現場の裏話コラム|vol.31|歴史に名を刻んだ永島まなみ:重賞初勝利と川田将雅の慧眼

現場の裏話コラム|vol.31|歴史に名を刻んだ永島まなみ:重賞初勝利と川田将雅の慧眼

先週のマーメイドSでは永島まなみ騎手がアリスヴェリテで見事に逃げ切りを決めて重賞初制覇。女性のJRAジョッキーによる重賞Vは3人目で、栗東トレセンも大いに沸いたようだ。「非常に研究熱心で関係者の評判はいい」と関係者が語る永島ジョッキー。これを機に、さらなる飛躍を遂げるか注目が集まる。

一方、このレースで2着に入ったのが川田騎手のエーデルブルーメ。1番人気の支持を受けたが、差し届かずの2着。しかし、川田騎手の株も上がっているという。栗東のトラックマンは次のように話す。
 「確かに2着に負けましたが、過剰人気という印象もありました。エーデルは昇級戦で、ハンデも恵まれているとはいえない状況。前走は強い競馬でしたが、そもそも重賞で即通用するほど強いのか、という疑念の声もありましたね。それでも1番人気になったのは、福永調教師の初重賞Vを期待するファンが多かったこと、そして川田騎手がお手馬を捨ててあえてエーデルを選んだから、でしょう」。
 そのお手馬というのがミッキーゴージャスだ。「昨年の愛知杯覇者で、将来も期待されている素質馬です。前走の大阪杯は大敗しましたが、これはさすがに相手が強かったのもあるでしょう。仕切り直しの一戦で、牝馬重賞なら上位の存在。確かにハンデは見込まれそうでしたが、それでも勝ち負けになっていい馬でした。何より、ミッキーの馬を捨てて他に騎乗する、というのは川田騎手にとってかなりの決断が必要だったはずですから」。
 
川田騎手は2020年頃からのダノンとミッキーの冠の馬に優先騎乗する契約がなされている、と言われている。ダノンとミッキーはノーザンファームとズブズブの野田夫妻。セレクトセールでも億単位の高額馬を多数購入しており、日本のトップオーナーだ。「川田騎手はこの両者に優先騎乗しているが、昨年あたりからは違う馬に乗るケースもたまにあります。もちろん、オーナーの承諾は得ているのでしょうが、ダノン&ミッキーを断るからには、選んだ他馬が確実に上位に来る、という確証がないとなかなか難しいでしょう。ましてや今回のミッキーゴージャスは素質が高く、エーデルブルーメに先着しても全く驚けない馬。それがエーデルを選択し、ミッキーは大敗したのだから、川田騎手の見る目はすさまじいという話になっています」。
 
今週の宝塚記念では穴馬のルージュエヴァイユに騎乗する川田騎手。「あまりつながりのない関東の黒岩厩舎。それでも騎乗は5月上旬に決めました。レース1か月前での決定はかなり早いですね。もう少し待てばノーザン系のいい馬に乗れたかもしれないのに…。チャンスあり、とにらんでいるのでしょうか」と前出のトラックマン。再び「川田の見る目はすごい」となるか。



栗東トレセン情報部:田所