【阿修羅の追い切り速報】GI週だからこその特注馬が目白押し。

【阿修羅の追い切り速報】GI週だからこその特注馬が目白押し。

栗東・美浦のトレセンでは「スプリンターズS」の最終追い切りも行われ、非常に活気づいておりました。
しかしながら、GIシリーズに突入すると各新聞社のTMはGI競走向けた取材ばかりに偏った行動を取ろことも多く、だからこそ「盲点」となる馬が多数出現するという、情報を知る立場に居る者としては、非常に美味しいレースが「平場や特別戦」にも出現するのが、この時期。

そういった特注馬も含んだ動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。

なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっておりますが、好調教馬のみならず先々の指定に向けての【思惑】が絡んだ馬が紹介されることもございますので、推奨馬に関しては当該レースのみならずその後の動向もチェックしておくことをお薦めいたします。

それでは、注目の美浦の追い切りから。

<美浦>馬場寸評(2023.9.28)

【南ウッド】は良。前日の水まきに加えて、早朝に若干の雨。コース全体が締まって速い時計が出る馬場だった。騎乗した助手は「気温が下がったせいか、乾きが遅いね。ハローで馬場を整えた後も、中までしっとりとしていた。軽くて走りやすいね」とのこと。日曜中山11R・スプリンターズSに出走するオールアットワンスが5F66秒7ー3F37秒1ー1F11秒6。ナランフレグが5F66秒8ー3F37秒0ー11秒7。
【ポリトラック】は良。硬さがなく、粘り気のある馬場。クッションが利いて、走りやすいコンディションだった。時計も速く、1F11秒台前半なら優秀と言える。
【芝】は良。芝が青々として走りやすい馬場。先週から大きな変化はなく、いいコンディションを保てている。1F11秒台ならOKだ。
【ダート】は良。軽くて走りやすい砂質。特に内を通って追い切った馬は時計が速かった。1F11秒台なら優秀だ。
【坂路】が新規リニューアルオープン。高低差は栗東を上回る33メートルになり、スタート地点は壁に囲まれている。27日は初日ということもあり、様子を見る厩舎が多く、追い切りは約170頭。騎乗した助手からは「スタートから坂になるため、かなり負荷はかかる。体力がある馬はさらに鍛えられそうだが、2歳馬などには負荷が大きいかも。前半の入りなどを工夫して調整していきたいね」とのこと。4F53秒台、1F12秒台なら優秀だ。


<美浦>追い切り注目馬

■9.30土曜中山9R 芙蓉S
 ドゥレイクパセージ(牡2歳)
父:ドゥラメンテ
母父:Include
生産:ノーザンF
馬主:吉田勝己
厩舎:美浦・堀宣之

素質馬がそろったデビュー戦だったが、逃げて後続を突き放す余裕の勝ちっぷり。美浦に戻ってからも順調に乗り込みを続けており、1週前はビシッと追って6F82秒5ー3F37秒8ー1F11秒7。日曜にも3頭併せを行って時計をマークすると迎えた今週の追い切りでは、攻め駆けする古馬と併せて5F67秒2ー3F37秒3ー1F11秒5。僚馬を誘導して、直線は外に並んだが、相手が来れば来るだけ伸びる脚勢。馬なりのままはじけて1F11秒5の数字、鋭い伸びともにひときわ目立った。馬体も中から膨らんだような盛り上がりがあり、前走からの上積みは大きい。

■9.30日曜中山7R 3歳上1勝クラス
 フロムナウオン(牡3歳)
父:モーリス
母父:キングカメハメハ
生産:ノーザンF
馬主:平田修
厩舎:美浦・手塚貴久

1勝クラスでの崩れがなくなり、休養後も4着3着の成績。今回は攻めを強化して臨むことになった。2週前はウインマリリン、キングズレインとの3頭併せで1F11秒6をマーク。1週前はウインマリリンとの2頭併せ。6Fから飛ばしたが、最後まできっちりと食らいついた。今週はシュネルマイスターとの併せ馬。6Fから誘導して、直線は馬場の大外に持ち出したが、スピードが衰えることなく、最後まで真っ直ぐ伸びて6F84秒8ー3F38秒9ー1F11秒8。重心がグッと沈むフォームは迫力があり、心身ともに充実期に入った。

■10.1 日曜中山9R サフラン賞
 ステレンボッシュ(2歳)
父:エピファネイア
母父:ルーラーシップ
生産:ノーザンF
馬主:吉田勝己
厩舎:美浦・国枝栄

デビュー戦は大きく外に振られる不利がありながらも、余裕を持って抜け出す着差以上に強いパフォーマンス。その後はここ目標に調整され、9月10日に初時計をマークすると、そこからメリハリを利かせて順調に乗り込まれてきた。1週前は3頭併せの内から抜け出して5F66秒0ー3F36秒9ー1F11秒9。追われる2頭を尻目に楽な手応えで中の馬に2馬身、外の馬に1馬身の先着。今週は攻め駆けする古馬を追いかけて内に潜ったが、持ったままの手応えでグングン加速。最後まで無駄のないフォームで真っ直ぐ伸びきった。5F67秒9ー3F38秒7ー1F12秒2。数字以上の切れとスピードがあり、気持ちも乗っている。前走からの上積みは絶大だ。


<栗東>馬場寸評(2023.9.28)

風は強かったが、朝から晴れ渡っていて芝コース(やや重)を除いてすべて良馬場だった。馬の入れ替え時期で2歳馬の追い切りが一段と増えてきた。
【Wコース】は、開門当初は11秒台前半で駆け抜けてきた馬も多くマズマズ速い時計がでたが、後半の時間帯は全体的にやや時計を要した。
【芝コース】はやや重でも短く刈られて速い時計がでそうだが、セーブした追い切り1頭のみだった。
【ポリトラック】はほとんど手控えた追い切りだったため、数字も普段よりは遅め。

<栗東>追い切り注目馬

■9.30 土曜阪神10R 西宮ステークス
 ジュリアバローズ(牝5歳)
父:ディープインパンクト
母父:O’Reilly
生産:ノーザンF
馬主:猪熊広次
厩舎:栗東・上村洋之

Wコースで6ハロン83.8-67.3-52.6-37.3-11.7秒。単走でサラッとした内容の追い切りだったが、ラストは自らハミを取ってグイグイと伸びる。弾力あふれるフットワークで走り抜けた。詰めて使うとテンションが高くなるところがあり、これまでも間隔を空けて使われてきたが、力みもなくリラックスし動きで不安のない仕上がり。ラストは鋭い脚を使える馬、輸送距離の短い阪神に替わるのもプラスで巻き返す。


■10.1 日曜阪神11R ポートアイランドS
 ドーブネ(牡4歳)
父:ディープインパクト
母父:Footstepsinthasand
生産:社台F
馬主:藤田晋
厩舎:栗東・武幸四郎

Wコースで6ハロン83.5-68.0-52.7-37.8-12.2秒。ゴールまで軽く仕掛けた程度で数字は目立たないが、シッカリと体を使って推進力十分の動きを見せた。函館記念のあと放牧を挟んでいるが、帰厩後もシッカリと乗り込まれて息の面でも心配はなさそうだ。その函館記念は、最終週の荒れ馬場が合わなかった模様。距離の2000メートルも微妙に長かったか。ベストのマイル戦、コンディションのいい阪神に替わって見直したい。


以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び5頭の調教注目馬をご紹介いたしました。

株式会社ASHURA PROJECT
調教班