【追い切り速報】2023ラジオNIKKEI賞週
今週も美浦トレセン・栗東トレセンの馬場寸評に加えて、水曜時点で動きの目立った「追い切り注目馬」をご紹介してまいりたいと思います。
なお、この注目馬は基本的に「阿修羅認定競走以外」のレースからの選出となっている事は予めご理解ください。
それではまず美浦から見ていきたいと思います。
まずは美浦の馬場状況から。
<美浦>馬場寸評(2023.6.28)
今週から開門が5時。福島開催に合わせて右回りに変更された。
【南ウッド】は良。
ただ、前日からの入念な水まきの効果でコース全体が水分を含んだ状態。追い切り後半になっても、しっとりとした状態を保てており、終日速い時計がマークされた。騎乗した助手からは「どの厩舎も暑い時間帯を避けたいため、朝の南ウッドコースはいつも以上に混み合っていた。馬場の悪化も早かったが、多少の荒れ具合なら走りに影響することもなく、時計も速い。後半も適度な湿っていたこともあって、外を回っても時計の出るコンディション。スピードに乗ってしまえば、そのまま走り切れる感じだね」とのこと。日曜福島11R・ラジオNIKKEI賞に出走するシルトホルンが6F83秒8ー3F37秒8ー1F11秒3。グラニットが5F68秒3ー39秒4ー11秒9。
【ポリトラック】は良。
南ウッドで故障した馬が出たため、追い切り変更を余儀なくされた馬がポリトラックに集中。短時間でかなりの頭数が追い切られた。ポリトラックにあまり慣れていない馬が多かったためか、前半から飛ばす馬は少なかったが、1Fは速い。11秒台前半を楽にマークした馬もおり、走りやすい馬場だと言える。
【南ダート】は良。
適度な水分を含んで軽い馬場。ビシッと追う馬は少なかったが、走りやすく時計の出る馬場。1F12秒台前半なら優秀だ。
【南芝】は良。
掘れた箇所がなくなって芝が綺麗に生えそろい、コンディションは良好。速い時計もマークされている。ダートと同じく、1F12秒台前半なら優秀だ。
続いて美浦の追い切り注目馬をご紹介しよう。
<美浦>追い切り注目馬
■7.1(土)福島5R2歳新馬
ネムレスクイーン[2歳牝]
父:レッドファルクス
母:アップロック
生産:社台F
馬主:フィールドレーシング
厩舎:上原佑
小柄な牝馬で仕上がり早のタイプ。初時計でいきなり1F11秒7をマークすると、そこから立て続けに11秒台。とりわけ1週前は実戦さながらの3頭併せで、直線は2頭の間に入れてプレッシャーをかけたが、気合を付けるとしっかりと反応して、一直線に伸びきった。1F11秒3の数字が示す通り、切れの良さが目立った。この1本でほぼ仕上がったため、直前はレースで騎乗する菅原明が跨がって芝で感触を確かめる内容にとどめたが、弾むようなフォームに、ラストも手応えたっぷりの伸び脚。素直で操縦性に優れたセンスの良さもあり、デビュー勝ちを狙える仕上がりだ。
■7.1(土)福島8R3歳上1勝クラス
ショウナンライシン[3歳牡]
父:エスケンデレヤ
母:ショウナンバーキン
生産:青藍牧場
馬主:国元哲秀
厩舎:大竹正
デビュー戦を勝った後は脚元の不安が出たため放牧へ。無理せず時間をかけてじっくりと立て直したことで、帰厩後の雰囲気は初戦よりもグンと良くなっている。脚元の不安も解消され、ケイコもビシビシと攻め込めるようになり、6月初旬から計7本の時計をマーク。ひと追いごとに力強さを増して、1週前追い切りでは6F81秒3ー3F36秒9ー1F11秒4の好時計をマーク。今週は単走で半マイルからとなったが、緩急の切り替えがしっかりと利いて、コーナーさばきもスムーズ。直線でペースを上げてもリズムを崩すことなく、重心をグッと下げたまま勢いのある伸び脚。4F51秒7ー3F36秒9ー1F11秒4。丸みを増した馬体も好印象。初戦よりも数段パワーアップされての復帰戦だ。
