騎手

[1週前] M・デムーロ騎手
【栗東CW】 稍 83秒8-68秒1-52秒9-37秒1-11秒4 強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 55秒6-39秒4-25秒5-12秒7 馬なり

坂路で単走。ややフワフワして、次第に外ラチの方に動いていくなど、もう少し安定した脚さばきを見せてほしいところ。首が高い。
この馬の調教を見ていて、常に感じることがある。それは鋭さが不足しているということ。なぜにスピード豊かなはずのジャスタウェイ産駒の同馬が…と不思議に思っていたのだが、母系を眺めていて納得してしまった。母父がシャンゼリゼで更に遡ればロミタス…。何てことはない。欧州でも特に重いぐらいに重いクラシックディスタンス向きのタフな血が練り込まれた牝系だったのだ。ここにジャスタウェイの中に眠るトニービンという、これまたステイヤー色の強い血が色濃く出たとすれば、こうもなるか。おそらく、同馬に関してはジャスタウェイ産駒というイメージは持たない方が良い。タイプとしては真逆。スタミナに持久力、タフさにこそ秀でているタイプである可能性が高かろう。そういう意味では、今回の状況が適しているとは言い難いか。非高速馬場の福島とはいえ開幕週となれば必然的にそれなりのスピードが求められるだろうし、距離が1800メートルでは持ち味も生かしにくい。それに現状は若さが目立つだけにトリッキーな小回りコースというのも…。そもそも絶好の条件だった前走でも4着というのが現状の力。デキも大きく変わっていないだけに今回の舞台では強くは推せぬ。

7枠9番 ログラール【評価B】
 松永幹厩舎[西] 北村友騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 稍 65秒5-50秒5-36秒7-11秒7 強め
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 54秒8-38秒7-11秒5 強め

CWコースで単走。手前を替えるタイミングもいいし、前脚が高く上がるのもいい。首が高く、クロス鼻革をしている点も気になるが、活気の良さを買いたい。
あとはベタ爪だから雨が降らなければ。

7枠10番 ミナデオロ【評価B】
 藤原厩舎[西] 西塚騎手

[1週前] 西塚騎手
【栗東芝】 稍 80秒8-64秒3-49秒3-35秒6-11秒7 G前仕掛け
[今週] 助手
【栗東P】 良 56秒9-41秒4-11秒5 馬なり

ポリトラックコースで単走。上がり重点なので余力十分に直線へ。植え込みに隠れて脚さばきは分かりにくいが、上体の動きも安定して非常にスムーズ。
ただゲートが怪しいところがあり、たまたま出て勝ったが、前走はだいぶ恵まれたところがあった。今回はコーナー4つの競馬で先行馬が揃っているのでそこをどう捉えるか。ポテンシャル的にはここでも十分にやれるものはあるが、まだキャリアは浅いし、自分の形で運べなかった時はどうか。

8枠11番 ジュンゴールド【評価S】
 友道厩舎[西] 荻野極騎手

[1週前] 荻野極騎手 [6月20日(木)追い]
【栗東CW】 稍 82秒1-67秒1-51秒7-36秒9-11秒0 一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 70秒7-55秒1-39秒3-11秒6 馬なり

中々の好メンバーの揃っていたデビュー戦は2着以下にコンマ6秒差つける快勝。続く2戦目もマイペースの逃げを打って終わってみれば、好時計でまとめて後続には影すらも踏ませなかったのだから大したもの。これは楽しみな素質馬が出てきたと思っていたのだが…。しかし、年が明けて3歳となると、まるで違う馬かのように。意気揚々と賞金加算に乗り込んできた2走前の京成杯が12着、何とかクラシックへの出走権を獲ろうと再度の東征を敢行した前走のスプリングCも10着とボロボロの結果に。一体、どうしたのか。早熟?いやいや、ゲームでもあるまいし、そんなに急激に身体能力が下がることも、まして周りに根こそぎ抜かれることなど有り得ない。あれは、偏に精神的な未熟さからくるもの。なまじ連勝したことで、馬自身ではなく周りが、その気になってしまったのだ。いざ、クラシックへ…。しかし、同馬自体がそこまでの完成度になく耐えられずにパニックになったというのが近2走の真相。それ故、時間をかけて立て直してきたのである。その甲斐あって随分と常識がかってきた。サッと流した直前も集中力十分。CWコースで単走。ゆったりと入って完全に上がり重点。四肢の運びが非常に滑らかで、チップともフィットして推進力は十分。上体にブレもない。首の使い方も非常に自然だ。これなら近2走のようなことはあるまい。元値はある馬。変わり身注意。

8枠12番 ショーマンフリート【評価A】
 手塚厩舎[東] 菅原明騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 重 83秒4-68秒3-53秒0-37秒9-11秒4 G前仕掛け
[今週] 助手
【美浦南W】 良 83秒8-67秒1-51秒8-37秒6-11秒6 馬なり

1週前は宝塚記念2着のソールオリエンスと併せて、最後までしっかりと食らいついて見せた。6F83秒4ー3F37秒9ー1F11秒4。今週は前を走る2歳馬2頭を並ぶ間も抜き去る力強い伸び脚。やや頭の高い走法も、フットワークにバネがあり、やる気になればいくらでも動きそうなほど走るエネルギーがあふれている。6F83秒8ー3F37秒6ー1F11秒6。出来はさらに上向いた。