【天皇賞・春】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


【天皇賞・春】認定競走主幹菅原貴史の追い切り寸評


1枠1番 サリエラ【評価A】
 国枝厩舎[東] 武豊騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 82秒3-66秒2-51秒0-36秒7-11秒6 末一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 84秒4-67秒8-52秒6-37秒1-11秒7 末強め

 栗東入りして調整。もし調教VTR等で今回の同馬の近2週の調教の動きを見たら、ほとんどの方がパッとしないなと思ったのでは。確かに1週前が格下相手に何とか先着、直前などはOP馬とはいえ3歳の若駒相手に完全に遊ばれる始末。こんなことで牝馬による71年振りの天皇賞春制覇などという偉業を成し遂げられるのかと疑問に思うのも当然。しかしながらCウッドでの最終追いは併走遅れだったが、着差そのものは小差。まだ余力もあったように心配無用だろう。そもそも調教で動く馬が必ずしも実戦で走るわけではないのだ。それこそ理由は多種多様だが、もっとも単純なカラクリとしては走る路面の違いが挙げられるか。そう、クッション性の高い調教施設だと本領を発揮できないタイプというは結構いるのである。同馬など、その典型。小柄で非力、加えて前向きさ一息の性格。こんな馬が鍛えるためにタフさとパワーを要求される調教施設で頑張るわけもなければ目立つわけもあるまい。むしろ、そこよりも注目すべきは不健康な同馬が、ここにきて柔らかみを見せていること。おそらく5歳となり、ようやくパンッとしつつある。馬体をふっくらと見せているのが何より。武器は一瞬の切れ。芝の実戦でこそ。侮るなかれ。

1枠2番 ヒンドゥタイムズ【評価】
 斉藤崇厩舎[西] 団野騎手

※出走取消※

2枠3番 プリュムドール【評価A】
 奥村豊厩舎[西] 和田竜騎手

[1週前] 和田竜騎手 [4月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 81秒8-66秒4-51秒9-36秒4-11秒2 一杯
[今週] 和田竜騎手 [4月25日(木)追い]
【栗東CW】 稍 84秒7-68秒2-52秒9-37秒2-11秒1 馬なり

Cウッドで併せ馬を行い完勝。ラスト1ハロン11秒1と圧巻の加速力を披露した。前走時も良く動いていたが、さらにもう一段階高みへ上ったイメージだ。今がピークか。

■2枠4番 ワープスピード【評価B】
 高木厩舎[東] 三浦騎手

[1週前] 菅原明騎手
【美浦南W】 良 82秒4-66秒2-51秒5-37秒2-11秒4 強め
[今週] 三浦騎手
【美浦南W】 稍 83秒0-67秒1-52秒0-37秒1-11秒3 G前仕掛け

1週前は併せ馬で遅れ。手応えの渋さがあったが、今週は内からスッと並ぶと、ラストは持ったまま一直線に伸びて1F11秒3。バネのあるフォームを見せた。鞍上・三浦の思うがまま動けており、覇気も旺盛。好調をガッチリキープ。

■3枠5番 ブローザホーン【評価C】
 吉岡厩舎[西] 菅原明騎手

[1週前] 助手
【栗東芝】 稍 68秒0-52秒8-38秒6-12秒6 馬なり
[今週] 菅原明騎手
【栗東坂路】 稍 55秒0-40秒4-26秒5-13秒3 末強め

かなり行きたがるので3200mは決して適距離ではないが、京都は走っているし、道悪とか折り合いがつきやすい条件になればプラス。
坂路で併せ馬。終始、並んで闘志を引き出し、走りのリズムも2頭でほぼ同じである点もいい。最高のスパーリングになったはず。ただ、多少力んでいる分、手応えは相手の方がわずかに良かった。その点を割り引いてこの評価。

3枠6番 ディープボンド【評価S】
 大久保厩舎[西] 幸騎手

[1週前] 幸騎手 [4月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 80秒1-65秒1-50秒9-36秒6-11秒4 一杯
[今週] 幸騎手
【栗東CW】 稍 81秒5-66秒3-52秒1-37秒5-12秒0 G前一杯

今年で7歳となる同馬だけに前走の負けっぷりを見て、いよいよ衰えが隠し切れなくなってきた印象を受けなくもない。少なくとも年齢により、色々と鈍くなってきていることは確かであろう。とはいえ、ここのところの敗戦にはシッカリとした理由もあることを見逃してはいけない。3走前は不得手な超高速馬場、2走前はブリンカーが裏目に出て何もできず。前走だって稍重ながら勝負所でラップにして11秒1を求められる超瞬発力戦である。そんな類のレースに古き良きステイヤーの生き残りである同馬が対応できるわけがない。
持ち味は、ただただ豊富なスタミナを生かす粘り強さのみ。そんなレース展開になれば、まだ捨てたものではないと思うのだがどうだろう。実際、気になる状態面は前走を一叩きされたことで解りやすく上昇もしているのである。CWコースで3頭併せ。ハードな調教だが、この手のパターンには慣れたもの。ちゅうちょせずに真ん中を割った。余裕を保ちつつ、大きな脚さばきでグッと前へ。調教は本当に走る。この辺りが鈍くなってきている点の一つ。昔なら久々でも調教だけでスイッチが入ったものの、今だと調教を積んだ上で一戦必要ということ。とはいえ、それでフワつく面が解消し、重心が沈むことで本来の追えば追うほどに渋太さ発揮という本来の動きを取り戻したとなれば狙う価値は大ありでは。無類の京都巧者でもあるだけに一発に注意。

