【マーメイドステークス】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【マーメイドステークス】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


■1枠1番 ベリーヴィーナス【評価B】
 鈴木孝厩舎[西] 藤懸騎手

[1週前] 助手 [5月29日(水)追い]
【栗東CW】 稍 87秒4-71秒0-55秒2-39秒8-11秒9 馬なり
[今週] 助手
【栗東CW】 良 83秒3-68秒0-52秒7-37秒9-11秒7 馬なり

CWコースで単走。手前を替えず、フットワークも安定しないシーンもあったが、ラストは集中できた。評価はできる。

1枠2番 ジューンオレンジ【評価A】
 長谷川厩舎[西] 富田騎手

[1週前] 調教師
【栗東坂路】 良 54秒3-38秒9-24秒8-12秒0 末強め
[今週] 調教師
【栗東坂路】 良 53秒1-38秒0-24秒2-11秒9 馬なり

同馬は、ここまでのほとんどの競走馬生活を短距離馬として歩んできたわけだが、ここ2戦を見ると状況が大きく変わってきているとしか言いようがない。確かに短距離馬にしては、早い段階から基礎スピード不足を露呈しつつあった。それはそうだろう。芝1200メートルを1分9秒切るのが精一杯では、条件戦はまだしもOP以上で活躍などできるわけがない。案の定、今年に入って意気揚々と挑戦した重賞では話にもならなかった。
だからこそ、2走前よりスタイルの変更に取りかかった。スピードで押し切る正攻法型から、溜めに溜めて末を爆発させる直線一気型へと…。そして、それが花開きつつあるのだから面白い。ここ2戦の内容なら距離は2000メートルでも。むしろ、溜めて弾ける作業の精度は更にスムーズに。坂路で単走。前脚が高く上がり、リズムも一定。直前の迫力ある動きも見ての通り、デキもOK。一発に注意。

2枠3番 ピンハイ【評価C】
 田中克厩舎[西] 北村友騎手

[1週前] 高倉騎手
【栗東CW】 良 85秒9-69秒2-53秒2-38秒6-12秒3 馬なり
[今週] 高倉騎手
【栗東坂路】 良 55秒3-40秒9-26秒3-12秒8 馬なり

坂路で単走。ラスト1F12秒8とタイムは平凡だが、四肢の動きに迫力があり、フットワークは見るべきものがあった。

2枠4番 ミッキーゴージャス【評価B】
 安田厩舎[西] 浜中騎手

[1週前] 助手 [6月6日(木)追い]
【栗東CW】 良 79秒7-64秒3-49秒5-36秒0-11秒6 馬なり
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 57秒5-41秒2-25秒8-12秒4 一杯

正直、前走というのは出るべきものが出たという印象しかない。
何せ、同馬は決して性格の素直な優等生タイプなどではないのだから…。むしろ、逆。癇は強いし、気分屋な側面まである。イメージとしては自分の思い通りにならないだけで烈火の如く怒り出してしまうようなタイプか。
そんなタイプを転厩緒戦でG1へ挑戦させてみたのが前走なのである。ハッキリ言って、そもそもが無茶としか言いようがあるまい。いくら実父の厩舎にいたとはいえ、今や全くの別ものである安田翔厩舎への転厩など、敏感な同馬への刺激でしかないのである。その上でG1独特の雰囲気にさらされたとなれば、本音が剥き出しとなってしまったのも当然なのでは。
結局、スタートから反抗しっ放し…。あれでは14着と冴えなかったのも仕方がなかろう。そういう意味では、転厩2戦目でどこまで同馬を手の内に入れてみせたか、今回は安田翔厩舎の腕の見せ所といったところ。
坂路で単走。走りがやや重苦しい感じ。追われて首が上がった点もどうか。危うさ残るも8分以上。少なくとも2走前のデキには到達。

■3枠5番 ラヴェル【評価B】
 矢作厩舎[西] 坂井騎手

[1週前] 坂井騎手
【栗東CW】 良 81秒9-66秒4-52秒8-39秒1-13秒4 稍一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 良 81秒5-65秒1-50秒7-36秒4-11秒8 一杯

