現場の裏話コラム|vol.1|美浦発:試験の結果にピリつく関係者事情

現場の裏話コラム|vol.1|美浦発:試験の結果にピリつく関係者事情

現場の裏コラム第一回目は「試験ネタ」を公開する。
今後、馬券攻略には直結せずとも、知っておいた方が良いトレセン内部の裏事情を公開していく。
これは「なぜこの厩舎は調子がいいんだろう」であったり、「なぜこの騎手は今乗れていないんだろう」といった根本的な話に通じる。
是非とも目を通していただくことをお薦めする。

※ ※ ※

9月末から10月の上旬というと、ちょうど秋のGⅠシリーズが佳境に入ってくる。そのうえ年末まで、怒濤のようにビッグレースが続くことを連想できるだけに、競馬ファンにとっては、嫌でも気持ちが盛り上がるシーズンだ。

それは関係者とて同じことだが、実はこの9月末から10月上旬というピンポイントの期間に、調教師と騎手免許の一次試験の結果が発表になる。関係者にとっては、単に気持ちが高ぶるだけでなく、緊張感も伴うことになるわけだ。

例えば、調教師試験を何度も受けているのに、一次を突破できずにいる騎手や調教助手がいるとしよう。その彼らに対して、試験の話題をするのは憚られるし、いわんや合否を確認するなんてのは、よほど関係の深い相手でなくてはやりにくかろう。

 まあ騎手の場合だと、春後半から騎乗数を控えて試験に備えていたのに、9月に入ってまた騎乗数が増えたりすると、「ダメだったんだな」と想像できる。しかし、助手の場合は自身のキャリアのステップアップとして、騎手よりももっと深刻に捉えているから、合否の結果について笑い話ではすまされない。関係者もそのことは重々理解できるだけに、自分が受験していないのに、どこかピリピリした緊張感が漂うものだ。

 
特に今年はそれが顕著だったようだ。

無理もない。ここ数年騎手上がりの、それも有力な騎手達がこぞって調教師試験を受験する傾向があって、半分諦めムードの受験者も少なくなかったと聞く。それが今年は、騎手上がりの受験者がひと段落ついた。俄然、自分達にチャンスが回ってきた、と考える助手達のモチベーションが上がって当然だからだ。

そうした受験者の前歴が合否に影響することはない。と、JRAは説明するだろう。当然、そうあるべきだと思う。実際に実績を挙げているベテラン騎手でも、調教師試験の一発突破は難しい。しかし、本当に対等で公平なのか、というと疑問な部分もある。一発突破はできなくとも、翌年には成就するケースがしばしば見られるからだ。助手のように、何度も受験した末にようやく、というのはあまり聞かない。

そして、やっぱり今年もダメだったか、ということで言うと、思い当たるのがフランスの女性騎手ミカエル・ミシェルの通年騎手免許試験の不合格がある。調教師ではなく騎手免許ではあるが、これとてどこか作為的なモノが感じられないだろうか。

試験内容に日本語が必須であることはいいとして、短期免許、あるいは地方競馬での騎乗が許可されている騎手に対して、その条件をかたくなに守って判断することは理解しがたい。地方競馬からの移籍を希望する騎手に対して、必要以上にハードルが高いように感じられるのも同じことだ。

調教師と騎手の試験には、どこかで部外者排除の論理がありはしないか。
この時期、毎年のように、関係者内でももっぱら話題に上がることである。

美浦トレセン情報部:吉本