【阿修羅の追い切り速報】3日間開催・GI戦線に繋がる追い切りも多数!
今週月曜日はトレセンでの「レク日」に当たり基本的には火曜が全休で水曜、木曜、に分散しての追い切りが行われておりました。
秋華賞や菊花賞は勿論、天皇賞秋に向けた出走馬達も続々と入厩しており、当該週の追い切りのみならずGI馬達の追い切りが佳境を迎えている事もあり、東西トレセン共に非常に活気づいた光景が至る所で散見されておりました。
その様な中、1点気になるのが昨年のマイルCS1着、安田記念2着のセリフォスの始動が遅れている事。
現場サイドでも「まだ入厩していないのか?今年は直行するのか?」とざわついた事から、放牧先のチャンピオンヒルズに確認に行くと「夏負けが尾を引き本当なら使いたかった富士Sには使えない模様」という話しが入ってまいりました。
今週の毎日王冠に使うソングラインの秋の目標はブリーダーズCであることから、連覇の可能性も目されていたセリフォスに既に黄信号がともり始めているという状況。チャンピオンヒルズのある琵琶湖周辺は大分涼しくなってきているので、一気に体調をUPさせてくるのか、それとも調整遅れが致命的になるのか、人気必死のセリフォスですから今からマイルCSの動向も非常に楽しみになってまいりました。
今後、その様なGI馬達の調整状況なども含め、「追い切り速報」をお届けできたらと考えておりますので、欠かさずチェックしていただけたら幸いです。
なお、ここで注目馬に抜擢する馬は、基本的に当該週の「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。
それでは、注目の美浦の追い切りから。
<美浦>馬場寸評(2023.10.4)
【南ウッド】は稍重。早朝から雨が降り始め、調教中も雨が続いた。そのためコース全体が締まって、走りやすい状態だった。騎乗した助手は「雨はそれほど強くなかったが、開門から閉門までずっと降っていたね。風もなく、追い切りには特に影響はなかったよ。チップが水分を含んだことで締まって走りやすさが増した感じで、時計も思った以上に速い。1秒近く速い馬場だったように思う」とのこと。日曜11R毎日王冠に出走するソングラインが5F67秒8ー3F37秒7ー1F11秒0。シュネルマイスターが6F83秒5ー3F37秒4ー1F11秒3。
【南芝】は稍重。雨はあったが、滑ることもなく馬場コンディションは良好。青々とした状態を保てている。
【南ダート】は稍重。軽い砂質。雨で締まったことで、速い時計が出る状態。
【南ポリトラック】は良。粘り気はあるが、時計は先週同様に速め。1F11秒台前半なら優秀と言える。
【坂路】は稍重。坂がきつくなったためか、時計は速くない。騎乗した助手からは「前半に無理をしなかったが、それでも最後は息があがってしまった。2歳馬はバタバタになることもあるよ。2Fよりも残り1Fの方が時計が掛かっていることからも、かなりタフな馬場になったね」とのこと。4F53秒台ー1F12秒台なら優秀と言える。
<美浦>追い切り注目馬
■10.7土曜東京5R 新馬戦
ダノンロッキー(牡2歳)
父:キズナ
母父:Street Cry
生産:ノーザンF
馬主:ダノックス
厩舎:美浦・萩原清
あか抜けた好馬体の持ち主。迫力あるフットワークからも、秘めた素質は相当なもの。これまでの調整は至って順調に来ており、1週前は戸崎を背に5F66秒4ー3F38秒2ー1F12秒3。一杯に追われる相手に対して終始馬なりで応戦。最後まで抜け出すのを我慢させたが、追えば突き抜ける勢いだった。今週も戸崎を背に併せ馬。前を走る古馬を目標に進んで直線は内へ。ゴーサインにしっかりと反応すると、ラストは一直線の伸び脚。6F84秒8ー3F38秒3ー1F11秒7。初めてビシッと追ったこの1本で出来がグンと上がりそうな雰囲気があり、肌もピカピカの状態。態勢は整った。
■10.7 土曜東京7R 3歳上1勝クラス
インペリアルライン(せん4歳)
父:ドゥラメンテ
母父:Giant’s Causeway
生産:社台F
馬主:社台レースホース
厩舎:美浦・仲舘英二
大敗を喫した前走後はすぐに放牧でリフレッシュ。本来は得意舞台である東京の開幕週を目指して、じっくりと英気を養ってきた。2週前には5F66秒2ー3F36秒9ー1F11秒6。3頭併せからあっさりと抜け出すと内の馬に5馬身、中の馬に6馬身の先着。1週前はGI出走馬相手に互角の動き。迎えた今週は3頭併せの外で僚馬を誘導。直線は大外に進路を取ったが、もったっま矢のように伸びて5F68秒9ー3F38秒6ー1F11秒9をマーク。相手が来れば来るだけ伸びる脚勢は余裕たっぷりで、肌もしっとりと見せている。活気にあふれた気配は巻き返しに向けて、きっちりと立て直した。
■10.8 日曜東京8R 3歳上1勝クラス
ココクレーター(牝3歳)
父:エピファネイア
母父:ゼンノロブロイ
生産:ノーザンF
馬主:キャロットファーム
厩舎:美浦・木村哲也
夏場は無理せず放牧でリフレッシュ。開幕週の東京を目指して、しっかりと準備をしてきた。2週前は7F追いの意欲満点の内容。1週前も7F追いから直線ビシッと追って1F11秒8。気合を前面に出して、最後までしっかりと踏ん張った。10月1日には坂路で一杯に追われると直前はウッドで6F追い。直線で反応を確かめると一気に加速して、ラストはズバッと切れた。6F83秒8ー3F38秒2ー1F11秒6。数字以上の切れがあり、体も緩みなく引き締まった状態。態勢に隙はない。