この中間の挙動を見ていると闇は深くなってきているといった印象を強く受ける。走ることに前向きは前向き。
行きっぷりが良過ぎること自体にも、それほど問題は感じない。ただし、一息で出し切ってしまうことが極端過ぎる。あれだけ後先を考えずに全力で走って勝手に止められてしまっては、実戦ではもちろんのこと調教にすら何の意味も持たせられない。
もはや、今回の1週前など直線を向いた時点でスタミナはスッカラカン状態だったのだから頭が痛い。おそらく、完成前の若かりし頃に受けたストレスの影響で、ガス抜き等の調教の意図を誤解して習得。結果、全力ではあるものの決してゴールを目指さしてのものではないという現在の間違った走り方となってしまったのでは。
牝馬にして唯一、リバティアイランドに先着したナミュールの半妹と確かな地力の持ち主ではある。ただし、とてもじゃないが、そのポテンシャルを発揮できるような心身のバランスではないような…。とても信用までは出来ない。抑え程度と判断。

■3枠6番 ホールネス【評価S】
 藤原厩舎[西] 西塚騎手

[1週前] 田口騎手
【栗東芝】 稍 76秒0-61秒7-48秒6-35秒8-12秒2 馬なり
[今週] 西塚騎手
【栗東芝】 良 68秒0-51秒5-38秒0-11秒4 馬なり

前走後はパールSを使ってここ予定だったが、脚元がモヤっとして使えず、ここまで待った。順調ではないが、そんな悪い状態でもない。トモの緩さも解消してバランスが良くなってきた。
追い切りは芝コースで単走。リズムを取って脚さばきを確認する程度だが、それでもラストは11秒4。3連勝の勢いをキープできている。この中間は今までになく順調そのもの。ジックリと乗り込めたことで折り合い重視の実戦的なメニューからシンプルな強負荷をかけての肉体強化まで満遍なく消化しての臨戦なのだから楽しみしかなし。52キロをどこまで活かせるかで差し込みも。

4枠7番 マリネロ【評価B】
 嘉藤厩舎[東] 和田竜騎手

[1週前] 調教師 [6月6日(木)追い]
【美浦南W】 良 65秒8-51秒1-37秒0-11秒2 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 83秒4-67秒1-52秒3-37秒8-11秒4 馬なり

1週前は調教師自らが手綱を取って5F65秒8ー3F37秒0ー1F11秒2。3頭併せの真ん中から持ったまま、しっかりと伸びきった。今週は2頭併せ。先行して僚馬を誘導すると直線は相手が来れば来るだけ伸びる脚勢。最後まで手応え、走りに余裕があり、6F83秒4ー3F37秒8ー1F11秒4と数字も上々だった。いつも通り活発に動けており、大幅な上積みこそないが、体調は安定している。

■4枠8番 セントカメリア【評価C】
 高野厩舎[西] 西村淳騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 57秒4-41秒2-26秒5-12秒4 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 56秒6-40秒2-25秒6-12秒5 一杯

坂路で単走。やや夢中になっている感じで鞍上が抑えるのに懸命。タイムも平凡。

5枠9番 コスタボニータ【評価B】
 杉山佳厩舎[西] 岩田望騎手

[1週前] 助手 [6月6日(木)追い]
【栗東CW】 良 82秒8-66秒7-51秒7-36秒5-11秒4 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 54秒6-39秒9-25秒2-12秒1 馬なり

前回はゴール前で寄られて一旦詰まって勝ったように強い内容ではあったが、展開や枠順、落馬もあったように上手く噛み合った面も大きい。その後はヴィクトリアマイルを使わず、ここを勝ちにきたので状態はいい。
追い切りは坂路で単走。脚さばきは悪くないのだが、終始、右を向いている点が気になる。もう少し集中したい。となると、2000mがどうか。良馬場でやれそうなのはいいが、適距離ではないので連勝できるかどうか。

5枠10番 ゴールドエクリプス【評価A】
 大久保厩舎[西] 幸騎手

[1週前] 幸騎手 [6月6日(木)追い]
【栗東CW】 良 81秒3-65秒7-50秒5-35秒9-11秒0 馬なり
[今週] 幸騎手
【栗東CW】 良 84秒3-68秒2-52秒6-37秒1-11秒2 馬なり