4枠7番 タスティエーラ【評価A】
 堀厩舎[東] J・モレイラ騎手

[1週前] 助手 [4月18日(木)追い]
【美浦南W】 良 82秒8-66秒2-50秒6-35秒8-11秒0 馬なり
[今週] 助手
【美浦坂路】 稍 55秒5-40秒4-25秒4-12秒4 馬なり

1週前はウッドで6F82秒8ー3F35秒8ー1F11秒0。力感あふれるフォームから、真っ直ぐ伸びきった。今週はオーバーワークを避けるために坂路に切り替えたが、直線は一杯に追われる相手を馬なりのまま圧倒。4F55秒5ー3F40秒4ー1F12秒4。数字以上の切れと迫力を感じさせる内容だった。馬体もメリハリがあって肌もしっとりと見せる状態。単走中心の前走時と違い併せ馬を消化させて闘魂注入を施し明らかに活気そのものを取り戻させるのだから、さすが関東屈指の名門厩舎。これにモレイラ騎手なら無視は無謀か。一変可能な出来だ。

4枠8番 ゴールドプリンセス【評価C】
 寺島厩舎[西] 田口騎手

[1週前] 助手 [4月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 82秒0-66秒6-52秒2-37秒6-11秒6 馬なり
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 84秒3-67秒5-53秒0-38秒2-11秒9 強め

 CWコースで併せ馬。時計的には文句はないが、終始、僚馬の手応えの方がいい点は少々、気にかかる。ゴール前、鞍上が手を動かして併入に持ち込み、帳尻を合わせた感じだ。

5枠9番 シルヴァーソニック【評価A】
 池江厩舎[西] M・デムーロ騎手

[1週前] 水口騎手 [4月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 80秒1-64秒8-50秒8-36秒1-11秒4 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 53秒1-38秒7-25秒1-12秒6 馬なり

坂路で単走。3~4馬身ほど前にいる僚馬をうまく目標にしながら闘志を引き出した。フォームは終始、安定。前脚も高く上がっていた。前回は、帰ってきた時から状態がもうひとつで、本数も足りず。あのブランク明けではさすがに無理。レースでも、妙にイレ込んでいたし、その分引っ掛かって終始チグハグに。一度使って、体の張りは違ってきたし、上積みは十分。先週の動きが素晴らしかったし、日曜日の坂路での併せ馬もいい反応。前走を使っての上積みは大きそうだ。

5枠10番 サヴォーナ【評価C】
 中竹厩舎[西] 池添騎手

[1週前] 池添騎手
【栗東CW】 良 83秒8-68秒7-52秒8-37秒1-11秒3 一杯
[今週] 池添騎手
【栗東CW】 稍 82秒6-67秒1-52秒4-37秒5-11秒7 強め

今回は自身初となるCWでの最終追い。CWコースでスカーフェイスとの併せ馬。直線を向いた時の脚さばきは緩慢に見えたが、僚馬が迫って回転が速くなった。ただ、手前を何度も替えているのがどうか。

6枠11番 マテンロウレオ【評価B】
 昆厩舎[西] 横山典騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 94秒2-79秒6-65秒5-51秒5-37秒0-11秒9 叩き一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 83秒7-68秒5-53秒8-38秒7-11秒8 馬なり

CWコースで単走。かき込むようなフットワークで、姿勢が低く、安定感がある。単走なのでどうかと思ったが、活気もあって見ていて気持ちいい。1泊する中山より当日輸送の京都が断然いいのは確かだし、出来は良さそうだ。
力関係は若干劣るだけに、あとは鞍上の「神騎乗が炸裂するか否か」。

6枠12番 ドゥレッツァ【評価B】
 尾関厩舎[東] 戸崎騎手

[1週前] 戸崎騎手
【栗東CW】 良 98秒6-81秒6-66秒4-51秒5-36秒5-11秒2 強め
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 81秒9-66秒5-52秒0-37秒3-11秒7 強め

栗東在厩でCウッド追い。重心の低い、推進力に富んだ走りが印象的だ。ただそのぶん、ベストディスタンスはもう少し短めかも。ここまで馬券圏外を外したことのない堅実派にして昨年の菊花賞をも圧勝している同馬。そんな融通性もあれば長距離にも実績を残している実力馬を捕まえて今更距離不安を語るのもどうかと思うが、それでもスタミナ豊富なステイヤータイプでないことは確か。菊花賞Vも2マイルという感じではない。
同馬自体だって発達した胸前の持ち主にして重心の低い体型、そこから繰り出される走法もピッチ気味なら性格も前向き過ぎるぐらいと、どう考えても長距離向きなどではないのだ。ところが、ここに類稀なトップスピードの質と父系から受け継いだ距離への抜群の融通性が備わっていたことで同馬は2走前に適正を大きく超えることに成功する。ただし、あの快挙には同期のレベルの低さ、加えて鞍上の絶妙なペース配分が多分に影響を与えていたことを忘れてはならないだろう。この中間も前走時同様、気負いが目立つ。過信は禁物。