■10.8 日曜東京12R 3歳上2勝クラス
メイデンタワー(牝3歳)
父:ドレフォン
母父:Jade Hunter
生産:ノーザンF
馬主:サンデーレーシング
厩舎:美浦・稲垣幸雄
前走の当舞台では逃げて後続を引き離す圧勝のパフォーマンス。ひと息入れて成長を促したが、中間のケイコでは想像を上回る鋭さを見せている。ウッドとポリトラックを使って乗り込まれ、1週前はウッドで調教師自らが感触を確かめて1F11秒6。馬場の大外を真っ直ぐ伸びた。今週はポリトラックに切り替えたが、バネの利いたフォームから、ラストもズバッと切れて5F65秒8ー3F37秒5ー1F11秒6。スピード、切れの良さがひときわ目立ち、体も中から膨らんだような状態。いきなり好勝負できる仕上がりだ。
■10.9 祝・月曜東京5R 2歳新馬
アンドアイラヴハー(牝2歳)
父:No Nay Never
母父:War Front
生産:Lake Villa Farm
馬主:キャロットファーム
厩舎:美浦・田村康仁
初時計でいきなり1F11秒9。その後も併せ馬で入念に乗り込まれ、9月21日には僚馬を6馬身突き放す圧巻の伸び脚を披露。5F66秒2ー3F36秒9ー1F11秒8。1週前追い切りではさらに時計を短縮。5F65秒6ー3F36秒6ー1F11秒8。今週は古馬との併せ馬。5Fからビッシリと馬体を並べてプレッシャーをかけたが、直線は追い比べからグンと抜け出して2馬身の先着。5F67秒1ー3F37秒4ー1F11秒7。見栄えのする馬体からも素質は確かで、初戦から要注目。
■10.8 祝・月曜東京12R 3歳上1勝クラス
パイアイヤー(牝3歳)
父:アジアエクスプレス
母父:ファルブラヴ
生産:隆栄牧場
馬主:ウエスト.フォレスト.ステイブル
厩舎:美浦・鈴木伸尋
夏の新潟を使った後は、ダメージを残さないように間隔をあけてリフレッシュ。その甲斐あってこの中間はハツラツとした動きを見せている。1週前は併せ馬で1馬身の先着。一杯に追われる相手を子供扱い。今週は3頭併せで最内に潜ったが、手応え、脚勢に乱れはなく、最後は持ったままスパッと切れた。5F68秒8ー3F38秒3ー1F11秒8。体全体を無駄なく使ったフォームは迫力があり、馬体もふっくらと膨らんだ状態。前走からの良化は著しい。
<栗東>馬場寸評(2023.10.4)
火曜日(3日)が厩舎のレクレーションで全休日で(重賞出走予定馬は除く)全休日明けのこの日は普段の1から2割り程度の追い切り数だった。夜に雨が降ったが朝にはあがり、晴天で芝コースと障害コース(やや重)以外はすべて良馬場だった。
【Wコース】は、しっかりと追ってきた馬はラスト11秒台がコンスタントにでた。雨で適度に締まった馬場で馬には走りやすそうなコンディション。
【芝コース】は、柔らかくかなり掘れやすい状態だったが、マズマズ速い時計がでた。
【ポリトラック】は、一杯に追われた馬の割合は多かったが、全体時計は標準よりも遅め。
<栗東>追い切り注目馬
■10.7 土曜京都9R 宝ヶ池特別
ラファドゥラ(牝3歳)
父:ドゥラメンテ
母父:Singspiel
生産:ノーザンF
馬主:丸山担
厩舎:美浦・小島茂之
角田河が乗ってWコースで6ハロン85.4-69.2-53.8-38.1-11.4秒。来週の秋華賞に出走のキタウイングと併せて先行し半馬身先着。強めに追った相手に対し、終始楽な手応え。脚取りも軽快で、少し間隔の空いていた前走よりも状態は上。前走のローズSでは、勝った馬と同じような位置にいたが、瞬発力の差がてての7着。秋華賞への出走は叶わなかったが、自己条件のここから仕切り直し。
■10.8 日曜京都9R 清滝特別
キングロコマイカイ(牡4歳)
父:キングカメハメハ
母父:ハーツクライ
生産:辻牧場
馬主:大和屋暁
厩舎:栗東・須貝尚介
Wコースで5ハロン69.3-53.9-38.7-11.8秒。3勝クラスのドライゼと併せて先行併入。スパッと切れた印象はないが、ドッシリとした力強い脚取りで駆け抜け元気一杯。2走前は道悪の影響もあったが、ここ2戦はゲート内での駐立が悪く、スタートでの出負けが響いている形。もともと前に付ける脚も持っている馬、互角の発馬がきれれば巻き返しておかしくない。
■10.9 祝・月曜京都9R りんどう賞
セキトバイースト(牝2歳)
父:デクラレーションオブウォー
母父:Footstepsinthesand
生産:タイヘイ牧場
馬主:TNレーシング
厩舎:栗東・四位洋文
Wコースで6ハロン86.1-69.8-54.4-39.6-12.1秒。今週は単走で直線で軽く追われたサラッとした内容だったが、先週の藤岡康が乗った追い切りでは、ゴール前で鋭い伸びを見せてラスト11秒3をマーク。430キロ台で体は大きくないが、力強さも持ち併せている馬。ひと息入れた効果で活気も十分。先行力もあり開幕週の馬場も歓迎のタイプ。このメンバーに混じっても引けは取らない。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び9頭の調教注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班