■7.2(日)福島8R3歳上1勝クラス
フラッパールック[3歳牝]
父:イスラボニータ
母:ワイルドフラッパー
生産:社台F
馬主:吉田千津
厩舎:林徹
昇級初戦となった前走が3着。気分良く逃げた勝ち馬を最後まで捕らえることはできなかったが、素軽い先行力から粘り込んだ内容にはセンスの高さを感じさせた。今回は約3カ月あけて立て直し。リフレッシュさせたことで馬体は大きくなって、フットワークにも柔らかみが増している。2週前は攻め動く古馬相手に馬なりのまま先着。1F11秒3を軽々と叩きだした。1週前も古馬と互角に動いて1F11秒4。迎えた今週は津村を背に2頭併せ。前を追いかけながらも力みのないフォームで、直線は軽く仕掛けた程度で一気にトップスピード。あっさりと2馬身突き放した。5F68秒7ー3F38秒7ー1F11秒3。馬場の大外を回してこの時計は優秀なもの。体の緩みもなく、万全の復帰戦だ。
■7.2(日)福島12R3歳上1勝クラス
サトノブラーヴ[5歳セ]
父:オルフェーヴル
母:シェルズレイ
生産:ノーザンF
馬主:里見治
厩舎:堀宣行
折り合いに苦しみ、5Fからまともに追うことができていなかった。ただ、これでガス抜きは完了。この中間はメリハリを利かせた乗り込みを消化できており、折り合いも問題なし。特に併せ馬を行えるようになったのはひと叩きの効果だろう。直前は5Fからビッシリと馬体を並べたが、終始リズム良く走れて、ゴール前はグイッと力強い伸び脚。5F67秒5ー3F38秒3ー1F11秒4。手綱を緩めれば突き抜ける勢いがあり、最後まで抜け出すのを我慢させて半馬身の先着。体の張りも出てきたように、一変が可能な出来だ。
続いて栗東トレセンに移りましょう。
まずはコチラも馬場状態から。
<栗東>馬場寸評(2023.6.28)
この日は晴天だったが、月曜日の雨でポリトラック(常に良馬場)以外はすべてやや重。
【Wコース】は部分的にチップを入れ作業中。まだチップが馴染んでいないのかラスト11秒台の前半はふだんよりも少なめ。標準よりも多少時計がかかった。
【芝コース】は2歳馬の追い切りが中心。短く刈り込まれていて、見た目は速い時計が出そうだが、一杯に追ってくる馬が多かったわりにはやや時計を要した。
【ポリトラック】はラスト11秒台が多かったが、セーブした追い切りが多かったこともあり全体時計は遅めだった。
<栗東>追い切り注目馬
■7.1(土)中京4R3歳未勝利
ジェムラー[3歳牡]
父:ロードカナロア
母:ジュエラー
生産:社台F
馬主:青山洋一
厩舎:藤岡健
Wコースで5ハロン66.3-51.0-36.3-11.9秒。未勝利馬3頭併せでやや劣勢だったが、他の2頭は騎手見習いと河原田が騎乗。斤量に差があったなかでのもので心配はなし。デビュー戦はいいところなく終わったが、ジックリと乗り込まれていて徐々に稽古の動きにもキレがでている。桜花賞馬ジュエラーの子で血統的に期待も大きい馬。太かった体も絞れてきているだけに2戦目で前進が期待できる。
■7.2(日)中京12R3歳上1勝クラス
シャドウアイル[4歳セ]
父:ノヴェリスト
母:アルティメイトラブ
生産:社台F
馬主:飯塚知一
厩舎:斎藤崇
ポリトラックで4ハロン51.4-36.9-10.9秒。ゆっくりとした行き出しで上がりから加速すると、直線では鋭さ満点の動きで駆け抜けた。一杯に追えばまだまだ伸びそうな手応え。この中間はポりトラックでシッカリと攻める調教を積んきて、ひと追いごとに切れ味が増している昇級後はレースでいい面をだせていないが、今回は減量騎手を起用。距離も1200メートルに詰めてきた。稽古の動きも抜群で変わるなら今回か。
以上、美浦と栗東の馬場寸評、及び6頭の注目馬をご紹介いたしました。
株式会社ASHURA PROJECT
調教班