7枠13番 スカーフェイス【評価B】
 中竹厩舎[西] 松若騎手

[1週前] 助手 [4月18日(木)追い]
【栗東坂路】 良 52秒9-38秒5-25秒0-12秒3 強め
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 84秒1-68秒5-53秒7-38秒3-11秒8 一杯

CWコースでサヴォーナとの併せ馬。こちらが外。直線を向き、手前を替えたところでグッと接近し、サヴォーナの闘志を引き出した点は買える。遅れは取ったが最後は姿勢が低くなり、そこまで悪くはない。昔はめちゃくちゃ引っかかっていたが、スタミナは豊富な馬。以前より引っかかる面はマシになってきた。母親のお姉さんがスズカマンボだし、この条件の適性はありそう。速い上がりも使えるので大穴に一考。

7枠14番 テーオーロイヤル【評価S】
 岡田厩舎[西] 菱田騎手

[1週前] 菱田騎手
【栗東CW】 良 96秒8-80秒3-65秒1-50秒4-36秒4-11秒5 一杯
[今週] 菱田騎手
【栗東CW】 稍 86秒4-70秒8-55秒2-39秒1-11秒9 馬なり

CWコースで3頭併せ。最後方から前2頭の背後に入り、しばらく我慢させてからサッとインに進路を移して併走した。負荷がかかる併せ馬だが涼しい顔でこなしたあたり、さすがと言うべき。実戦に即した最終追いで隙なく仕上がった。
ただし圧勝した前走というのは恵まれた面が多分にあったことは忘れてはならない。
残り5Fから急激にペースが上がるロングスパート合戦、それをインのポケットでロスも0なら脚もギリギリまで溜め放題の形ではああもなる。つまり、あの差は意外と再現性が低いということ。引き続き身のこなしに硬さも見られず、気負いも皆無と心身共に前走時の好調時を限りなくキープはできている。ただし、人気の差ほど他馬との力差はないということは念頭に置いておくべき。

7枠15番 メイショウブレゲ【評価C】
 本田厩舎[西] 酒井騎手

[1週前] 助手
【栗東CW】 良 82秒4-66秒2-50秒7-36秒0-11秒8 一杯
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 53秒9-39秒1-25秒0-12秒7 馬なり

坂路で単走。活気があって非常にパワフル。最後までバテずに通せるかと心配したが、踏ん張り切った。ただ、スピードが上がると首も上がってしまう点が気になった。

8枠16番 チャックネイト【評価B】
 堀厩舎[東] 鮫島駿騎手

[1週前] 助手 [4月18日(木)追い]
【美浦南W】 良 66秒8-50秒7-35秒9-10秒9 強め
[今週] 助手
【美浦南W】 稍 69秒0-52秒9-38秒0-12秒0 馬なり

コースと坂路を併用して入念に乗り込んだ。1週前はウッドで実戦さながらの追い比べからスパッと伸びて1F10秒9。今週は無理せず馬の気に任せたが、しなやかなフォームから、手応えたっぷりの伸び脚。5F69秒0ー3F38秒0ー1F12秒0。体も引き締まっており、前走以上の状態だ。
陣営に聞いても「前走後はどこ使おうか迷ってシュトルーヴェが目黒記念で、そこで2頭出しもどうかと思ったし、今は凄く状態がいいから天皇賞・春になった。去勢してから本格化したし、AJCCはハナ差でも勝ったことは大きい。特に輸送に不安もないし、長距離適性は凄く感じるから。メンバーもそこまでではないし、バテない強みを活かせれば満更でもないよ」とスタッフ。

8枠17番 スマートファントム【評価C】
 石橋厩舎[西] 岩田望騎手

[1週前] 調教師 [4月18日(木)追い]
【栗東CW】 良 84秒8-68秒1-53秒6-38秒0-11秒3 一杯
[今週] 助手
【栗東CW】 稍 84秒3-69秒1-54秒6-39秒7-12秒0 馬なり

CWコースで単走。手前をスムーズに替え、ラスト12秒0なら及第点だが、それほどスピードを感じないのが惜しい。迫力が伝わってこなかった。

8枠18番 ハピ【評価C】
 大久保厩舎[西] 浜中騎手

[1週前] 助手
【栗東坂路】 良 53秒0-38秒4-25秒0-12秒3 末強め
[今週] 助手
【栗東坂路】 稍 55秒1-39秒7-25秒6-12秒6 末強め

坂路で単走。脚さばきがパワフルなのはいいが、内ラチの方に動いていきそうになるなど、やや余裕がない感じ。