CWコースで単走。もう少し完歩が大きければ理想的だが、タイムは悪くない。後肢の蹴りはなかなかいい。
前走時の重苦しい動きに比べれば大分良くなってきたし、良いころの状態に戻ってきた感じもする。

6枠11番 インザオベーション【評価C】
 武幸厩舎[西] 荻野極騎手

[1週前] 荻野極騎手 [6月6日(木)追い]
【栗東CW】 良 83秒6-67秒8-53秒0-38秒0-11秒7 直強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 良 54秒2-39秒0-24秒9-12秒4 馬なり

坂路で単走。さばきにバタバタしたところがなく非常にスムーズ。四肢を大きく使えていて軽快そのもの。あとは力が足りるか

6枠12番 タガノパッション【評価A】
 武幸厩舎[西] M・デムーロ騎手

[1週前] 助手 [6月6日(木)追い]
【栗東坂路】 良 51秒5-37秒6-25秒3-13秒0 馬なり
[今週] 助手 [6月13日(木)追い]
【栗東坂路】 良 52秒2-37秒9-25秒1-12秒9 馬なり

厩舎に置いておくと気の悪さを出すからいつもどおり10日競馬。
1週前が速かったので直前は控え目かと思いきや、当週も意外と意欲的。馬場荒れの目立つ時間の坂路で、しかも持ったまま52秒2は褒めるべきだろう。雰囲気は前走以上。
ハンデも53キロなら魅力だし、福島牝馬Sは落馬もあって異質な展開になったから、まともならチャンスはある。

■7枠13番 アリスヴェリテ【評価B】
 中竹厩舎[西] 永島騎手

[1週前] 助手 [6月7日(金)追い]
【栗東坂路】 良 55秒8-39秒7-25秒3-12秒5 馬なり
[今週] 助手 [6月13日(木)追い]
【栗東坂路】 良 51秒8-37秒4-24秒1-12秒1 一杯

前走もキビキビと走れていたが、さらに行きっぷりが良化。開門から時間の経った坂路で4ハロン51秒8は優秀だ。しかも手応え以上にまだ余力も感じた。

7枠14番 エリカヴィータ【評価B】
 国枝厩舎[東] 小沢騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 84秒6-68秒0-53秒1-38秒4-11秒7 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 83秒6-67秒0-52秒4-38秒0-11秒3 馬なり

1週前は馬場の大外で併せて6F84秒6ー3F38秒4ー1F11秒7。楽な手応えのまま、スパッと切れた。今週はケイコ駆けする相手を追いかけて内に潜ったが、バネの利いた軽やかなフットワークを披露。ゴールを過ぎてから促して進ませていたように、長く真っ直ぐ走らせて、数字以上に負荷をかけた。6F83秒6ー38秒0ー1F11秒3。馬体の緩みもなく、肌も薄く、しっとりと見せている。体調は非常にいい。

■8枠15番 エーデルブルーメ【評価S】
 福永厩舎[西] 川田騎手

[1週前] 調教師
【栗東CW】 良 81秒9-66秒3-51秒8-36秒8-11秒3 馬なり
[今週] 調教師
【栗東CW】 良 85秒2-68秒2-52秒4-36秒2-11秒2 強め

CWコースで単走。やや首は高いがスピード感にあふれて迫力十分。四肢がいっぱいまで動いて完歩も大きい。状態の良さがうかがえる。前走以上の出来で厩舎に初重賞の栄冠を与えても驚かない。

8枠16番 ファユエン【評価B】
 勢司厩舎[東] 菊沢騎手

[1週前] 助手
【美浦南W】 良 68秒2-53秒7-39秒6-12秒9 馬なり
[今週] 助手
【美浦南W】 良 65秒2-50秒4-37秒3-11秒9 馬なり

前走後は軽い調教を繰り返して、1週前から強度を上げた。ラストは流したが、芯の入った力強いフットワークを披露。今週は単走で内側を通ったが、コーナーを器用に立ち回ると内ラチに沿って真っ直ぐな伸び脚。5F65秒2ー3F37秒3ー1F11秒9。落ち着きもあって、気配は前走以上。